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■2014/09/14(日) 戦争小話 とある英国の異能生存体

カテゴリータグ:歴史・民話・事件・逸話系(2014) 歴史・民話・事件・逸話系 戦争小話・戦争噂話 ◆S.DnKL8wio氏の短編集 2014

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36 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:53:01 ID:dwZgizZI

20レス程投下致します。

至らぬ点が、多々御座いますが、
御容赦の程、宜しくお願い致します。



37 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:53:19 ID:dwZgizZI

戦争小話


とある英国の異能生存体



38 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:53:50 ID:dwZgizZI

                ,x-----zm、
               ,x^二二 ̄`=ュ`丶、
             /二ゝ/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`゛\\
            /\  /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;` ヾ、、
            /:;:;:;:;卍:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヾヽ
           ,':;:;_ / ̄ ̄ ̄ ̄`ヽx、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;\ヽ
           | /・) ̄/ ̄ ̄フ:;:;:;:;:;`ヾx、i!i!i!i!i!i!i!i!i!\
           |八/__/___/:;:;:;:;:;:;:;_ `ヽ、i!i!i!i!i!i!i!ヾ、
          /二二二二二二二二.,| .`iヽフコi!i!i!i!i!i!i!i!\
          //,x='二二二二二二ニ>―┘-x(Ⅱ)i!i!i!i!i!i!i!i!i!ヽ、
         ,x'´三三三三三三三三三三三三三\i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!ヽ
       /l|l|l|/三三三三三三三三三三三三三\i!i!i!i!i!i!i!i!i!.|
       `丶x、|三,x= ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヾ:;,:;:;:;:;:;:;:;:;,.\i!i!i!i!i!i!i!/
          /込    ==ニ=x、 r    i:;:;:;:;:;:;/二i、i!i!i!/
          ヽfュフ   <ヾソ=-〃, 、  ヽ:;:;//  ||./
            )/ /    `ヾミ    i    /< > .|//
           .i//   -z,、       ) :;:  ////
            i  __/ `ヽ、      :;:;   i~ ..,.イ
           丶-≦'´    .\ 丸     /ー='/
            ヽヽi^i^i^i'刀フ  .| |   /;:;:;:;:;:|
             |i `=='´    | |  /;:;:;:;:;:;:;:;:.|`i、
             `、       ./ //;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| .i.ヽ、
              ,|       /_/;:;:;:;:;:;:;:;:;:  / /  \
              ヽ、__,z=´////////  / ./    `iiー,--
            ,z==′/| |/////////  ,x′ /     || (二、
          / ̄ ̄ ̄//.| ヽ、/// .x=<   / iヽ、   ||  `ヽ
         //////../ .| | /ミ彡~|    ./  /_ヽ=、 .||

多くの人に知られる逸話を持つ軍人と言われて、思い浮かべる軍人は、誰であろうか?

冬戦争において、白い死神と恐れられたフィンランド軍の『シモ・ヘイヘ』?

それとも、戦後の戦史叢書にて、唯一個人名が記された大日本帝国陸軍の『舩坂弘』?

または、空前絶後の戦果を上げたドイツ国防軍空軍『ハンス・ウルリッヒ・ルーデル』であろうか?

これらの他にも様々な意見が、存在すると思うが、私は、少しマイナーではあるが、この人物を紹介したい。

39 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:54:28 ID:dwZgizZI

                  -  - 、
                  / (≡ ≡)ヽ
                  (ヽ (_人_)/^)
              ヽ     /
.                |      |
              .し    J

1880年、『Adrian Paul Ghislain Carton de Wiart』は、
とある貴族の長男として、ベルギーのブリュッセルに生まれた。



               ____
             /      \
           / ⌒    ⌒ \
          /   (●)  (<)  \
            |      (__人__)     |
          \     `⌒´    ,/
         /_∩   ー‐    \
        (____)       |、 \
           |          |/  /
           |        ⊂ /
           |         し'
           \   、/  /
             \/  /
           _/  /``l
          (____/(_/

彼は、6歳の頃にアイルランド人の生母と生き別れるものの、
それを感じさせない程、すくすくと育った。

40 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:54:50 ID:dwZgizZI

         ___
       /      \
      /  ─   ─ \
    /    (●) (●) \
    .|      (__人__)   |    __
     \     ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒   /
    (⌒      /     /     /
    i\  \ ,(つ     /   ⊂)
    |  \   y(つ__./,__⊆)
    |   ヽ_ノ    |
    |           |_
     ヽ、___     ̄ ヽ ヽ
     と_______ノ_ノ

そして、彼が、12歳になった時、
当時、父の再婚相手であった英国人の継母の影響か、
イギリスの寄宿舎に送られ、イギリスでの生活を送る様になり、
その後、18歳の時、オックスフォード大学に進学した。



       √ ̄ヽ--ヘ
      /       ヽ
      0く━=ニニ二>
     //(●)  (●) \
    / ヘ  (__人__)    |
   /ヽノ彡,,..  ._   /
  /  丿,,  /\ヽノ/ゝ 丶
 (       ̄jヽ,/_l   ヽ
  \     ____ ̄{。 _____ }
   ヽ、,,_,  {---} }。 {---} j

しかし、空気が合わなかったのか、
それとも何か目的があっての事なのかは分からないが、
彼は、19歳の時に起こった第二次ボーア戦争時に大学を飛び出し、
偽名を使ってまで参加した。

41 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:56:02 ID:dwZgizZI

                       __
                      /- -  ヽ
                     .ー)ー)  l!   ,、-
           n          (人__)  l-''"´
           } ',       ,、- ' ヽ__,、-'":´::;;ゝ、
           「l:! }     「    _,,,ィヘ_,、-' ヾ,-へ
           l ' (‐へ   |:   ///\  r'´ .::: .:',
           >-ヘ_ \、 l  _.rヘ!/  , >V /..:::::::l
          ヽ::::::::>、_ヽ-、r' :Y/ ...:/「-! /::::::::::l
           ヽィ:::  テ ̄`ヽ:://:::::::/./..::l  :::::::::l--
        , - 、   \;:::} `  }`‐ 、_/__:|,、:/  .::::::/‐‐
       /    ` ヽ、 `ヽーr/::::::::/::............\::::::::::/
       / .::::::::......  `‐、 `└、:_:/::::::::::::::::::::::::::::::/
      / .....:..:::::::::::::::::::..... ``-<F}フ -、::___;;ノ
      ノ!::::r-、ィ_ヽ;:::::::::::::::::::::.... Y !::. :::::::::::::::::}
     {...::/:/ :::::::`ヽ、::::::::::::::::::::::::l /:::::::::::::::::::::::::l
     /\!:/ :::::ヽ;::::::\::::::::::::::::::j {::::::::::::::::::::::::::|
,..___ノ;;;;;;;;l::| .:::::::::ヽ_;;;;\::::::::::::} ゙!::::::::::::::::::::::/l
ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ/ ::::::::::::/ //ヲー-ゝ、;;;j |:::::::::::::::::/:::> 、_
 `ー- 、;;;」:l:::..::::::::::::/ //::|:::::r-=r=''"‐‐‐‐-― '"´   `ヽ
     `''}::::::::::::::::::} / !:::|::://:::|、_ _________
      /;;`⌒r‐'" | |:::::|://::l::l 「::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
     /;;;;;;;;/    |└--| |::ヽ! |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
     /;;;;;;;/     ̄ ̄| |::::::l L___________
   /;;;;;;;;;{       <└-ク  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
r-'"´;;;;;;;;;;;;;;l     ヽ  ` ̄  `i

この第二次ボーア戦争への参加から
彼の長きに渡り、そして逸話に溢れた軍人生活が、始まる。

42 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:56:40 ID:dwZgizZI

         , -─‐──‐-、
          /        ゚    \
       / ;  ゜      °  \
      l  U      ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l⌒ '"⌒ ヽ、
       |;;;;;;;;;;;;;;;;;;    u.    ;   |ー       \
.      ! u. _ノ′ヽ、__   ∪           ,;   \ ,rー、
        ゝ。((-‐)  ;;;;;;;;;;;)::。 i'′⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
       (  ヽ'"(__人___)"'__ ,ノ ヽ、____"___,、___ソノ__ノ
  ´ ´ `゚~゜´^" ´~`゚゜`⌒ ´"´´゚^゚^ ~゜゚`´^゙^ ^´'゜´^゚´ '゚^´゙ ^ ゚゜

話を戻すが、そうしてまで第二次ボーア戦争に参加した彼であるが、
戦争初期に戦傷を負ってしまい、傷病兵として家に送還されてしまい、
第二次ボーア戦争の期間の殆どは、療養期間として過ごす羽目になった。



         ____
        /ノ   \\
      /(●)  (●) \
     /   (__人__)   u \
      |    ` ⌒´     u |
      \           /
        /         \
       |             )
.     |  |         /  /
       |   |       /  / |
       |  |      /  /  |
      (YYYヾ  Y (YYYヽ |
     (___ノ-'-('___)_ノ

もちろん、勝手に軍隊に入隊していた事がばれてしまい、
父親から大激怒されるも、なんとか軍隊に留めて貰える事となった。

43 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:58:03 ID:dwZgizZI

         / ̄ ̄ ̄\
        /        \
      /           \
       |              |
      \           /
   ,,.. .-‐'           \
  <"   ,__,,_               \
  ヽヾ丿  |             i  ヽ
    ヽ& i          , -ii、ヽ、 )
        |     へ.  i    i^゙''"
        |    /  \|    | .
        |   /     |    | .
        |   /     `--- ´

しかしながら、この負傷という経験によって、
彼は、軍隊に必要な体力等の能力を身に着ける必要性を感じとり、
次に参加する戦争である第一次世界大戦までの期間を鍛錬に打ち込んだ。

未来の話となるが、この鍛錬が、後々遭遇する事となる様々なアクシデントを
掻い潜る基盤となったのだろう。



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44 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:58:37 ID:dwZgizZI

        ヽ三三三三三三三三二\
     ミミヽ {:::: \三三三三三三二=ヽ
   /三三ニ  \__ ̄三三三三ニ/
ニ/三三三ニトゥ/  乂三二~     /
三\三三三ニヽ{  ( ● )三三三三l}ー‐、
三二\三三三ヾ    (__人__) =="三三l}
三三三\三三ニヽ    ` ̄´    /三三ニ/ヽ
三三三三\三ニ \  ー /三三ニ/三ヽ
三三三三三\三三 `ー―三三三三/三ニ》
\三三三三三\三三三三三三ニ/三三/
三\三三三三三ヽ三三三三ニ/三三三t、
三三\三三三三ニ\○三ニ/孑'三三三三ヽ
三三三\三三三三三三三 {l三三三三三ニ/,
三三三三ヽ三三三三三三/三三三三三三/
三三三三三/三三ノ三ニ/三三三三三三l}
三三三三ニ/三三/ニ /三三三三三三三l}

そして時は流れ、1914年。

この年に起こったサラエボ事件に端に発する第一次世界大戦の勃発により、
彼は、すぐに召集を受け、イギリス領ソマリランド(現ソマリア北西部)に赴く事になった。



          ___
       /::::::::::::::::\
      /::::::─三三─\           :∴: :;. ;. .: :`:: ∵:゛
    /:::::::: ( ○)三(×)\     :゛;∴゛` ;`: :゛;:`´..;.∴;.`:':
    |::::::::::::::::::::(__人__)::::  |  ゛;.゛;. ; :″:: :゛;. :∵゛ ;. :'-、
     \:::::::::   |r┬-|' ;`∵: ;`;.:`´..; ` ;.゛;.: ::゛;.゛;.
    ノ::::::::::::  `ー;:: :゛;.・:゛∴;.゛;.: ::゛;.″:: :゛;∵゛ ;
  /:::::::::::::::::::::     ∵∴゛;.゛;.:: `;  :; `,  ・
  |::::::::::::::::: l

しかしながら、彼は、現地の戦闘で、
顔面に二発の銃弾を受け、目と耳の一部を失う怪我を負ってしまう。

45 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 20:59:43 ID:dwZgizZI

                 /   ̄ \     「l「l「h
                /  -l⌒l 、}   __ | ||| |
                / /  人_ノ 仏 - └ 、ヽ  ̄ !
             (_  / c∠二≦二}つノ   } l / |
              /   ─   \― 、   h.__イ
            /     ( ●)  (蓋)'   |     |
            |         (__人__)\|  |ー一.|
            \        ` ⌒´ /   |     |
            /{\     ー  ノ'-、   |     |
        r=ニ,二| \` ー-r--イ |  }}   ̄ノ!    |
        /  |  ∟ _ \ /^\ |/_  }}  !      |
         人_  |   く  \〉-〈/ /  }} |  __/
        /    l r―― ト  _ У_/r―‐i} |/
     /   / ! |ー rー|    | |   |ーrf リ
    /     / !  l| |    | |  l l| l |
   {     /{  \ /   | |   \/ハ}

そして、この時に追った怪我によって、
後に海賊の様だとも言われた
彼のトレードマークとなる眼帯をつけざるを得なくなった。

46 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:01:10 ID:dwZgizZI

     ,_ヽll_       ____
       ̄)  `ヽ、   / ....::::::::::::\
    _   .'ー´\   / :::::::::::::::::::::::::::\
   ヤヽ、_    \|   :::::::::::::::::::::::::::::::::| . 人__/
   { _  丶     |  ::::::::::::::::::::::::::::::::|    ⌒ヽ(
    '′ \  \   \ ::::::::::::::::::::::::::/      )て
          \   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ .   __ノ(`
          `ー──‐-=、 ::::::::::::::::::::ム  `Y^\
三三三三三三三三ニ≡≡≡ヽ ::::::::::{==────
         _______/ ::::::::::::::::::::::|
     /        _   :::::::::::::::::::::/
    / :::::::x──/ ̄   ....:::::::::::::::::::::/
__/ :::::::/    /  .......::::::::::::::::::::> ´
   :::::::/    ./ ....::/ ̄ ̄ ̄ ̄
ー─一´      /  ::::/
            i  ::::i
           ! ...::::!
        /  ::/

また、第一次世界大戦での彼の怪我は、左目を失っただけでは無い。

1916年のソンムの戦いでは、頭蓋骨と足首を撃ち抜かれ、
1917年のパッシェンデールの戦いでは、臀部を撃ち抜かれ、
同じく、1917年のカンブレーの戦いでは、足を撃ち抜かれ、
同じく、1917年のアラス戦いでは、耳を撃ち抜かれた。

つまり、2年ほどの間に、7回も銃弾を浴びているのである。



                   ______
                      |           |
                  __|______|
                      :/ヽ#;;;、/┳ .\:
               :/(○) (蓋)  ┳ \:
                   :|┳ (__人__) #;;;;.┃  |:
               :\;;;;; `⌒´ ;;;;     /:
                   :i三三||三三三三三\:
                   :|┳ i'三三三三ゝ、_#;; \:
                   :|┃;; |||三三三 _/  /:
                 :/|;;;;  |ー‐-、/ 三く  (´ヽ:
                  :{_ !、_,l    |三三`¨三|:
               :)ソ(___j)──┤-―――|:
                         :ゝ-i──i-´:
                             :\_/:

通常なら、一回につき、数か月の療養が必要な大怪我を負っているにも関わらず、
1917年に三回も怪我をしている事から分かる様に、
彼は、戦争に参加する事に並々ならぬ気持ちを持っていたのである。

その気持ちを表すかの様な彼の逸話が、今でも残っている。

47 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:01:56 ID:dwZgizZI

                       _  -‐-  、
                     , ´       ` 、
                   /   メ           \
     ,. -‐'fフフ           7 ;;;;;;;;;;;;;    ;;;#;;;    `、
    /   r‐´ r‐、         /   ;;;#;;:::::::::::V:::::::::::::u,─┳ ヽ
   ノ  _/_ 」  .l      |┯  ⌒\ゞヘ,i,ノヽ__,,,,, ・  !
   i;;;;# _ _ .) ,'       | U::::( (・)):::'"≡( 蓋 )iiii   !
   !     `{ ノ        ヽ メ ミ ,:::::::::::!:::::::::=≡彡  /
   |  ー ― 、}´; ̄ ̄;` ー‐-/;:;\;;;;#;;ヽ_人__,ノ` ;;;;;;;/,.,.,.
   l   ,.-r /;:ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;/:;:;:;ヽ _ | l l l |丿 u__,イ:;ヽ:;:;:;
 /i! ;;;  〕〈:;:;:;:;:i:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;/:;:;:;:;:;!  \ _ー┳./  i:;::;:ヽ:;:;
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:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ 、:;_:;_:;:;:;:;:;:;:;/:;:;;:;:ヾ:;:;:;:;:;:;:!   !;;;;;;;;;!   /:;:;:;:;:;:;:;7

・・・・・・とある戦いにおいて、腕に怪我をして運び込まれた彼は、軍医に、

『戦いに早く復帰をしたいので、
 この怪我をして、使い物にならないばかりか、戦うのに邪魔な指を切断してくれ』

と言った。。



       _,,,,.... ----- ─ - ...、
    ,.. "´::::::::::::::;o:::__i ̄i__::o::::ヽ.
   /::::::::::::::::::::o':::::.|__  __|:::;o::::::〉
   ヽ::::::::::::::::::::::::゙:o:::::::i___!:::o'::::::::/
    〉、_;; -――'''''゙゙  ̄ ̄, `゙゙''ー' 、
   ,' r´ ,._トー",.ィ| /`ー'i ハヽ .ゝ
   i r ´γ   ./__レ´   レ__ノ )',ハ
  .〈 イ イ  ,ィ´,.ー,`     ',-,`!.ヽ i O
   i  i .レイl ト' i    ト' } !イ..ノ
 。 | /。o i.゜`,,'ー' :::::::::::: 'ー',,゜ioノ。
o  .〉 !  ) l ',    ,.-─┐   ノ i o
   i   / 〈 lヽ,.  !´ ̄ヽ! ,.イノV
  ノ  イ /ヽ,'| .iヽ . ` ___,,..イ ! /  __
  ;'  ノ i,.,,,,:...-'―i´ ̄`l´`iー-iノ /´ , `ヽ
  i /.,'"      ヽ、・┼・ノ::::::ヽ(ゝ/ /  i
 ハ/           ・┼・::::::o::ヽ.!ヽ/__/ /
/〈/,r、゚ 。、゜ r、   ・┼・:o::::::゙o:::/ ニ ノ

この言葉に驚いた軍医であったが、
きちんと療養すればよい怪我であったので、それを拒んだ。

48 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:02:10 ID:dwZgizZI

         /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ `  、
        /       :::::\#::::/   \
      ./  )レ  :::::::::::::::::::::::\,==ニ_-、 丶
      /   ⌒    ;;;#;;:::::::::::::::〃蓋蓋_`ヽ  \
     ./;;;;;;;   メ≧、_ノ::::::::::::::::イ蓋蓋蓋 イ|}iiii 丶
    /;;;;;;;;;;;  ィ彡´三ヽ\ノ::::ゞ/ミ丶 __ 彡:\:  '
   /     〃 ̄{・}  ̄|:::::::::::::::::::: ̄  ̄  ─┳\:::V
  ./   :::::::iiii廴 _ 二彡:::::::::l::::::::::::::::、;   ┃  \'
  ,'   :::::::::::::::ミ};;;{ ̄, :::::::::   人、 :::::::}    ・    '
  |  :::::::::::::::::: ..;;;i! ヘ、   _イ __`ー-ェ'            |
  |      };;{    |i Tィ'"´:::::::::`゙ヾイ      il||l  ∧
  |      ┯     ! |{::::::::::::::::::........・.;,・,     /
  丶 ##          V:::::::::::::::::::::::/ // ;, /
   ` .     ;;;;#;;;;;    \_:::::::::::::::ノ ・.    ∠  ・,
     `    ;;;;;;;        ̄ ̄      /



そうすると彼は、その負傷をした指を口に入れたかと思うと、
そのまま自らの歯で、自らの指を噛み千切ったのである。

49 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:04:01 ID:dwZgizZI

                       :/ ̄ ̄ ̄\:
                      :/ヽ#;;;、/┳ .\:
               :/(○) (蓋)  ┳ \:
                   :|┳ (__人__) #;;;;.┃  |:
               :\;;;;; `⌒´ ;;;;     /:
                   :i         ⌒\:
                   :|┳ i'   #;;  ゝ、_#;; \:
                   :|┃;; |   ┳;;; _/  /:
                 :/|;;;;  |ー‐-、/  く  (´ヽ:
                  :{_ !、_,l    |   `¨  |:
               :)ソ(___j)──┤       |:
                         :ゝ-i──i-´:
                             :\_/:

この様な事を繰り返していた為、
彼は、第一次世界大戦終了した時点で、左手も失っており、
隻腕となっていた。



                 , -―- ,
             /_ ,r=ィ:.::.:>、
             /.`ー介´:.:.:.:.:.:.:.:.\
          /.:.:.:.:.:.:.:魔:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:\
           / .:.:.:..;:ィ¨X¨>' ̄>-、:.:.:.:.:.\
        l : .:.:∠ィ之xrfrクフr=ィ:^:.:.:.:.:.:.:.:>,
           ', .:.:.:.k企nrtttrn企升ト、:.:.:.: l:.:.:ム
         ∨:.,<>'"´ ̄ ̄` ‐-、≧xrト、 ..:l
         rクfニ二二ニニニニニニr' ̄ト、}:::ノ
         ーr==、 \____,.       }イ
          }{{:::::}}! :.イ{蓋} j.        |
          i゙  ̄ j   ̄`¨¨ `\     |
          ゝ _人 ____,.ノ \ .イ
           }{       j    r´K.
           ゝ`======='     j  ,r外、
        _, イ´ヽ,         , イ   !:.ム
  _,_,_,,,、__,イ:/.:.:.:.:l:トー――一 ' ´   ,イ:.:.:.:.:>、
  北!ヒ!j.:.://.:.:.:. : : l !:ト、   \__ノ  _//.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>、
  "">::://.:.:.:.:.:.:.:. l !:l:.ヘ   AニニA  /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
  ∠.:.:.://.:.:.:.:.:.:.:.;斗!:j:.:.:ヘ  l__}傘{A_/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.

しかし、それらの行動の数々が評価されたのか、
彼は、各種勲章を多数受賞し、大佐にまで昇進した。

そして、1923年、43歳で軍務を退き、
後は、静かな晩年を過ごす・・・・・・

50 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:04:19 ID:dwZgizZI

    i三三三三三三三三三三三三三三三三三三ヨ7
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     l  \三三三三三三三三三三三三/:   ヽ,--、
   ,==', -、',:::::::::/__ノ',三三三三三三三三>'::::  ;;;;;;:::l', -、ハ
 ,/////ヽ、 ',::/    / ● l :::::::::::::::  l;:;:;:蓋;:;:l  ,,,, ... ;;;;l //ヽ
..i///////,'/    ノ ヘ ノ :::::::::::::::::: \__/\    ,,lノ //〃i
〈///////,'    /  7::/      丶      ,,,\ ... ..../--'////ヽ
 ∨////7   _/___ ./: :l    l    l ,,,, ;;;;;;;;;;;;;;;;; \/l.////////
___,∨//7   /   ', ,-丶_人__ノ         //////////>.、_
///////  ./   r'‐‐、   ̄ ̄ ̄  ,,,;;;;; ,;;;,;;:  /'//////////////>--、
//////  ./   /   ヽ________/////////////////////,'\
/////  ./   /   / ,|__///////////////////////////////////////
////   '   〃   , イ  \/////////////////////////////////////
//∧  ',   i   /   i  ヘ///////////////////////////////////

・・・・・・事は無かった。

51 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:07:12 ID:dwZgizZI

        _,,...-‐'''””`゙''ー-、,_
        |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'-,
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       l_,,..-‐'''''''''''‐‐‐‐‐,,,,,,,/
     /_______________,.__-''"  ヽ
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       |  (__人__)  \   l
     ,-'"\  `⌒´   , -'";;i╋./
      |;;;;;;;;;;;;\__, -'";;;;;;;-'";;;;;;;;;` 、
     ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
   /;;;;;;;;;;;;;:;\ \o/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
  ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>、    <;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
  i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ /o\ \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l

1939年。

ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発すると、

59歳となっていた彼は、隠棲先であったポーランド共和国にオブザーバーとして参加し、
ポーランド陥落直前に離脱し、偽造パスポートを使ってイングランドへと脱出を果たしている。



             _,..-─ - 、
          ,.' ´          ヽ
         /            \
       /         ,..-─-、_〉
         !      <k   ,r'\     \
       \ _ _,,、, -'"―  \─‐  .
        ,'        ( ●)   (蓋) ',
         l        (   人  )\ i
       _.l          ` ̄  ` ̄    }
     / ゝ                /、
    ./ r、`'ー、,,_           ,イl l
  _/  iヾ\   /⌒ヽ,-ー ―-、-‐ ´ヽl  L
''"´ 7    ヾ,ノ  ./    ゙i      }   ,}   ` ー- 、

脱出の後、大佐としてイギリス陸軍に復帰し、ノルウェー方面で戦いに参加した。

そして、その後、1941年に彼は、ドイツとの関係悪化の為、イギリスに救援を求めていた
ユーゴスラヴィアでの作戦を任される事となり、同国との共同作戦実施の交渉の為、彼は、空の人となった。

52 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:08:16 ID:dwZgizZI

             ,....,
            f'::::::::\
        r   ',:::::::_:::::ヽ                  ,,.....,,
        i!    ',:::::ー:::::::ヽ                f'::::::::::|
         t'''""~~::::::::::::::::::::::ヽ                 !:::::,:::::i、
        /ヽ::::、、-ー:,::::::::::::::::::ヽ              k:::ヽ:::::`ヽ、  _  ,,
          r     ':,:::::::::::::::::::ヽ             r‐ t"、、--ー'''''""~ヽ"ヽ
          i! ,,..、、、---::::::::::::::::::::::\   ,,..、、--ー'゙ー:'::::::::::::::::::::::::::::::::::i__ノ
         f´;::::,,::.、、、-、`-、、、--ー'''''""~:::::::::::::::::::::::::f'r.t゙;:::::::::::::、::::::::::::ヽ'_
      、 ,,..、、、-/f'i‐ttf,.、ノ-:':::::::::::::,,..、、、..,,;;::::::::::::::::::::::::`ー:':::,.、、-ー'\::::::::f'::::::iヽ
      ,f','_,i::::::::`ー''''"":::::::::::::::f'"~:::::::::::::::::::ヽ:::,,.、、-ー'''''"~      \:::|::::::::l::|
     f`;:::::::::::::::::::::::::::::::r:::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::ヽ               `l:::::::::i::|
      `''ー ---─'''''''''i!''''" ,,..、、ヽ,::::::::::::::::::::::::\               `ー''''’
               f´;""~:::::::r::::::::::::::::::::::::::::::::::\
              /`t::,,.、、、-i!ー''''''\:::::::::::::::::::::::\
                 '     f´;~::::::::::::::::::、::::::::::::::::_::::\
                .   /`t::,,..、、、--ー\::::f':r..t:ヽ:\
                             \:`ー:::':::::::\
                              `::::、:::::::::::::/
                                 ` -‐'"

そして、ここでも彼は、驚くべき逸話を残して行く。

53 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:08:32 ID:dwZgizZI

                         // / //  /  //
     ○  o                 // / //  /  //
       ( ヽr 、             // / //  /  //   ┃ ┃┃
    .     \ \\              //  /  //    ┣━
         \o                 //  /  //       ┃
      ○Oヽ  )               //  /  //
   o \ヽ_)              .  //  /  //      ━╋━┃┃
      (            / ̄ ̄ ̄\   /  /  ○  ┃┃┃
    o       )     / ─  \─ \      (
      ̄ ̄)       /  (X)  (蓋) \      ̄ ̄ ̄ ) ━  ┃
    .   ( ̄ ヽ≦ ; |    (__人__)    | /    (_     ━━┛
         ニニ ≦三三三三三三三三三≧      )
    o  > ノ ノ          ニニニニニ      <
     O p/ / ) / :/     ブクブク        ─○
        ( / / )  / /⌒o Y⌒     \\ (   o
      ○   o O  ○   | /       ⌒ヽ )ヽ\\)
           //    Y   ○ O          ) ○
          ○      O

前述の通り、空の人となった彼であるが、
なんと、乗機が、トラブルを起こし、海の上に不時着水をする羽目になった。

そして、その際、彼は、海に沈む機内で、不時着水の衝撃により気絶をしてしまったのである。



            , -─‐──‐-、
           /        ゚    \
         / ;  ゜      °  \
         l  U      ;         l⌒ '"⌒ ヽ、
         |          u.    ;   |ー       \
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
          ゝ。((-‐)  (蓋))::。 i'′⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ
         (  ヽ'"(__人___)"'__ ,ノ ヽ、____"___,、___ソノ__ノ

しかし、機内に流れ込んだ水流が、上手く働いたのか、
なんと、彼は、流れ込んだ水によって機外へと運び出されたのである。

その後、彼と機内の人員は、岸まで泳ぎ切ったものの、
そこは、敵地であり、当然、捕虜になってしまったのである。

54 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:09:42 ID:dwZgizZI

||    ||        ||   ||  ||
||     ||          .||   ||  ||
||     ||          .||   ||  ||
||     ||./ ̄ ̄ ̄\||   ||  ||
||     || ─  \─ .||   ||  ||
||     ||<○>  <蓋>.||   ||  ||
||   |||  (__人__)\|| | ..||  ||
||     ||  ` ⌒´   .||/  .||  ||
||     ||          .||   ||  ||
||   /||_.         |..|\ ..||  ||
||/ ̄/_ ヽ        ,r' _\ ̄ヽ |  ||
| |.|  <  __)       .(__  > ||  ||
| |.|  <  __)       .(__  > ||  ||
| |.|  <  ___)      .(___  >  ||  ||
||\ <____ )       .( ____> /.| |  ||

こうして、捕虜となってしまった彼であるが、
その程度でへこたれる人物ではなかった。

彼は、高級士官・政府高官用の収容所に移されると、
そこの監視が緩い事に目を付け、脱走の計画を立てた。



.: : : : : :\                         / / /         /  /
: ::     丶                 __ 」 /  /    / /  /
::    . : : : : :::..、             (`ヽ、_,,  \ /   / /  /
:  .: : : : : :    丶、          _)>'`ー、 / ヽ   _/  /
  : : : : :   . : : : : :丶、 __,_-―< _     'ー、  !    ,.  ´
  : : : : :  . : : : : :  _,∠ -- 、 ̄` ー-`\    八 |-‐ ´
丶、: : :   .: : : : :  fフ⌒丶、 ` ー- , ´ \ / _)ノ
  `丶、 : : : : :  /`フ丶、 `丶 ,       \ー'
     ` 、: : :  /  | /く`\           \ _      ___
        `丶 卜、/l_| .∧  ヽ          /  `` ァ'"´ __    ̄
            ` ー/ 〈/ /\          /    /´ ̄
             _/  〈_,/_/ \_          '     /
   _, -‐==≦- 、`丶     /iヽ ̄l_フ` ー‐-|_     ハ、
<´   ,  ´     \ \   /丶-‐'´       `丶、{ \
             /ヽ }/                   ',   \
            /  }/                  ヽ、
            /   /                       \
        /    /                            丶

彼は、その収容所の他の捕虜達、

リチャード・オコーナー将軍(北アフリカ戦で活躍したイギリスの将軍)

フィリップ・ニーム将軍(同じく北アフリカ戦で活躍したイギリスの将軍)

エドワード・ジョゼフ・トドハンター(同じく北アフリカ戦で活躍したイギリスの将軍)

ランファ―リー伯ダニエル・ノックス(アイルランド貴族で王室侍従武官)

といった錚々たるメンバーと一緒に脱出を計画し、
61歳の体にムチ打ちながら、トンネルを掘って、収容所から脱走を果たしたのである。

55 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:10:13 ID:dwZgizZI

              ___
.            /  \  \
.           /    ─ \─\
.          /    (●) (蓋) \
            |      (__人__)  \|
         \     ` ⌒´   /
..              \ヽ、___ ーー ノ゙-、
         , ノ::::`'‐ゝ、`"" ̄ /!ミニー、
      ,、-o''>フヽ;::::::::::::::\---r';;;::::::::::ゝ==、._
   ,、‐' `,、-'ヘz;::::::::::`‐、ソフ::∧V;|l;;/´`'''' ==」ヽ
 /‐彡'´:::::::::::lZl::::::::::::::::`‐、ノ;;;| (;;;'´;:::::::::::':、::::::::::::|;:::',
./:::::::::::::'、:::::::::::::lZ!:/::::::::::::::::::;';;;;y::ヽゝ_____: ゝ;;;;;;;l;;;;;;;l......_
.|:::::::::::::::::\:::::::::|Z|!::::::::::::::::::::::::/::::/ゞ'´  ̄ ̄ ̄``~===ヲ
.',:::::::::::::::::::::\:::::|Z|::::rh::::::::::::::/::://              /
 };;;;;:::::::::::::::::::\:Elニ0ニニコ::/:::://           ,   /
.'`;;;;;;;;;;,,,,,::::::::::::::::lz|::::/∥::::::/::://          、'´  /

そして時を経て、1943年。

彼は、一つの重要な歴史的イベントの現場に参加していた。

連合国内での対日戦争方針や対日戦後についての取り決めがなされた
『カイロ会談』にイギリス側の随員として出席したのである。



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なので、その時の彼の姿が、
会談が行われたカイロ庭園での写真に映っていたりする。

56 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:11:21 ID:dwZgizZI

              ,    ̄ ̄  、
            ,.:′       ヽ
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            ,′  ̄ `     ´ ̄  :,
           i  '弋tッミ    ミ≠''   i
           |     /     ヽ     ,'
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            、  ヽ- _^_ー'   ,./
             `ヽ.._  __  <
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          _,.. -z{ ゙ ,ノ       ゛ゝ二_ー- .,_
     _. <´‐ "´   ''j ◎         `  - _>- 、
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   /  .!          j                     /    ,
   ,′ |         l                   /    l

この他にも、非常に多彩な逸話を持つ彼であるが、
流石に寄る年波には勝てなかったのか、1947年に66歳で中将として退役をしている。

第二次ボーア戦争から第一次世界大戦、第二次世界大戦と
近代イギリスの主要な全ての戦争に関わり、述べ30年もの長い軍隊生活を送った彼は、

『私は、戦争を楽しんだ』

『政府は、話し合いによる解決が、良いと言っているが、
 実際に決定力を持つのは力であり、力は手放す事など人々には出来ないのである。
 人々はペンは剣より強しと言うが、しかし、私は、そのどちらの武器を使用するべきか知っている』

と、自らの人生を振り返りながら、戦争について、こう書き記している。

57 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:11:39 ID:dwZgizZI

             \ \\
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                 ヽ\ヽ   ,. rー―- 、丶\  、
           _    \ `/ i'‐、__ノ \\ヽ
          /  `v――'〈   `^ー'    〉  〉\
           /     ヽ          / /  、ヽ
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      ,,-‐<    / /     ノ-‐ ' ´
     (, __ _ノ /    /
             /    /
              /    /
             /    Y
         /     ソ
        (__ __/  :::::::::::::::::::::::::::
            :::::::::::::::::::::::::
          :::::::::::
         :::::::::

なお、余談であるが、引退後に、
彼は、いくつかの脊椎骨を折る大怪我をしている。

通常ならば、既に老人と言う歳でもあり、
寝たきりや良くて不自由になる怪我であったが、
なんと、奇跡的に回復を果たし、



                               _ - === - .
         ____                  〆-‐ ‐ -- _ヽヽ
       / \   \               ./: : : :: : : : : :l : : : Yヘ\
     / ⌒  \⌒ \             イ : j:リイ: :ノ/j /リl: : : i .∨ 〉
   /   (●)  (蓋)  \           .i!l: ////ノ/イ/‐!: j: :l }t'
  .|      (__人__) \  |            !l:イ:l じ ̄   じ ̄リ :j l:.l
   \     |r┬ i    /            {,i!l:.!xx     xxxj: l* l: l
   ./\   `ー‐'   /ヽ            / j: ゝ , -っ_ ,ィ~: :l  }: l
  /:::::::::::i::ヽ`介´/::::i::::::::::ヽ          .j /: :,イ´ Eノlコ l`ヽ: l  ヽl
  {::::r:::::::l::::ヽ| | i::::::7;;;;;;:l::::}          l´ l: / .l  / l!  .l   Yl * l!
  }::::|::::::::::\;;;i,,/:/:::::::::i:::::{         .j   l:.l_..,,ゝェ‐っ、ノ  .l:l   l!

驚くべき事に1951年、彼が71歳の時、23歳年下の女性と結婚をしている。

・・・・・・本当に恐るべき人物である。

58 名前: ◆lg6rIgCOSk [] 投稿日:2014/09/11(木) 21:11:58 ID:dwZgizZI

お目汚し失礼致しました。

これにて投下終了で御座います。

それでは、拙作を見て下さった方々に感謝を。

次の投下は、明日21~22時頃を予定しております。

また、この後すぐ、前スレにて埋めネタの投下を予定しております。

http://mukankei151.blog47.fc2.com/blog-entry-10152.html

お暇な時に覗いて下されば幸いです。

59 名前:小さな名無しさん [sage] 投稿日:2014/09/11(木) 21:15:02 ID:VbwpYCEU

乙。不死身の超人ぷりで政治的にも頑張ってるけれど、時代遅れの貴族の人か



60 名前:小さな名無しさん [sage] 投稿日:2014/09/11(木) 21:17:43 ID:IYslYeKk

乙でした。すげえ人もいたもんだw

ジャック・ヒギンズの小説『脱出航路』に登場する隻腕・隻眼のケアリー・リーブ元提督は、
この人がモデルなのかもしれないな。
ずっと昔から繰り返し読み続けている大好きな小説なんだけど、このスレを読まなければ
そんな人が実在したと知ることもなかった。ありがとう。



61 名前:小さな名無しさん [sage] 投稿日:2014/09/11(木) 21:55:22 ID:V75CML9E

乙でした

何が彼をそこまでさせたんだろう



62 名前:小さな名無しさん [sage] 投稿日:2014/09/11(木) 22:13:23 ID:uzzBBItA

乙です、こういう小話があるから戦争はいい



63 名前: ◆lg6rIgCOSk [sage] 投稿日:2014/09/12(金) 21:33:52 ID:90nH3Okc

>>59 >>61

彼の著書を見る限り、
戦争に参加すること自体に義務を感じていた様に読み取れる記述があります。

まぁ、それ以前に戦争を楽しんだと自ら公言もしているので、
本当に、ただ戦争自体が、楽しかったのでしょう。

ヴェトナム戦争の帰還兵の話となりますが、
聞き取り調査で『戦争は、戦闘中、皆から頼られ、尊敬される誇り、
また、生きるか死ぬかのギャンブル染みたスリルが味わえ、楽しかった』
と言っていたという資料もありますし……。



>>60 >>62

お読みになって下さり、大変有難う御座います。

その様に言われる事が、投下をしている者にとって、大変心強い言葉となります。

これからも皆様が、この様に思える様な投下を心掛けていきたいと考えておりますので、
変わらぬ御支持を頂ければ幸いです。



65 名前:小さな名無しさん [sage] 投稿日:2014/09/12(金) 21:39:57 ID:clhz4JhE

『脱出航路』マジ名作。個人的には『鷲は舞い降りた』より好き。
良かったら読んでほしい。



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| 12:00 |コメント(8)
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■御感想or寝言

47281 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2014/09/14(日) 10:28:55 ID:-

Band of Brothers でも、戦争中は中隊の仲間たちと生死を共にして固い絆を結んだが、終戦後に故国に帰ったら
戦友たちとは離れ離れになって、戦争神経症にも悩まされて孤独な後半生を送った人がいたな。


47285 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2014/09/14(日) 12:40:08 ID:-

第二次大戦のアメリカだったかで徴兵されなかったことを嘆いて自殺したやつが出たっていうから
当時の国民は兵となることにすごい義務感を抱いてたんじゃなかろうか
「徴兵されないんじゃこの国の民と認められないも同然!」みたいな


47297 名前:  [] 投稿日:2014/09/14(日) 16:37:07 ID:-

WW1の英国だとご婦人が「社会貢献していない」息子の居る家を回って
「うちの子は戦地に言ったのに、あなたの子供は何やっているんですか?」的な事をやんわりと言われたらしい。


47312 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2014/09/14(日) 20:53:12 ID:-

赤毛のアンシリーズでもそういう話あったな。
アンの息子が「周りはみんな行ってるから臆病者扱いされて辛い」って
戦場に出ていくシーンは何度読んでも胸が痛む。



47335 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2014/09/15(月) 16:08:39 ID:-

戦争は文明と社会を躍動させるエンジンみたいなところがあるからな


47349 名前:名無しさん@ニュース2ch [] 投稿日:2014/09/16(火) 10:06:01 ID:-

『聞け、わだつみの声』とかも『学徒出陣者』の声であって一般兵士とはちょっと違うという話だからな。
非インテリ層の兵隊の声はなかなか残らない。
孫の『戦争体験聞いて来い』という宿題に、楽しかった思い出や手柄話を話したら、
教師に怒られて帰ってきたって話もあるしな。
そりゃ生まれや行った場所によっても変わるよな。


47354 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2014/09/17(水) 03:13:42 ID:-

>人々はペンは剣より強しと言うが、しかし、私は、そのどちらの武器を使用するべきか知っている
ホント、平和な時代ならペンのほうが権威を振りかざしてても、現代のようなきな臭い時代になったらどっちが真実かよくわかるよなあ。
子供の頃から色々な媒体で戦争の悲しい話ばかり強調されてきたけど、こういう人の話もきちんと同時に伝えないとね。





47470 名前:電子の海から名無し様 [] 投稿日:2014/09/20(土) 22:42:13 ID:-

第一次大戦の頃はまだノブレス・オブリージュの精神が残ってたっていうね
なので貴族の息子達は進んで戦争に参加したそうだ
まあ一昔前の古臭い考えがこびりついてて、いたずらに戦死者を増やす原因になったらしいけど


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