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■2010/08/19(木) ~やる夫板Ⅱ1周年記念短編祭~ やる夫は人生でたった1度のチャンスを活かせなかったようです

カテゴリータグ:やる夫短編祭 やる夫板記念祭 ~やる夫板Ⅱ1周年記念短編祭~テーマ部門 2010

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やる夫系R18ストーリースレ その6           .http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1271794106/
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【初心者】やる夫自作絵投下所【歓迎】         http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12766/1276815988/
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108 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:10:53 ID:NAddVe0k
           ____
         /       \
        /   ─     ―      「真紅……やる夫と付き合ってくれるかお?」
      /     ( ●)  (●)'
      |         (__人__)  |
      \        ` ⌒´ /
      /       ー‐  '





    /人/:.:.:.:.:.:.ハ7:.:.:.:.:.〈  ′     、   ヽ三フ
    \V{:.:.:.:.:. /ニ7.:.:.:.:.:_:ノ, l  |    、ヽ  ヽ ∨ 〉
     └う:.:.:.:.{三{:.:.:.:.:.:ヽ l | lト、\ヽ ヽ` 、`、Vニヽ、
    / {:.:.:.:.:.|三|:.:.:.:.r‐'∥ l | ',丶 l 川 l | l | !  ヽ\      「……私をずっと好きでいてくれる?
   // ∧:.:.:.:.l三l:.:.:.:ヽ |ヽ」斗-ヘ }ノ,エZ{ノ/リヘ\ \ヽ
   | l / ヽ、:.:Vニヽ:.:r个ト,ィfl圷  ` 化ノケハ   `ヽ>└′     他の人のこと……好きになったりしない?」
   l|,'   「ヽ{lHlリ:{ 小 ` ゞ ′     八ヽ\
   |V  ,'  l| | ` <7/ | lヽ、   , .′, 仆 ヽ \ヽ
    `7 /  ,イ |    l├ヘヽ―ヘ、__,.:'⌒ヽ `、`、 ヽ\
    /   / ||   | |:./ヽ\::.::rヘ::.::.::.::.::\ヽ \ \ヽ
   ,' ′ / /|| /ヽ\::.::.::.) ){廴r-、__::.:rく  \ ヽノ /
  / /    /ハ !/:.:.:._:_;>=≠-‐、::.f‐ミ ヽV  \ } 〉 /




       ____
     / ―  -\
    /  (●)  (●)         「……約束するお」
  /     (__人__) \
  |       ` ⌒´   |
.  \           /
.   ノ         \
 /´            ヽ

109 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:11:18 ID:NAddVe0k

 !:::::::::/,-、∨ _!__, --、|  ! |   | !   |`r'´!  l ! |    |     <
 |::://:::::::!:! | {   }`゙`ト!、 ! |    | !/  ! ハ |     !      !:
-、!'/:::::::::::ノノ! !ヽ!`T´!   !| !`ト、 !    ! !  // ! !    !         |:
ヽヽ:::,、:::/ィ ト、|_ァ=ァ==ミ、トl !  l   ,イヽ!,イ/  l ハ   |       !
 〉!:/::ヽ/|  | ヾ  {っr⊂かミヽ|  ! // /メ  _// !  | !     | |::
_/∧::::::::) l!  !  `┴-ニ、ノ     V //〃 ヽ/'``ト、 l l    l | l::        「ありがとう……やる夫……」
-'  ヽ:/l  |ヽ !      `       '´ /' _   /イ メイ    ! l /::
-ヽ  ヽl  | l |  """"            7っ`ヽ'´ l// j  / / /レイ::
  ヽ l   ! | |                _{ r⊂∧  ,.イ  / ,イ /-イ !::
\  ヽ!   |  ! !            /    `ヽン ノ// , イ/彳  ! l:::
_`ニ=|  |  l |        、   '´        ,イ l イl l  |:::!   ! !:::
::::::::::::::!  |\ ! l      ` -     """/イ /  l !|  !::l   l l:::/
⌒l:::::::|   !--ヽ! |                /´ !/!  ! ||  !::|   ! レ
、 ヽ´|   !  | ! |           _, '´  〃 l  l  || l:::l!  |
 `´ |    ! l  | !` ト __ .. -‐=ニ´、   // ! l  || !::||  !
    ',    ', ! | !  Y´`ヽ‐、    \> //|   l   || ,ヽ! !  l




           ____
         /       \
        /   ─     ―
      /     ( ⌒)  (⌒)'
      |         (__人__)  |
      \        ` ⌒´ /
      /       ー‐  '









.

110 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:11:33 ID:NAddVe0k





          ~ やる夫は人生でたった1度のチャンスを活かせなかったようです ~




.

111 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:12:01 ID:NAddVe0k
           ____
         /      \
        / ─    ─ \          ニュー速でやる夫。
      /   (●)  (●)  \       パッとしない名前に、お世辞にも格好いいとはいえない顔立ち。
      |      (__人__)     |
      \     ` ⌒´   ,/
      /     ー‐    \




          ____
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o       ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒) :::::⌒(__人__)⌒:::\      /⌒)⌒)⌒)   性格はひねくれ者で、人の不幸を笑い、煽り、蔑むのが好き。
| / / /      |r┬-|    |   (⌒)/ / / //
| ::::::::::::(⌒)    | |  |   /    ゝ  ::::::::::/       好きなものはエロゲ。ゲームの中のリア充の主人公に
|     .ノ      | |  |   \   /   )   /         自己投影し、虚像の幸せに1日の半分を費やせる幸せな男。
ヽ    /      `ー'´       ヽ /    /
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))





      .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
                 .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
                    .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.
                       .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
 ̄ ̄|┌┬───―                .;.;.;.;.;.;.;.;             親が身を粉にして働いて稼いだ金で
 ̄ ̄| | | | ̄ ̄ ̄  / ̄ ̄ \        .;.;.;.;.;.;.;.;.;.          私立大学付属の中学、高校に学籍だけを置く。
 ̄ ̄| | | |     /       :::::\        .;.;.;.;.;.;.;.;.
 ̄ ̄| | | |     (人_)     ::::::::|       .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;..;         部活もせず、学校にさえろくすっぽ行かず、
 ̄ ̄| | | |___ \.....::::::::: :::,/          .;.;.;.;.;.;.;.;.;..;           日夜自宅でゲーム三昧。
  .o |└┴─┬── /      ヽ              .;.;.;.;..;.;.;
  °|     /⌒| ̄ __,       i               .;.;.;;.;.;.;.;         さんざん親のスネをかじった挙句、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |      |              .;.;.;.;.;.;         高校を中退し働きもせず家に引きこもる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/     ノ                 .;...;.;.;.;.;
             |  _/ ̄ ̄ ̄|              .;.;.;.;.;.;.;
           _|  | ̄| ̄| ̄               .;.;.;.;.;.;
          (___) |_|


.
ハグとも! 隣の優しいギャル娘は初めての・・・
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112 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:12:19 ID:NAddVe0k
            ____
          /      \
         /  ─    ─\       たまに外に出てみても、社会的常識の足りない少年の振舞いが
       /    (ー)  (ー) \        快く受け入れられるはずもない。
       |       (__人__)    |
        \      ` ⌒´   ,/            少し歩き疲れたといって、バス停のベンチにどっかりと居座る。
        /⌒ヽ   ー‐    ィヽ_            バスに乗るつもりもないのに椅子を占拠し、腰を落ち着けたい人々が
        /  、     、  〆ヾ ̄ `i        疎ましい目でやる夫を見ても、まるで本人はその視線に気付かない。
      /  /      ゙  lヾ_ ,|ヽ─ヘ
      /  /l         `、´/     ヽ
     /  / ヽ  ,____   `  ,ヽ  ヽ
   -─ヽ イ_ ヽ /     ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ Y   ゝ‐-、
  ( _i _i_ト、__)  ヽ、___⊥____ノ 「___ノ




      ____
     / ⌒  ⌒  \
   ./( ―) ( ●)  \                         /, ,   / ,                 ヽ.     ヽ
   /::⌒(_人_)⌒:::::  |                       ///〃 / / /     }}川 i|!  i  } ハ   ト、 キ
   |    ー       .|                     jハl|∥{ { {  {     ノノ川 jj|  j / / j}_,メ ヾリ
   \          /                     l{八 ヽヽヽ \   //ノノノノノ}  /〃//  `二ニ=- 、
                                    八 、ヽ、 x≦ミヽ、{ { ≧=ミ.ノ/ノ_厶斗-‐== 二 」
                                   /  ゝ≧ミyィ゙j:i}  `  ´{゙j:;;!ii}ゞ≧=彡ヘ-‐=≡ ‐= ニコ
                                  /  /{ミ辷彡}oー ' ,     ーo' {ミ辷__彡}二ニ=-  jノ
                               {  / , ゝー=人""  cっ   "" °{ミ辷__彡}-‐==≡ミ〉
  コンビニで可愛い女の子が働いていたので     \{ / /{辷彡}>  .. __    イj从ミ辷_彡ノ==≡ニ≦、
  気分が良くなって買い物をしてみる。         `{ { f´≧=彡'´ ̄`ヽ_」    jァァ' ゞ=个辷ニニ=-テ′
                                  `ーァ `≠ x==く(´   /,≠=キテノハミ辷=≦
  つい口の端に現れたいやらしい笑みが、           ヤ/ 〈く   `'ァfj彡'゙     》/   ヽ㍉弓
  店員の顔を引きつらせ、泣かせた。              `{   ヾx、__,≠ハミヽ、    〃   丿 リノ
                                           \/´   ̄_/,≠= 、 `'≡彡゙ '⌒'く  ´
                                        /   _/´~ニ{ニ   Y´   -‐- 、丿
                                        { /i{   ニ{-    ハr┬- 、   }
                                         ノイ|  キ  ノ゙T ¬i ! } }   ヽ {
                                     / {l|  キf´∥{|  j }ノノ    } }
                                      ∥ ミ{   キ!、リ キ  ///    ′ハ
                                       人  ヾ、 ヾツ キー' 〃   _ .. イ   ヽ
                                      /  `アアア丁! ! `T¨丁 ̄i i |    \

114 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:12:36 ID:NAddVe0k
       ____
     /     \
   /_ノ  ヽ、_   \      「ケッ、なんだおなんだお! みんなしてやる夫のことのけ者にしやがって!
  /(●)三(●))   .\       みんな死んじまえばいーんだお!」
  |   (__人__)      |
  \ ヽ|r┬-| /   /
  /   `ー'´      \





 [二二二二二二二二二二二二二二二]
  ||. ,. - 、 :..    ゚ ..:: ::   .   ..  ||
  || {  ..:: } .. .  . ... ... .. .. .. ..    . ||
  || .` ‐ '゙ ...   . ... ...     + ... ... ||
  ||::: ::::........ :::... .... ..:::::::....::::::....゚.. . .:::...||       それが寂しさの裏返しであることになど誰も気がつかない。
  ||  .. . ..   . . . .. .  . ...  .. .. .. . ||       本人ですら気がついていない。
  ||  l;;;;|    / ̄ ̄ ̄ \      ;;; ||
  ||  l;;;;|  /::::::::::::::::    \     ;;; ||       孤独は少年の心に深く根付き、世界と少年の間に深まる溝は
  ||;;;; l;;;;;|/:::::::::::::::::         \;;;;.;;;;; ||      際限なく深みを増していく。
  ||;;;;┌;;;|:::::::::::::::::::::::        |;;;;;;;;;;;;||
  ||;;;; |;;;;;;\::::::::::::::::       /;;;;;;;;;;;;||
  ||;;;; |;;;;;;(⌒ :::::::::::::::::     ⌒ヽ;;;;;;;;;;;;||
 [ニ二二二|  ::::::::::::::     |ニニニニ]
       |  :::::::::::      |

115 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:12:59 ID:NAddVe0k
          .____
       ;/   ノ( \;
      ;/  _ノ 三ヽ、_ \;
    ;/ノ(( 。 )三( ゚ )∪\;                                      __         __
   ;.| ⌒  (__人__) ノ(  |.;                         _      ,  ´ ̄ `Y彡   `ヽ、    /!/
   ..;\ u. . |++++|  ⌒ /;                       !Y\、  ∠  ─‐-ミ|{彡´ ̄  ̄`゛{包}´ー'´
                                    <ニΞ>={必}/ -=  二ミ八二 ─  二ニミ゛≪ニラ>
                                      ///ー´   _  彡''″ ` ー =一''´〈`ゞ、ヽ、
                                     ム斗´/〉´ ̄     ,  ハ .   ヽ  ヽ ヾ.\ \
                                     / / /  /  ' : ! i|  i | il: !   `. i:  i. \ \
  唯一少年を心から案じる母親の愛も            / /  .i   ´  ! i i i|  i: | __il |  ! ! i l   !.   \ ヽ
  少年には届かない。                        / /   i  i !  i| | ! i| `ト、i´ _} !  i|| |!  i.    ヽ ヽ
                                 / /    |  i i  i|. ! i_,L  j |メ´i| 人、!Ll !|  !     j 〉
  ある時は飯がまずいとお膳をひっくり返し、    〈 Y      i  !、! !斗匕仁!ヾノ  `rーィ≠ミ、Y  i  !     / /
  ある時はゴミ溜まりのような部屋を無心で      、 ヽ.      i/ :ト、i`i| ィチf弌゛     ヾ、{炎シ.j |i ! l|  !    / /
  片付けてくれた母親に、縄張りを侵された        ヽ \      i i:\ 八.o゛ー‐"    ,、  ヽルiメノヽ i: l| !    / /
  獣のような剣幕で怒鳴り立てる。                 ヽ \    i li: 八b!゚。      _´_     ー' ノdj ! li i   / /
                                      ヽ \   i :il   :` l\.    (  〉   /: ´ ! ! i: l! 〈 〈
                                        }  .〉  i i !.  : i  `ゝ.   ` ´  イ  i  l i  l. !   ヽ.\
                                     / /   ! _i__l    l__)ゝ-、`__ー ' 厂: : :ノ:l  l:┴- 、l    }/}
                                       / /  /: : : : l   l〈:::::::::: : ̄ア´: ; -‐': :l  l: : : : : : :\/ /
                                   / /  ,イ: : : : : : : :l  l:`ー'⌒): `ヽ_ノ: : : : l  l: : : : : : : : / /





                 _,-''"`‐-、
  ________   .,/._-─‐-、ヾ
  | ______ / ̄/ / ̄ ̄ ̄ ̄\
  | |       /  /_/......::::::::::::::::::::::::\
  | |       /   ,ト_|-、....::::::::::::::::::::::::::::|     母親がすすり泣く声もヘッドホンではじき返し、
  | |      .|   |l o] ).....:::::::::::::::::::::::::|      自室にこもってお気に入りのエロゲを大音量で楽しみ悦に入る。
  | |       |   ヾ-.ノ  ....:::::::::::::::::::/
  | |____ ヽ     .....:::::::::::::::::::::::<                   隔絶された空間の偽りの幸せだけが
  └___/ ̄ ̄      :::::::::::::::::::::::::|                 少年にとって唯一の心の在り処だった。
  |\    |           :::::::::::::::::::::::|
  \ \  \___      ::::::

116 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:13:14 ID:NAddVe0k
          ____
        /      \
       /  ─    ─\          時々、気まぐれで二次元から離れ、三次元の動画を眺める。
     /    (●)  (●) \       リアルの女性の裸体を眺めて一仕事終えた後、いつも思うことがある。
     |       (__人__)    | ___________
     \      ` ⌒´   ,/ | |             |
___/           \ | |             |
| | /    ,                | |             |
| | /   ./             | |             |
| | | ⌒ ーnnn          |_|___________|
 ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     _|_|__|_




        ____
       /    \
.    /          \           (……やる夫にも、いつか彼女ができるんだろうか)
.  /    ―   ー  \
  |    (●)  (●)  |
.  \    (__人__)  /
.   ノ    ` ⌒´   \
 /´             ヽ

117 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:13:31 ID:NAddVe0k
               __
.───┐      / ...::::::..\
 ̄ ̄ ̄| |     /   ...::::::::::.\
      | |   /     ...:::::::::::::.\     夢見がちな年頃のはずの少年が、自身に返す答えは常に"No"だ。
      | |   |      ...::::::::::::::::: |
      | |.   \、  ......::::::::::::::::::/        他人に足並みを揃えることすら嫌気のさす自分が、
二二二 」 _ _ ゞ    ...:::::::丶           共に並んで歩ける人生のパートナーになど巡り会えるはずがない。
─┴┐ ⊆フ_)__./     ┌ヽ ヽ┐
二二二二二二l  /      |  |   | |
_l_____| /      |_|   |_|
  |       /  __,    ノ  |─l
  |───/  /lニ/   /二ニ luul.
  |    ___|  |  |   |_|.
 └─(    )(ニ|   |./二ニ)
      ̄ ̄  /   )
            `ー ´





 /      イ  |`ヾ 、、     、、、 / イ  i  |   l
      //  | 下      ′   / /│ │  |     |
      / /   イ _|{ ` .,  ` ´   / /l | |  |   |
    /  /   .γ´ jノ   ,>-</ / `¨': 、 |  |     l     もちろん、女性には興味もあった。
   /  , ′   i     ,.     / /     `<. |    |
  /  /     i   i  `ヽ.   ,'_,.斗- '      ` .     i       一度でいいからその柔らかい肌に触れてみたい、
 ,' /      i   i     ´|  |         !     !       抱いてみたい、包まれてみたい――
〃´          !   ∧     i  i    〃    !      |         『大好きよ』と生の声が聞いてみたい。
          弋/ __.!_.     ハ  '、   j       ;     i
           レ´/ /、r--_ーヽ  ヾ:='7    /      l           だけど、そのためには共に歩き、
            ! ' / /-, : : : `''>、  `v__   /         !           愛をはぐくむという過程が必要だ。
           ゝ  _ イヽ. : : \:: ` v___ `¨''卞、         |
            `T: : \: : \: : : : :/   `¨フ廴_ \       i

118 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:14:12 ID:NAddVe0k
        ____
        /     \
     /   ─  ─ \         少年の夢とは裏腹に、やる夫の人生観は凝り固まっていた。
   /   ( ―)  (―) \
    |      (__人__)   |     ___________
   \    。 | |    /=3  .| |              |   『セックスはしたい、だけど女性を口説くのは面倒くさい』
__/        ⌒    \     | |              |
| | /   ,  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ヽ || | |              |
| | /   /   ヽ回回回回レ   ヽ|| | |              |
| | | ⌒ ーnnn.ヽ___/   .(⌒)|_|___________|
 ̄ \__、("二) └─┘ ̄l二二l二二  _|_|__|_




  ________
  | ______ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  | |       /       .::::::::::::::::::::::\     ゲームの世界の彼女たちは自分には逆らわない。
  | |       /          ..::::::::::::::::::::::::|
  | |      .|          ...:::::::::::::::::::::::::|           これが自分の恋人、理想の関係だ。
  | |       |        ....:::::::::::::::::::/          人が相手じゃこうはいかない。
  | |____ ヽ     .....:::::::::::::::::::::::<
  └___/ ̄ ̄        :::::::::::::::::::::::::|              面倒くさいリアルに足並みを合わせてまで
  |\    |           :::::::::::::::::::::|               性欲を満たしても釣り合わない。
  \ \  \___      ::::::





        / ̄ ̄ ̄ \
      /   ―   ―\         『自分には一生彼女なんかできない。そもそも欲しくなんてない。
  __ /   ( ー)  (ー) \      エロゲで抜いてる時間が自分にとって最高の時間だお』
   ( |      (__人__)     |
  \ヽ\__  `⌒ ´__/ \
    \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ             毎夜、自分に言い聞かせるように思い返し、床に就いた。
     ヽ               \
      \               \

119 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:14:40 ID:NAddVe0k
      ________________________
      |                                         |\
      |                 ===========================|  |
      | ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄~..|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄|\.
      |  ||       || / / / ||                    ||____|  |
      |  ||l ̄ ̄| ̄ ̄l.||          ||                    ||     |.\|    転機が訪れたのは少年が青年と
      |  |||   !|    l.||       [] ||~|~|~~~~|~|~|~~|~|~|~|~|~|. .||     |  |      呼ばれるようになってすぐだった。
      |  |||   !|    l.||          || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||. ||     |  |
      |  |||   !|    l.|| / / / ||~|~~|~||~~~|~~|~~|~|~~~|~|. ||     |  |         とあるコンビニでバイトを
      |  |||   !|    l.||          || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||. ||     |  |         始めて間もなくのことだ。
      |  |||   !|    l| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   _|  |
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\.
   |                                             |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





      ヽ.′ /  /  |!      |!  |! |!  }! | Y:::::::::|三|:::::::::::::/  {
.      | | |!  |!   |!     i}  } |!  /_!_| ゝァ : :|三|::::::::_;ノ|   '.
.       | | |!|  |!、 {! |!   // /}//孑' /イ (_ : :r'--{:::::::) |   |
.       { | | { 卞ト、ハ!_  //ノノィ≦ケテ| (:::::〈ん)、) 〉´ |   |
       ヽト、 {ヘ、从ィ升=ミノ´   /弋じ:::}| 〉 : ゝニン   |  |   「ちょっとあなた、陳列が滅茶苦茶じゃない。
         ヽ乂ヘ!ゞ、rゝ':{`      宀'´ |  ∨//    |          やり直しなさいよ」
          }  |ヘ ^¨´  、          |   {ノ´     |    |
          川 | 丶     r‐、       ノ  } !        |    |
          //}  ! _≧-..、 `´ ,∠⌒<}/ 八ヘ      |    |       彼女の名は真紅と言った。やる夫と同時期に
           // j /':.:.:.:.  .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:.  / />ヽヽ     |    |      バイトを始めた、ほぼ同い年の女性である。
         ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}イ夊)=-:.:.: / /:./::::::ヘ∧    |   |
       // / />ァー:. :.:.:.:`¨)´:.:.:.:.:./-ー=二二〕\  |   |
       〈≦__,/_/ーャ(:.:.:.:. :.: /\:.:.:.:《__∠⌒ー-、::::::::::::::ヽ |   |




       ___
     /   ヽ、_ \
    /(● ) (● ) \     「はいはい、わかりましたよーっと」
  /:::⌒(__人__)⌒::::: \
  |  l^l^lnー'´       |           再びいい加減な陳列を繰り返す。
  \ヽ   L        /            態度もさることながら、注意された矢先にこの仕事ぶり。
     ゝ  ノ                     仮に真紅が店長なら速攻で首が飛んでいる。
   /   /

120 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:14:58 ID:NAddVe0k

    !    !            |  ヽ  l  /  ! !
    l    l、         lヽ  !  !/ l /-┼┐
、   l    !ヽ           ! ! //l/! /   ! //
l \ 、!\ | l\      / l/!/- 、l/   ! /l     それを見た真紅は人目もはばからず怒鳴った。
|l _\!≧‐- 人_ノ 、  ヽ _/_//! r三、ヽ  l/::::!
、\  〃r三、ヽ\::::\_/.::::::/  ヽゞ=’ノ〃::::::::::j/
ヽヽ  ヽ ゞ=’ ノ ..::::::::::::::::::::::::::::::<´三彡"              「はいはいじゃないわよ!
 !\  `三三 彡:::::::::! :::::::::: _                       一体さっきと何が変わったと言うの!
 ヽ、ヽ  ̄ ̄    ヽ  /  l ヽ、      /            もう一回ちゃんと並べ直しなさい!」
 ̄ ハ        /´/ ̄    jノ ヽ       /\
// l       /\!          !    /.::::::::
. /l ト、       !              /    /.:::::::::::
/:::! !:::::ヽ、    ヽ           /  /.::::::::::::::




       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\         「うっせーお! やる夫とたいして年も変わらねーくせに
  /    (__人__)   \      説教垂れてんじゃねーお! うざってえお!」
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
  \    |ェェェェ|     /             深夜の2時のコンビニに男女の声が響き渡る。
                              当然、駆けつけた店長に二人は後に大目玉を食らう。

121 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:15:20 ID:NAddVe0k

                                             __彡三三,> ⌒ ル'// ハ (::.:|
  来る日も来る日も言い争う二人が、                     .  , ´ -─=,∠ _  \ '// / } _ノ::ト、
  もはや深夜のこのコンビニの                    /, /     /´ ̄`゙卞;㍉ // イハ〔::.::/:::::ト、
  名物のようなものになっていった。                 / //       i ヘ、  ゝ__X イ/  }ノ:/::::::::|:::了
                                     /   { i       |ヽソ      ___ソ  イ〆:::::::::/::.:ノ
  いい加減な仕事をくり返すやる夫、                 { i   弋¬ー‐-,-、|  ,  ´ ̄   /:':::::::::::/::〔__
  それを見つけては怒鳴りつける真紅――        __>‥=二./:::::::X´   _,  ‐≦彡::::::::_;:<:广《__}}
  毎日毎日この繰り返しだ。                     / ∠  --‐一く::::::::::〃  /:::孑_=≦二匸ノ_.ィ〃! 》´
                                / /  ,=、 ___<::::::::::::ノ) )`ヽー、  ⌒ヾ;一 ''´  l {{ l {!
      ____                     / / ,. =彳 〃 ニヽ:::::::: ー ' ノノ/ =≦-┴──┐ヽ   ヽ
    /:::::::::  u\                     」  !〃 _/  /ミ三;^i^i^l^ト、::.::.:\-‐─ァ ‐=ニ二,__ }   l
   /ノ└ \,三_ノ\   ,∩__               } l  _上 \ノ::.::.::.:{     }::.::.::.::.::ヽ 〃ー一 ´ ̄ ̄!  !
 /:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu               _ノ j,.イ/::.::^个'::.::.::.::.::ヽ _,.イ了::.::.::.::.::゙、 >       /   ′
 |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | |   |            __, ィ::.:/::.::.::.::.:}::.::.::.::.::.::く{__,ハ广::! .::.::.::.::、:ヽ. ___  イ   /
 \:::::::::   ` ⌒´   ,/_ |   |           〈::.ィヘ::./::.::.::.::.;イ::__.::.::.::.::.::.Y::.::.::.::.::ヽ::.::\::\\ ̄ //   /
   ヽ           i    丿
  /(⌒)        / ̄ ̄´
 / /       /





          ,.  '"´「`ヽ ー‐‐- 、
         /      ',  \    \
         /l        ',   \\ r'^^`ヽ
      /  .l     .:.:∧     〈 〈``ヽ
       / .:.:.l    .:.:./  `ヽ:.:.:.:.:.:.:.:〉L 「iリ
     l  .:.:.:.!   .:.:.:./     `ヽ、:.「_フ彡只       他の店員達も、真紅に対してはともかく
     | .:.:.:.:.:.', .:.:.:.:/ u      `ヽ.:L{ }         やる夫には呆れてものも言えない顔をしていた。
     |.:.:.:.:.:.:.:.V::/            ヽ.:V
      ヽ.:.:.:.:.「 `7    ´  ̄     `ー !.:/             温厚な店長でさえも、人手が増えたらやる夫の
      ヽ.:.:.:l い   -‐━      ━‐!/                解雇を視野に入れるべきか悩んでいたほどだ。
        `ヾミヽ、__, |||      ,     l⌒ヽ
         l.:/´  ̄]  r‐‐--っ   ノ                          これが社会の当然の反応である。
          ,r ‐〈   __L    ̄ ̄ , イヽ
      /     V ´ ̄] >=< "´  〉
     /       `ヽ孑7´1:l l:lノ) ___/、
   /          孑7 l.::l l.:l 「孑`ヽ\
   〈      .::}   孑.  l.::l l.::|  孑ソ   ',

122 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:15:36 ID:NAddVe0k
       ____
     /     \
   /_ノ  ヽ、_   \    この"当然"と違う光景に一番戸惑っていたのは他ならぬやる夫自身だった。
  /(●)三(●))     \
  |   (__人__)    u  |
  \ ヽ|r┬-| /    /           「オメーなんでやる夫になんか付きまとうんだお!
  /   `ー'´       \           他の奴らみてーにほっとけばいいじゃねえかお!」





    !    !            |  ヽ  l  /  ! !
    l    l、         lヽ  !  !/ l /-┼┐
、   l    !ヽ           ! ! //l/! /   ! //
l \ 、!\ | l\      / l/!/- 、l/   ! /l     イラついた口調で本音を吐きだすやる夫に真紅は声を荒げる。
|l _\!≧‐- 人_ノ 、  ヽ _/_//! r三、ヽ  l/::::!
、\  〃r三、ヽ\::::\_/.::::::/  ヽゞ=’ノ〃::::::::::j/
ヽヽ  ヽ ゞ=’ ノ ..::::::::::::::::::::::::::::::<´三彡"           「一緒に仕事をしてる人を放っておけるわけないでしょうが!
 !\  `三三 彡:::::::::! :::::::::: _                    何が何でもちゃんと仕事してもらうわよ!」
 ヽ、ヽ  ̄ ̄    ヽ  /  l ヽ、      /
 ̄ ハ        /´/ ̄    jノ ヽ       /\
// l       /\!          !    /.::::::::
. /l ト、       !              /    /.:::::::::::
/:::! !:::::ヽ、    ヽ           /  /.::::::::::::::

123 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:15:55 ID:NAddVe0k
                                                ____
                                              /     \
                                             ‐   _ノ  ノ( \
::::\::/ / .:::::::/ .:/   :/  .:l:     ::l      l:.   l                     ( 三( ○)  ⌒  \
\__/  l :::/.:::! .::!::  ::! .::/::l:.    :::l   ! :. !::   l               (人__)       u  |
/´ /   l :/_l :::l:::. l:::l :::l::::!::.    .:::! :::! :l .::l:::   !:l                `⌒´         /
!{:V    l∧_l::l`::ト、l:::!:::∧!::::.  .:::〃.:/.:/.::/.::: /::!                 `l          \
!∨     !:::トミ<!:::::ト、!/::::l::::::::://.::/.:///.:::::::/:/                  l           \
V   :∧lヽヽゞ`メヽl::::ソノ!::::∠.._/ -‐/∧:::::/j/
:l   ::l !l::::::::: ̄::::::::::::::::::j/rf_チァ// j/
:!  .::l  !!  :::::::::::::::::   :::::`¨::::///             突き放しても突き放しても、真紅はやる夫に迫り寄る。
i  .::/:!\li        ノ.::::::::: /.:://
! .:::/:::l _ヽiト、  r=‐ 、_     /.::::l l               ずっと鬱陶しがって突き放し続けてきたやる夫も、
! /}/ 冫lヽヽ、 ̄   _ .. イ| :::::l l             さすがにこいつは今までのやり方じゃ駄目だと思うようになった。
/ /.::/冫、:∨ 二¨::/.:::/´`ヽ{ヽ、l !
:/ .::::::::::/.::::}ヽ:}/.::::/.::r┴′:::::ヽ 〉l




       ____
     /     \
   /::::::::::::::::    \           観念したように、ある日を境にやる夫が仕事を真面目にこなす
  /::::::::::::::::       |         風景が少しずつ見られるようになった。
  |:::::u:::::::::::::::::     ∩! ,ヽ
  \::::::::::::::::       | ー ノ            どの棚に何を置くべきなのか、しっかり店長に聞いて、憶えて――
   | :::::::::::::::    | i j                 当たり前のことには違いないが、今まででは考えられなかった行動だ。
   |  :::::::::::::    ゝ__/
   |  ::::::::::     /

124 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:16:10 ID:NAddVe0k

          //   !      |  「.:.:.:..:)ヽ.._  _j   レ'    ( ハ:  |: :| |
        イ    !       .  ..:.:.:.( __     ,| _ | 、___ .) |::|::. |: :| |
        ∥|    |:  |    / /. ィ :/  )  、γ, -、Y   _.)   |::|::. |: :| |
          i! |    |:  │  ,ィ 升j/_j/ | |ゝし { { fひj j √.:.:    |::| | |: :| |
          i! N. |  、 从ヾ/ j/勿fぅ/ | |   |ゝゝr_少':.: .:.:.:..::  |::| | |: :| |    「ふーん……
          ヽト ..._ ゝト-ゝ  ゝ'  | |   |:.:./  /:.:/::.:.,   人| |  ~~ |
                  .          | |   | /  //  /  . '   │    !     今日はちゃんとやってるんだ」
               /          , イ   |'  /-‐ァィ'  /     │    !
              ヽ         / |   | /    ,'イ___     |    i
                  / \ 、っ   /   |   |,/  - ‐ ¨   /     |    i!
               '/ | :\    i!__.|   |´    _.. ー >     |    i!
                i|  |:::::::|>‐┤  |   |\ . ´       \   |    i!
                i|_|::/   |  │  !  \         .  |    i!
                「          r|  │  !   /   /!       \    i!




       ____
     /     \
   /_ノ  ヽ、_   \      「はいはい、これでいいですかお?
  /(●)三(●))   .\
  |   (__人__)      |       わかったらとっとと……」
  \ ヽ|r┬-| /   /
  /   `ー'´      \





   _   _    ,. 、 ,       、      ,
  f:i_::v`┴`ー::´:7  ー,  /   '`ー‐ 、 ‐|´
 /::::!‐イー、.  /::::/  r‐'  ,イ  !  \ ヽ└ 、
 ! '::::,ィ!    |::::′ _7  '/l         ` ヽ(
  ̄´ lト ニ   !:::|  、 !、 !_i_l! レ|:    ハ| .i レ’     「ま、これぐらい当然よね。
    ,イ | カ  !:::l'  〃 トl` ヽ!、|、!:  レ' / | !
   ,l::! ! ^__、l::」  / i! |. ー‐'  ヽ'^レ /!リ        ……でもちょっとは見直したわ。やれば出来るじゃない」
  i l::! ,| l::! 、ゞjif / \ 、     、Yィ´ '/
  / ゙"/l `   `ア|,/、 __ ゙i!   _  ' ! |
 i  .〃′   i⌒: !´ ::::ヽ||   ‐ン //r‐、= 、
 | i〃/   _/ l:. |:::::::::::ノ!=v‐.:`V// ニ、\\
 |〃/  /  ,>‐`ー∠::::ノ}_:::::ノ///  \ \\
, '/!i   ´    ゝ――‐-、ヽ':::::ト' //.     \ \\

125 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:16:31 ID:NAddVe0k
           ____
         /       \
        /ノ(  ヽ_三三 _ノ     見下したような物言いにブチギレかけた、やる夫の言葉が詰まる。
      /  ⌒ ( ○)三(○)'
      |         (__人__)  |
      \        ` ⌒´ /
      /       ー‐  '










               ――やれば出来るじゃない――









.

126 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:16:43 ID:NAddVe0k
           ____
         /       \
        /   ヽ_    _ノ
      /     ( ○)  (○)'
      |         (__人__)  |
      \        ` ⌒´ /
      /       ー‐  '




           ____
         /       \
        /   ヽ_    _ノ
      /     ( ●)  (●)'
      | u       (__人__)  |
      \        ` ⌒´ /
      /       ー‐  '














           ____
         /       \
        /    ⌒   ⌒          ……………………
      /     ( ●)  (●)'
      | u       (__人__)  |
      \        ` ⌒´ /
      /       ー‐  '




.

127 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:17:19 ID:NAddVe0k
           ____
         /       \
        /      ―   ‐      思い返せば、親以外で人から褒められたことなど初めてかもしれない。
      /        ( ●)  )    誰もがやる夫の振舞いに愛想を尽かし、離れて二度と寄りつかなかった。
      | u          (__ノ、_)
      \           `_⌒      褒められたことどころか、人に興味を持って貰えたことすら少ない人生なのだ。
      /           \





                    /.:/.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                  , ィ´.:/.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::.. _
          ,r‐-、_ , ィ .:.::::ん"´  ̄ ̄``ヽ、.:.::::::::::::: \ヽ, ,、
          /.:.:.:::::::/ `7:.:::::::._ノ        \.:.::::::::::::. `''|/ノ
          ).:.::::::/  /::::::.(   ,   /   ヽ 、  \.::::::(  |
         ノ.:.::::::/  /::::::::.ノ  |  l     !  ! ヽ. _   |
         〔.:::;:;:;;;! /.!::::::( i  .!  !|     |  |  .:| \`ヽ、|
          /).:.;:;;;;| //|:::::::ノ |  | .:||    |:. l:. .::.l | | \, V      「ほら、せっかく頑張ったんだからおごってあげる。
        j〔.:.:;;;;;;;.レ/ |::,:イjト、| j| ::|ト、   !::.:/::.:.:/ .! |   `L,,_
         l |>、.:;;:|_」ん1ート‐y-、l  ト、 /-/仆イ::./l/    |ヽ、)     明日も頑張りなさいよ?」
         | |ン}.:;;:V,旡、l |,ィr=㍉>、`   ,ィ=ミ,〉 ij:/ _ __ /_
          | |  `ト、〈f薇f〉|ヾ込ソ      辷ソソ l/1\   /  \
          ! !   \`Y」:.i |        '    / :ト  \ ゙"    \       差し出されたレモンティーを口に含む
       | |l    \リ:.| |L._     く\ , イ  | \/ ̄ ̄ ̄ /         やる夫の胸には、甘い口残りとはまた別の
       | ||       ,イ:| l|::.:.:.:.``ヽ.__>、\|   1/|━━━━|           不思議な充足感がじんわりと広がっていた。
       | ||     _「 `ト、|:::::::.::. i.:.::l朮ト、>‐'つ/  .!       .|
       | ||    /.:| 」二二乃.:|.:::|薔jソ ,ィ戈 .:.:::|━━━━|
       | i|  / .:.::::|〔_  ̄``ー弍:!氷リ   . ノi:.:: :::::!    .:.:.:::::|
       | l| ,/ .:.:::/.:.:.:.:.:.丁> - コ_ノ  / :::|.:.:::::::|  . .:.::::::::|
       | l| / .:.:.:/.:.:.:.:.:.:./ /イ ̄了/ _ノ .:::::!.:.:::::::! .:.:.:.:.:.::::::::|

128 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:17:51 ID:NAddVe0k

         / ̄ ̄ ̄\
         /        \      翌日から、やる夫の振る舞いは目に見えて変わり始めた。
      /   ─   ─  ヽ
       | u. (●)  (●)  |       仕事の要領こそ悪いものの、今まで当たり前のようにサボってきたことを
      \   (__人__) __,/      進んでやるようになった。仕事としては当然だが、変化は誰の目にも明らかだ。
      /   ` ⌒´   \
    _/((┃))______i |
 .. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
 /  /_________ヽ..  \
 . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





      ヽ.′ /  /  |!      |!  |! |!  }! | Y:::::::::|三|:::::::::::::/  {
.      | | |!  |!   |!     i}  } |!  /_!_| ゝァ : :|三|::::::::_;ノ|   '.
.       | | |!|  |!、 {! |!   // /}//孑' /イ (_ : :r'--{:::::::) |   |
.       { | | { 卞ト、ハ!_  //ノノィ≦ケテ| (:::::〈ん)、) 〉´ |   |
       ヽト、 {ヘ、从ィ升=ミノ´   /弋じ:::}| 〉 : ゝニン   |  |  一方で真紅は容赦なく、粗を見つけては口出しする。
         ヽ乂ヘ!ゞ、rゝ':{`      宀'´ |  ∨//    |   
          }  |ヘ ^¨´  、          |   {ノ´     |    |     やる夫も負けじと言い返すが、真紅は絶対に退かない。
          川 | 丶     r‐、       ノ  } !        |    |    やる夫がちゃんと仕事をこなすまで、徹底的に鞭を打つ。
          //}  ! _≧-..、 `´ ,∠⌒<}/ 八ヘ      |    |
           // j /':.:.:.:.  .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:.  / />ヽヽ     |    |
         ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}イ夊)=-:.:.: / /:./::::::ヘ∧    |   |
       // / />ァー:. :.:.:.:`¨)´:.:.:.:.:./-ー=二二〕\  |   |
       〈≦__,/_/ーャ(:.:.:.:. :.: /\:.:.:.:《__∠⌒ー-、::::::::::::::ヽ |   |





    /:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: >て`:: :: :\   ハ  ___
   5、:: :: :: :: :: :: :/´      ヾ:: :: テ| ̄|,、_ ゞ//┐|
   ノ:: :: :: :: :: :/         ',:: :: ::|  | < X__ | |
   廴:: :::: :: :: /           `):: ::|  |:: ::} V/ | |
   /:: :: :: :: /    |    ',  、  ,{:: ::|  |/X/.ノノ
   てィ: :: :/  {   |    i  i  i.i`}:|  |.>//ミT´         一方で、ちゃんと仕事を完璧にこなせた日には、
    <_:: ::|  i   i  i   | ィ十ナィハ|{|| ,、|}ハケ-ニ=、_        まるで自分の仕事が上手くいったかように
   //}ノ::|   ',   ', ハ  ハ/ィヽァテク'、`ゞソi || ヾヽ ', `\\      嬉しそうに笑って褒めてくれる。
  <<V/、_:::',  lヽ_,-+-´ヽノ  ´之゚ンl i .ヽ || } }  ',  \ヽ
.   \廴v=::'、 i トヾィtヶ、      ̄  | l<ソ',ノ └ト ∧   レ'
    L _Xミvノ 、ヽ ゝ弋ゞノ  、     イ |´`V´ ̄`ヽ、_\           そんな彼女の存在がやる夫の中で大きくなっていく。
    // |ノ /i ゞ/T'\    - ´ / } }  i',:: :: :: :: :::ヽ
.   //  / / } {/ il _ _,>-_=、- イ rノ /ハ  ハ}:: :: :: :: :: ::}
   | | ノ / ,' ハli{:: ::{   - -ィ、 }、 | i | ハ」:: :: :: :: :: ::',
   ´ イノ  ,' イ  i |:: ::\   、,  ト-イ V /:: :: :: ::i:: :: :: ::}、
  / ̄/  v i ∧ |:: :: :: :\/ノノ ∧ > V:: :: :: :: ::|:: ::,:: ::i:::ヽ

129 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:18:11 ID:NAddVe0k

         /.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
        /: : :            \
       /: : : :            \        「……やる夫が仕事仲間だからかお?
     /: : : : : :              \          どうして、そこまで……」
    / : : : : : : : ..               \
    |: : : : : :  ,,,,ノ⌒" '' ``⌒\,,,        l         どうしても気になって、ある日尋ねてみた。
    |: : : ::;; ( (・) ) ノヽ ( (・) );;:::    |           こんな気持ち悪い顔の奴を、こんなひねくれ者をなぜ――
    |: : : : :  ´"''"        "''"´   ι  l
   . \ : : : : . .(     j     )      /                              と、山ほどの自虐を添えて。
      \: : :: : >ー-‐'=ー-ー<    /
     /ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\
     : : : : : : : : :``ー- -‐'"´      \
     : : : : . : : . : : .                \




           ,...__
          イ::ゝ、r、`‐.-.-.-.‐ヘ‐-く:ヽィヽr、
           く´:::::::::::::ゝィゝ::::::::::::::::ヽミヽ:::::;;;;;;ヽニヽ_
            r':::::::;. '    `ヽィ;;;::::::::::ヽミヽ::;;;;;;〈―i 〉
          r'::::::/  ,.' /,.'   ゝ::::::::::::i|ミヽ;;;;;;ゝ〈〈
.          ,.ゝ::,' / / /,'    i ゞ〉::::::::i|彡};;;;;;:〉、ヽニニヽ       「社会はちゃんと仕事の出来る誠実な人は
          //了! ! ,' ,' ! ,' ! .i   !ゞ〉:::::}彡};;;;;;ゝニニニニ〉〉、         必ず受け入れてくれるものよ。
.        〈〈 ,メi i i i  ! !. i .i i i  ,'〉:::}彡};;;〈i i i  〈〈ヽヽ
           ヾヽ'メⅣト、ヽ'''!ヘ i i i-!‐!‐/ ヽ::l三};;r' i i i   ヽ〉ヽ〉       私は偏見にとらわれず、そういう考えを持った
.        〈〈/ヾ〉`ミミヽ乍ハヽ从ノ乍ハ/イハノミノ;ノ i i i i              社会人になりたい。
           ,ヾ〉/// `ミ 之ノ   之ソ ノ,'Λ薔ノ| i i i i |             あなたは今頑張ってるじゃない。
        ,////,' ,.イ ト、  ' __,   ィ /ノ'`´ | i i i i |          放ってなんておくものですか」
         ,'////, 《|i iミ≧r、 _ ,.ィエ/ /´     | i i i i |
        ,',',',',' , i 》| i iメ  メ《桜》  { !::`ヽ、,   | i i i i |
        il i i i iil〃 ヽ `ヽメ  メミ  ミ ヽ:::::::::ヽ、| i i i i i|
.       Ⅳi i i il《 ,ィ二彡'  イト  ミ、ヽ ヽ::::::::;;ハ ', ', ', ',',
       Ⅵミミミミ》`ミ二≧、メメヽ ミ〈二ニヽ 〉::::::;;;;ヘ ',',',',',','.,
.         `ヽミミミハイ二彡' :::::: : ヽミ≧ミミヽ,:::::::;;;;;;;;`‐‐--イ》ヽ




         ____
       /      \
      /  ─    ─\       『自分には一生彼女なんかできない。そもそも欲しくなんてない。
    /    (○)  (○) \        エロゲで抜いてる時間が自分にとって最高の時間だお』
    |       (__人__)    |
     \      ` ⌒´   /
    ノ           \                      その価値観が一瞬で崩れた実感があった。
  /´               ヽ
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

130 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:18:55 ID:NAddVe0k
       ___
     /ー  ー \     /'⌒ヽ
    (● ) (● ) \ ./   ヘ  ヽ        頑張れば認めてくれる。仕事が出来れば褒めてくれる人がいる。
   / (__人__)       \   /  ヽ  ヽ_    今までの人生の中で、最大のモチベーションになった。
   |   `⌒ ´      u |  |    \___〉
   ヽ   /⌒i     /.  │
    \/.  ,r'._ ,,r'⌒ \   |
    /   //ー\|    \  .|   __                       頑張った。努力した。働いた。
    i   ^ /.   (,        ,|  | ,r'゛
    ゝ、__,〆  .    ヽ    i.._、,r' ヽ,/ |
               \.   |\  ゙i |
                \  ヽ \._、,/
                  \ ゙ヽ
                    ヽ ^ゝ
                     \_|





                                  r''".:::.:::.:::.:::.:::/ / / / ハ `ー‐┐\ ヽ:.:.:.:.:.:.:ノ=ニ):\
                                  { ::.:::.:::.:::.:::.; ′  /      |   {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二`V/^):、
                                    ̄つ.:::.::/   / ,′    |    |  ̄ヽハ. i.:.:.:.:.`i!ヽ.!_/:./
  真紅はそのたびに笑ってくれた。                 (:.:::.:::.::!l!  l  i      |l!   |  ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ト、;:ノ
  そのたびにやる夫も笑顔がこぼれた。            `7:.::|l|  | ハ      ;'|     し-、| |:.:..:_ノ.|.:| |
                                      ヽ|H  | | l__,    / |  /  / ノ|/:.:ん. l |:.| |
  こんなにも、社会の中で幸せを実感したことは            |l!ヽ. 代「 ヽ.  , / `ト、/! ,イ. く:.:/:.; -┘| L」 !
  今までになかった。                            |  l N.--ミ ヽ/ソ _レ'´ lメ // |/  | |   |
                                        |  ! |l,ィ^h.、    ´ ̄ ヽ 1  |     | |   |
       ___                            | !( { { | | ' _, """ ノ!|   |    | |   |
      /     \                         !.| |_\  ヽ、    _,. <._| !  |ヽ.   | |   |
    /   ⌒  ⌒\                          !/〈.:.:.Y_>、 }、 ̄´;:;:;:;:;:;://|  |:.:.::',  l l   |
   /   ( ⌒)  (⌒)\                          ム-レく.:.:.:_}ノ:@;:ニ、;:;:;//;:;! 、|:.:.:.:.:L_ ! !  |
   i  ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i                         _,.∠=ニ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ニ  V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:.:.:L_l !  |
   ヽ、    `ー '   /                        `ーニ二_‐ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:(゙こ  /'^ヘ V:.:\ \:.:.:.:.:{! |   !
     /     ┌─┐                         <:.:.:. ̄} .:.:.:.:.:.:.:`} ノ:.:..:.ハ V:.:_>- ヽ.:.:.:.} |   i
     i   丶 ヽ{   }ヽ                          |_>'7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'"  /:.:r‐'´〉、  i
     r     ヽ、__)一(_丿
     ヽ、___   ヽ ヽ
     と_____ノ_ノ

131 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:19:19 ID:NAddVe0k

                   八勾 ハ            ムイ
                 ,  ′{ ̄ヽ、ハ   、_ ′  ,′|
               , ′  ノ    ヽハ、    イ  |        『運命の人』
            , '/ .   /      ヽハ辷イ   ヘ l
\         //    / {       入ハ     ヘ|            エロゲで何度も見たはずの言葉が心に
 ハ        //    /  V  -― イ  `、ハ __ム           響き渡る。初めて、共に歩いていきたいと
∧ ハ  .  , ′/   , '′  / / |  / ,イ ̄ヘ^ー-、/  ̄/\           思える女性に出会えたのだ。
. }  ハ  / /   く ^¬冖ムイ  l  /    ∧  | /  /|`丶、
. l  ハ_/   {/l    \     しヘ|/       ∧_ノrvrvv〈ム 彡≧
  l  ハ  /  ノ     `丶|     /       /ヽ、 〉 〉 〉 〉 //
 / /  V  /         Y   /     , ′\  \/ { / ,==ニ二ユ
ニ彡′  l  /          | /     /     ヽ、 ',  \ニ二彡ニ二
     ,′ム≠ニニヽ、    V      /    辷二ニ二/      辷二ニニュ
     ー==¬' ̄ ̄`丶、   \_/     ム二ニ 丶、     /   / ||
    rニ二彡 二ニ=ニミ    ノ    `ヽ、    `丶、 \   l  /   ムイ
    辷二ニ'ニ二ヽ    , '´ |      、\      \ ',   ^




          ___
         /     \
       /  \三三/\          告白するのは怖かった。
     /    (●)三(●) \       もしも拒絶されたら、今の自分は何を目標にして生きていけばいい?
      | u     (__人__)   |      やる夫の恋心はそれをはねのけ、ありったけの勇気を真紅にぶつける決心を結ぶ。
     \      ` ⌒ ´   ,/
      ノ          \         『この人と結ばれなかったら、自分には一生添い遂げる人は現れない』
    /´      _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
    |    l  ( l / / / l             これが自分の人生で、最初で最後のチャンスだ。年若い青年は
     l    l  ヽ       /              全力で自分に言い聞かせ、震える声で真紅に想いを打ち明けた。

132 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:19:45 ID:NAddVe0k

 !:::::::::/,-、∨ _!__, --、|  ! |   | !   |`r'´!  l ! |    |     <
 |::://:::::::!:! | {   }`゙`ト!、 ! |    | !/  ! ハ |     !      !:
-、!'/:::::::::::ノノ! !ヽ!`T´!   !| !`ト、 !    ! !  // ! !    !         |:
ヽヽ:::,、:::/ィ ト、|_ァ=ァ==ミ、トl !  l   ,イヽ!,イ/  l ハ   |       !
 〉!:/::ヽ/|  | ヾ  {っr⊂かミヽ|  ! // /メ  _// !  | !     | |::       答えは『Yes』。
_/∧::::::::) l!  !  `┴-ニ、ノ     V //〃 ヽ/'``ト、 l l    l | l::     嬉しくて、嬉しくて、死んでしまいそうだった。
-'  ヽ:/l  |ヽ !      `       '´ /' _   /イ メイ    ! l /::
-ヽ  ヽl  | l |  """"            7っ`ヽ'´ l// j  / / /レイ::       恋焦がれたセックスのことにも、
  ヽ l   ! | |                _{ r⊂∧  ,.イ  / ,イ /-イ !::       目の前の女性の体にも興味は無かった。
\  ヽ!   |  ! !            /    `ヽン ノ// , イ/彳  ! l:::
_`ニ=|  |  l |        、   '´        ,イ l イl l  |:::!   ! !:::            ただ、この人の隣に対等に並べると
::::::::::::::!  |\ ! l      ` -     """/イ /  l !|  !::l   l l:::/         思っただけで、幸せだった。
⌒l:::::::|   !--ヽ! |                /´ !/!  ! ||  !::|   ! レ
、 ヽ´|   !  | ! |           _, '´  〃 l  l  || l:::l!  |
 `´ |    ! l  | !` ト __ .. -‐=ニ´、   // ! l  || !::||  !
    ',    ', ! | !  Y´`ヽ‐、    \> //|   l   || ,ヽ! !  l




         ____
       /      \
      /  ⌒    ⌒\         もともと自分に自信など無いやる夫のことだ。
    /    (⌒)  (⌒) \      真紅に釣り合う男になろうと、より努力するのは自然だったのかもしれない。
    |        (__人__)   |
     \       ` ⌒´  /            不器用で、要領の悪い男が、何度も叱られながら成長していく日々が
    ノ           \           この日を境にゆっくりと始まっていったのだ。
  /´               ヽ
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

133 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:20:12 ID:NAddVe0k

                                          / ̄ ̄ ̄\
   謝ることを覚えた。反省することを覚えた。              /        \
   後輩をフォローすることを覚えた。                     /  ─   \   ヽ
   同じ職場の仲間たちを大切にすることを覚えた。       |  (⌒)  (⌒)   |
   店のために働くということを覚えた。                    \  (__人__)   __,/
                                       /  ` ⌒´    \
                                     _/________i |
         ___                      / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
       /     \                   /  /__凵_______ヽ  \
      /   \ , , /\                    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    /    (●)  (●) \
     |       (__人__)   |             働くことの喜びを肌で感じられるようになった。
      \      ` ⌒ ´  ,/           社会の中で生きている実感を得られるようになった。
.      /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
      |  ,___゙___、rヾイソ⊃                    次第に、やる夫に声をかけてくれる人も増えて行った。
     |            `l ̄
.      |          |




        ____
      /⌒  ⌒\
    /( ⌒)  (⌒)\             社会復帰。
   /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
   |     |r┬-|     |
__ \      `ー'´     /     ___        爪弾きにされていた一人の青年が、
ヽ  ̄`"¬ー--、,,,_   _,,,、-ー"´ ̄´....,., /       ようやく広い世界で孤独以外の境遇を覚えた。
 ∨ ;:;:;;;;:;:;:;::;:;;;:;:;;:; `Y´ ;;::;;:::;:;:;:;:;;;:;:;:;::; /
  ', ;:;:;::;::;:;;;:;;:;:;::;;:;;:;: i ;;:;:;:/ ̄ ̄/;;:;:;: /                すべて真紅のおかげ。
   ', ;:;::;;::;::;:;;::;;;;:;:;;:;: i ;;:;:/ijknw/;;:;::: /               少なくともこの時のやる夫はそう思っていた。
  {⊃;;:;:;;:;::;:;;;:;::;:;;::: l ;;:;;:;;:;:;:;;;:::;:;;:;⊆}
   ヽ⊃) ̄7;;:;:;:;::;;:;: l ;:;:;:;;:;::;:;::;;::; ⊂ノ
   / /__7;;:;;;:;;::;;;; l ;;:;;:;:;:::;:;;::;;;:;: /
   / ;:;:;:;;;;::;:;:;:;::::;;;:;:; ! ;;:;::;:;:;;:;;:;::;:; {
  ノ / ̄/ ̄/ii7lkl/7 i []ikllihXCV ヘ、_
   ̄`"¬--、,,,.__¬ }L ]_,,,、-ー"´ ̄
             ̄`´ ̄

134 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:20:32 ID:NAddVe0k

                                 ,.へ
  ___                             ム  i
 「 ヒ_i〉                            ゝ 〈
 ト ノ                           iニ(()
 i  {              ____           |  ヽ    やがてやる夫が社会人として認められるようになると、
 i  i           /__,  , ‐-\           i   }    すり寄ってくる人間も多くなった。
 |   i         /(●)   ( ● )\       {、  λ
 ト-┤.      /    (__人__)    \    ,ノ  ̄ ,!        社会は金と実力さえあれば顔の良し悪しなど
 i   ゝ、_     |     ´ ̄`       | ,. '´ハ   ,!         些細なものだ。人は集まってくる。
. ヽ、    `` 、,__\              /" \  ヽ/
   \ノ ノ   ハ ̄r/:::r―--―/::7   ノ    /
       ヽ.      ヽ::〈; . '::. :' |::/   /   ,. "
        `ー 、    \ヽ::. ;:::|/     r'"
    / ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
    | 答 |       モ  テ  期        │|
    \_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ





 〃///ヾ    i ll  i ! l   i   l |  l  ヽ  ヽ
. i:|//i::i  》  /| li  !メ l   l   ! i  |   ',   ',
 〆i !:L〃  i ', | !  | l ト,   !  /  l  ! i  }   !
// / |:|'" i  斗弋T、‐- ', | ヽ !  /i /! /! !  l.  } |      中には、本当にやる夫のことを悪しからず思って
/ i |:l  ',  i弋ゝ‐-Y=、丶` ',.| /_.!ム、/_l /  /  ハ !       色目を使ってくる女性もいたほどだ。
.  | !:l   ∧. !  ヒ_q )_ヽ   レ'  レ' 7 メ  .イ / l !
.  l |:|.   ,ヘヘ               ,r‐‐tァ/ /| ,/   レ        真摯に仕事に向き合う姿勢はいつの世でも魅力的。
.  l l」   i  ヽゝ 、、、          ゞ゚ノ//ノ |,イ
  !    ト、            !  、、、´ソ"   l:」   ,-'´         やる夫はいつしか、そういう人間になっていたのだ。
  i    |. 丶       、_ ,、_ ´    /',  ,    //
.  ',    ト、  ゝ .     ‐/ フ_,, ィ ´  !,〃 ,..-'´:∠_
.   ',   |::::`:‐-.、`> . _ / /l´ ゙!i   lイ/:::::::::::::-= 二、_
、___ヘ   !::::::;ィ;==,‐、 ;_/ / !  !|    |::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::ff《ヘ  i::≪::::::〃!,ィ´`‐-ヾ、l_/_il    l、::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::ゞ》 ヘ. ト、::::゙彳/ゞ/r‐---、i/´::::|  /:::\:::::::::::::::::::::::::::





      *   ____
    + 。 / \  /\
       / (ー)  (ー)\+ 。 *       生来その顔立ちにコンプレックスを抱いていたやる夫にとって、
     /   ⌒(__人__)⌒ .\        これ以上の誇らしい事実はなかった。自信が溢れてくる。
  + 。|      |r┬-|    |  + 。
     \     `ー'´   /
       \ ,,,,    ,,, / + 。         自虐と卑下ばかりの人生は、まさに薔薇色の人生に姿を変えていた。
       /        \
     / ,、      .l> ,>
     \ リ       l <
      <_/       ト-'
       i        l
.       l        l

135 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:20:49 ID:NAddVe0k



               そして、過ちを犯した。

           真紅との付き合いが5年を超えた頃、
        あまりにも魅力的な美貌を持つ女性を抱いた。


:::::::::::::/::::::::::::/::::::::/   :.:.:.:.:.:.::::::::::::::.:.:.:.:.:.       ヽく    :.:.:.:.:.::::::::::::.:.:.:.:.:.:
::::::::::/::::::::::::/::::::::/     ι           /'′::::ヽ、    :.:.:.:.::::::::::::::::::::u
:::::::/::::::::::::/::::::::/                  __          ノ`
::::/::::::::::::;:'::::::::;'             (    `ヽ    (
:::::::::::::::;:':::::::::;'                    ` 、_ 人     ノヽ、         ι
::::::::::::/:{:::::::::{      u       、_   ノ⌒`ヽ、/:::::::}_ゝ
:::::::::/::::i:::::::::i   ヽ            `  j     イ`ー-‐イ  `ヽ
:::::::::::::::::';::::::::';   \               イ |:::::::::::::l ヽ  )ゝ
:::::::::::::::::::';::::::::';    \           <:::/  ハ:::::::::l  l
:::::::::::::::::::::';:::ト;::'.、    ヽ       .イi::|::::::/  /イ:::::::::::l  l
::::::::::::::::::::::ヾj ヾ;:';    /::>.---.<:::::::| |:::/  / |::::::::::::!  ヽ、______  ,,


             初体験ではなかったものの、
          あまり体の発達していない真紅とは違う
                豊満な肉体を抱くことへの憧れが、
     誠実に生きることを覚えたばかりの社会人の目を曇らせた。



.

136 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:21:24 ID:NAddVe0k

 /::/ / / '  /' !   / /  | !     / /' |   / 〃 l /,' | '  ! |:::: !
/::/ /,ィ  i /'|i |   i! |  │ l    / /  !  ,./_/;-//ナ' !/ ! Y!::.: |
ヾ / /!  .i l l  | l | i.   | |   /! / / ィ'//.=j/=.、 ノ'/ /! ヾ::::::|
  i /!|  l ! ∧ !/! | .j___ l |   / j/  j/ ",ィっ::::::: ! 〉 / / l  |/\!!
  .V ゝ | 乂 ヽjヽ.ィf ! ,,.==.ゞ! ヽ'´          、`ーいノ / /  |. │ i l     裏切られた真紅が大粒の涙を流す。
  /  /\!|   \ハ!ヽハっ:::r!             ` ̄ , / /   .| .| ,/
  /  / /: !   / ∧  o- '               O,. '' /     |/        あまりにも痛々しい彼女の叫びは、
 /  / /::::l!  ./  !ヘi 。                o /    /,! |          重すぎを過ちを悟らせるには
. /  / /レ ´  /   /  ゝ.       ` ―- 、  / /       ,   ,             充分なほどだったはずだった。
/  ,//    , '  , '     \      (  丿 / ,´   / /  ノ
 ,./    /, イ/_    __..ゝ、       ̄  / /  ./  /  ∧
/    ,/ ' //::::::::\_ ノ::::: /:::::,.> 、._   / /_  ' _,-―'/  /::::::\
ヽ  ,/   /:! !:::::::::::::::::ヾ/:::::::/::::::::::::::`ーi / /´::::::::::::/  /::::::::::::::\
ゞ\ヽ   /::::l |::::::::::::::::/:::::::/:::::::/:::::::::::::://::::::::::::::::::/  /:::::::::::::::::: /




     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /ノ(_ノ  ヽ__\) ;;;;)       思い上がったやる夫にその訴えは届かなかった。
/  ⌒(─)  (─ /;;/
| u     (__人__) l;;,´|       今のやる夫には、真紅なんていなくても人は寄ってくるのだ。
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |         他ならぬ、やる夫自身がそう思っていた。
.\  "  /__|  |
  \ /___ /

137 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:22:01 ID:NAddVe0k
          ____
        /     \
       ‐   ─     \       半ば捨てるように別れを告げて真紅の部屋を出て行くやる夫。
       (  ( ●)     \     もちろん、自分の行いが正しいものでないことぐらいはわかっている。
      (人__)         |
       `⌒´         /                     わかっていながら、そうした。悔いもなかった。
       `l          \
        l           \





 _L仁二ニ入: :::::/  /     /     i    ヽ、', ',`ーケ(`ー,
 ヽ:::く /,イi!: :/ / /  /   /      i!     !i ! i: : :r‐く`ー、
   \`'/Kし' |// /  /   //      i  从 ト、 | | i: : :!__ ',i!iT ',
   // ハ{::::::::!! /   !,_/_ルィ    iト、_ハハハ  ! ! !:.:::::::::i |i!! 7___
  // / ト-、: ! レ、fTベ! ̄ハ!    ! // リソTーハイ !,': ::::_:::j  i!i!  ヽi!ト
  // イ!  |i! う::\ハ、ハ>トヒ㍉_ヽヽ レリ _ヲ=-ル' ルレ':.:.::r'´   i!ト、
. // /i!  |i!く: : : :|ヽトKイ辷ナヒ´ \r'  ヘ辷ナオイ |ィ__ソ
//  / !  ij! `く_入 ト'o”ヽ`ヽ、ヽ、ヽヽ、ヽ ``' /|  !| |       一人残された真紅は、やる夫を引き止めることもなく
          | ハ  ハ  `` __ `,.-、    / i! ハ! |       涙が枯れるまで、泣いて、泣いて、泣き続けた。
           | i!| |_ゝ、 r'´__. ̄ヽr―‐'―| |!ハ! !
          | !k! |⌒ヽ  ̄r'__  `! j |  | |}ハ !
           //! }! i   |i  f.r 、,  `ノノノ  .|! トハ  !             こうして二人の恋人関係は終わりを告げた。
         从イ: i! !  ハヽ `ー!  ヒ^\  |! |  \\
         /r--= 、_ヽ  ノ /´`|トュ_ く `ー'\イL_!‐'  ̄ へ
     _,// \\ー-`7/ || ヽ_入jヽ   ト\_ -=// \









.

138 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:22:25 ID:NAddVe0k
                                              ____
                                            /ヽ  /\
                                           /(●) (●)丶
                                          /::⌒(__人__)⌒:::uヽ
                                          l    |r┬-|     l
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//:.:<i    |:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:./                 \   `ー'´   /
:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.>' ´./:.:/  \  ノ:.:.:./:i:.:.::.:.:.:/                  /         ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:ゝ:.:.ト- '´  / <__   {:.:.:/:.:.}:.:.:.:/                    し、       ト、ノ
:.:.:.:.:.:.:.:..ハ:.:i!   禾=、  _ ヽ  /:.::/:.:./:.:.:/                 |   _    l
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:トゝ   Ⅶ..:::.≧=チ  ././:.::/:./                      !___/´ ヽ___l
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|\   ゞt;;;jiリ ハ  K:.:.:.:./;'´
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |  ヽ   辷ノ ノ    \:./
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|      ̄ `         \       やがて、時がたつに連れて間もなく、やる夫から人が離れ始めた。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |              ノ
\:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ              イ           何のことはない、人は興味を持ったものに寄ってくるのも早いが、
ヾ:.\:.:.:.:.:.::.ハ         _ , /::.:|          興味を失えば離れて行くのもまた早い。そんなものである。
 \:.:.:.:.:.:.::.:ハ           ノ:.:ハ:i|
ヽ  \:.:.:.:.::.:.ハ        イ:.:.:.::ハ.|
    |\:.:.::.:.∧、. _ _ / |:.:.:./  リ
\..  |  \:.:.:.:.ハ       |:.:/
   ̄\i}\ \:.:..ハ       i/




           ___
       /      \
      /ノ  \   u. \         生真面目に働くことは覚えたといっても、
    / (●)  (●)    \      もともと不器用で要領の悪い、ただの平凡な社会人である。
     |   (__人__)    u.   |
     \ u.` ⌒´       /     しばらく付き合えばメッキも剥がれてくるし、
    ノ              \       やる夫より魅力のある人材など掃いて捨てるほどいる。
  /´               ヽ
                                                 社会の目はそこまで甘くはない。

139 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:22:44 ID:NAddVe0k
         ____
        /     \
      /  u   ノ  \                          __  _
    /      u (○)  \                          _r:ァ┴┴┴:'<>v‐ァ、
    |         (__人__)|                        (>''":::::::::::::::::::::::::::::::`::<L\
     \    u   .` ⌒/                    c/:::::::::::::__::_:::::_::::::::::::\:::::ヽL_ヽ
    ノ           \                   /'::::rァー^ー^ー^ヽへ、:::::::::::\::::::V┐、
  /´               ヽ                  /{:/    |  l!  `ーヘ>、::::::::ヽ:::::V┐',
                                   ,' /   /|  ||  | |  |  | `L>、::::ヽ:::::V! !
                                 l l ! | ! | | | | ||  ||  | || (>、:::ヽ:::}). !
  真紅を捨ててイチャついた女性とも             | l! |  |l  | |l| ! || ! | |_ |  |  `L_;::イ勹\!
  2ヶ月ともたなかった。                   || |!|  ||  | |!| | |lイ「 レ1 /| l| {>||<}\\
                                  || ', 、 l|ヽ. l! |lリ´」斗ヤ刋 /! | |   〈\\ ヽ \
  あの日やる夫が真紅にしたように、             ヽ ヽヘ {>ヽ{リ ´ `辷'ソ //l! ,'. /  | 《. \\ ヽ `ヽ、
  冷たい視線を投げられてあっけなく捨てられる。     ヾ<ヽヘ';)     ノ' ,'./ /  || 》\ \\ ヽ  `ヽ、
                                      |:! |lハ〈    _    // / ,  | l《  》 《  》 ヽ   `ヽ、
  身の丈に合わぬ自尊心だけが深く傷ついた。       |:! ! |l ヽ、 ´ー   //'´| /  | |  《   》 《   ヽ     \
                                      〃 | /! |/ ||`iヽ-//'⌒| / /⌒''⌒ヽ.  《     ヽ     ヽ
                                   /〈 ノ' | | || | |://:::::::::l'′/::::::::::::::::::::ヽ    i     ヽ       ヽ
                                     //l:|  | |ヽ V /'´ハ、:::/ /::::::::::::::::::::::::::::ヽ   l.    ヽ      )
                                   {/ リ   ! ト、_// / 〉//{::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ   |    ヽ
                                  〈     L_,し'´./ // /:::::::::::::::/::::::::::::::::〈   |     ヽ





           _-─―─- 、._
         ,-"´          \
        /              ヽ         その日から、あらゆることが上手くいかなくなる。
         /       _/::::::\_ヽ
       |         ::::::::::::::  ヽ       孤独と喪失感は人の心からモチベーションを奪う最強の悪魔だ。
        l  u    ( ●)::::::::::( ●)
       ` 、        (__人_)  /      仕事も人付き合いも、空回りばかりする日々が続いた。
         `ー,、_         /
         /  `''ー─‐─''"´\

140 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:23:00 ID:NAddVe0k
        ____
        /     \
     /  _ノ三三ヽ_\             自宅に帰っても一人薄暗い部屋で夕食を自炊するばかり。
   /   ( ー)三(ー) \
    | u   ゙)(__人__)  .)|    ___________       部屋の隅には飽きて全く触らなくなった
   \      。` ||||==(⌒)ー、| |             |      エロゲが埃をかぶっている。
__/         ||||    \  〉| |             |      今さら、起動する気にもなれない。
| | /    ,  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ .| |             |
| | /   /   ヽ回回回回レ    | |             |
| | | ⌒ ーnnn.ヽ___/     |_|___________|
 ̄ \__、("二) └─┘ ̄l二二l二二  _|_|__|_





     ∨ ∧      (      ヽ八.     ,         /   /tノ !.    |  |
     ∨ ∧      卜、       ヘ    `        /   /´.  |     |  |
        ∨ ∧      i ヽ、    ァハヽ、 `ー        /   /.    ||.   |  |
.         ∨ ∧   .__i  ゞ、,,イ,,,,,,l77ヽ、___,,, =孑≦/   /`:.、.   ||.   |  |     かつて無償の愛を注いでくれた
          ∨ ∧  `>ζイ´⌒ ヽ、/7⌒rVヽ⌒7/⌒7   /:::::::::`: . ||    |  |       両親も今は他界している。
        ∨ ∧=ニ/   . . . . . . . :Y⌒{`ひシ),.イイ /   /:::::::    \|.     |  |
   ,>――-ァ'   l〃. . . . . . .: .: : : : :.:.|  ゝ,,,ン、   (   /::::::::     \   |  |      誰よりも自分に対して厳しく、
  ( ,r―ー-- 、.,ノ{{ . . . . . . . . . : : :.:.:.:|/     _」ゝ ァ∨ (::::::::       \__.|  |        優しかった真紅ももういない。
   \\       ム゛;;;;:. . . . . . : : : : :::厂 ̄ ̄ ̄ . . :く  ∨∧:::           ゞ} ゝ
    \\     /{{,:.:.:.:.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.:.〃_____. . :ハ  ∨∧::            入  \
      \\  (  ゞ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃´ ̄ ̄:: . . . . . . .ハr=| |::::    ノ⌒`ン  \.  \      一人ぼっち。
       \\ };;:::'":: ` ー-===-イミ、:. : : : . . . .:.:.:.:...:::}ノ ,イ ` ー- イ ___,!    \  ハ     そんな言葉がやる夫を圧迫する。
          )ノ    ,'::    ....:::::ヘ.:.::.\.:.:.:.:.:.:. .:.:.::;;;;::/:::::::::::::::::::...,,,=孑≦,,  i.    / / ノ
.       / !゛   ,'.::  .....:::::::::: ヘ.:.:..:.:\.:.:..:.:.:.:.:..:.:/..:::::::   /`ー\|   i.   /  /
.      // l  ..,'.::: ...::::::::; ' ´:::::::\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ..::::::   /   !     i. /  /
     〈 .〈  i, ' ´ ..::, ' ´....::::::::::::::::::::` ー-==彡'"...:::::   /       |     i(  /
.      \ヽ `ヽ; ' ´.....::.:::::::::::::::::; '.::´:::::::::::         /       'i     ハ'、(
.       \  ノ  .....::::::::::::; ' ´.::::::::::::::        /|           }    i  \\

141 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:23:18 ID:NAddVe0k
  ________
  | ______ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  | |       /       .::::::::::::::::::::::\    『運命の人』
  | |       /          ..::::::::::::::::::::::::|
  | |      .|          ...:::::::::::::::::::::::::|        テレビから流れてきたJ-POPの歌詞にそんな言葉が出てきた時、
  | |       |        ....:::::::::::::::::::/       ふとやる夫は夕食をついばんでいた箸を止める。
  | |____ ヽ     .....:::::::::::::::::::::::<
  └___/ ̄ ̄        :::::::::::::::::::::::::|
  |\    |           :::::::::::::::::::::|
  \ \  \___      ::::::





.  |  .| i | i    ,            |. i レイ / |.  |
  |  レ i |. ヽ.    .;._      /| i |  | .|   |
  | //.| |_ /` 、     _ rく ァi.ハ ', | .||   |
  レ /ィ| |::::::. ::::::..`_- .:::'´:::::::  ..メ/. ', V ||   |    『この人と結ばれなかったら、自分には一生添い遂げる人は現れない』
 /,ハ l l::::::  :::rチ心ヽ:::::::::  :://: \; V |   |
"/  /./::::  :::::::い9ソソ::::::  :::://:::: ∧  ';|   |
ー-; / /^ミ;ュ'f-、^⌒'⌒~;:::  ::://::::: /:: .>ー' 、  |          本気でそう信じて真紅に告白したあの日のことを思い出す。
,__ 〉´ー-ぃ} ./⌒:/⌒/^ }" ∠===⇒'´_. --_}. |          同時に、彼女と過ごした、今となっては夢のようだった
┬' :|  ̄ヽ ト::V  ノ .ノ 人 :::::r '´-  .,, -- へ   |           幸せな日々が、走馬灯のようにやる夫の頭を駆け巡った。
イ-;:.} 个ぐ :/ `'r-―r'::i  v' }rー '゙ フ ,.イ゙:: ヽ`ー' 、
i ::::{  ノ T::>':::ム ̄フ「::::/ ::: 「 __,/∠___i、::::. ヽ  /
| Vー'- イー 、/く_/ .| :::ト、 :::::: >、 ̄ " ー;-,〕 ヽ:::::. \
` ー く イ }  V- 、 Vフ´ ̄   ><^"ーzノ:::::::: ノフ

142 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:23:42 ID:NAddVe0k

        /.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
       /: : :             \
     /: : : :             \
   /: : : : : :               \       涙が止まらなくなったのはいつ以来だろうか。
  / : : : : : : : ___ノ'′   ゙ヽ、___     \
  l  : : : : : :.; '⌒`       ´⌒ヽ     l        失ったものの大きさに、今さらになってようやく気がついた。
  |   : : .::;;(。o〇 )     ( 〇o。);;::   |
  l   : : : :°o゚゚~'"´      `"~゜o゚;°  l
  \ : : : : : : 。;゚(    j    ) ; 。+/
   \: : : : : : ::`┬‐'´`ー┬′ +  /
   /ヽ: : : : : : : |/⌒⌒、|    イ\
   : : : : : : :゚: : : ゚´ ̄~:j ̄`  ;     \
   : : : : . : : . : : ;  '"``    +    \
 : : . : . : . : . : .         °
 : . : : . : .       +





      ゚  /   (        )     °             \
       /ヾ、_ノヽ、___,,ノ⌒ヽ     o°          \
       l     ト、ノ),、        ノ  ○                l        人生でたった一度のチャンス、
       |      |          /                      |       心から愛せる人に出会えた幸せ――
       l      ゚|       /⌒´/                       l
        \    l   /   /                       /      それを自ら棒に振り、
         ヽ、  |  /    /                 /         地べたに叩きつけて捨てたのだ。
           \ `ー┴--一´                 /
            ヽ ゝ、__,,,,, ,,             ___ -<            もう戻らないあの日々の重さが、
              \               /´ ̄     ̄`ヽ、           忘れ得ぬ後悔をやる夫の胸に刻みつけた。
               `ー─-、‐ '''       /           \









.

143 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:24:02 ID:NAddVe0k

         , -─‐──‐-、
          /         \                 自堕落な日々が続いた。人と話すことも少なくなった。
       /             \         r―、
      l   _ノ  ヾ、_         l        /    l         あるとすれば職場の機械的な会話や、
       | (ー )  (ー )      |-' ⌒ '"⌒ヽ /_ノ        定食屋で食券を店員に渡す際のとのやりとりだけ。
.      !::⌒(__人__)⌒:::::     l        V__,r‐‐、
        ゝ  )  )       ノ              l
     ( ⌒ィ⌒ヽ⌒´  /⌒`- ´'⌒ )―------――く_ノ
     `ーゝィソノ  ̄ ̄ヾy_ノ--ー"




          ____
        /      \
       /  _ノ   ヽ_ \         このままよそに引っ越して、何か新しい人生でも探してみようかと
     /    (●) (●) \      あてのない発想を抱えて町をぶらついていた時のことだった。
     |       (__人__)    |
      \      ` ⌒´   ,/
      /         ::::i \              ふとした町の声がやる夫の耳に入る。
     /  /       ::::|_/               ともすれば、上の空で聞き逃す寸前だった。
     \/          ::|
        |        ::::|
        i     \ ::::/
        \     |::/
          |\_//
          \_/

144 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:24:22 ID:NAddVe0k

  |         |  |
  |         |  |_____
  |         |  | ̄ ̄ ̄ /|
  |         |  |   / /|        どよめきと町を駆けて行く人々の後ろから、サイレンの音が聞こえる。
  |        /\ |  /|/|/|          数十年の人生の中で何度も聴いた、消防車の叫び声だ。
  |      /  / |// / /|
  |   /  / |_|/|/|/|/|       どこかで火事が起こったんだろうなと気がつくのに時間はかからなかった。
  |  /  /  |文|/ // /
  |/  /.  _.| ̄|/|/|/         Λ_Λ
/|\/  / /  |/ /           (__;)
/|    / /  /ヽ            /´    /つ
  |   | ̄|  | |ヽ/l            `/    ヽ
  |   |  |/| |__|/   Λ_Λ     / /(_)
  |   |/|  |/      (; ´∀`)   (_)    Λ_Λ
  |   |  |/       ⊂/    つ         (・ ;  )
  |   |/          /     ヽ         ⊂(    )
  |  /         /_ノ(_)          ┌|     |
  |/          (__)             (_ノ ヽ ヽ
                                   (__)





          / ̄ ̄ ̄\
       /─    ─  \       いつもなら野次馬根性もはたらかずに聞き流していただろう。
      / (●)  (●)  ヽ
       |:::⌒(_人__)⌒:: u |`ヽ              だが、この日は何かが違った。妙な胸騒ぎがする。
   ,ィTl'ヽ\  `⌒´    /`ヽー;、            人々が駆けて行く方向に向かって足を進めてみる。
    kヒヒど, ((        (({⌒Yィ 、 ソ
      `´ ̄ヽ      ハヽ/`^ー′
           ヽ   ` /  '}
            >   /ごノ
        __,∠     /
      〈、    /
       \、__ノ

145 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:24:37 ID:NAddVe0k

...┗=|=|..:::::|      |┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬|
   | .|..:::::|=┛ /| |┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴|  |゚\
   | .|..:::::|   | .::| |┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬|  |.:::::|
   | .|..:::::|   | .::| |┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴|  |.::|\      見慣れた街道が続くにつれて、嫌な予感が大きくなる。
   |=|..:::::|   |/ . |┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬| . w|  |    足が次第に速くなる。気がつけば小走りだ。
   |.└‐┤      |─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴|   . |  |
   |   |      |                      |   \|
   |.______|      |                      |             『この方向は、もしや……』
   |:::l l l |     /                     \
   |:::l l l |   /                        \
   |.┌‐┤ /                           \             思えば思うほど、胸の鼓動が速くなる。
   |::.|゙文|/                              \
   |.└‐┤                                 \
   |   |                                   \
 ../|   |                                    \
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 . . . . . . . . . ./  |  |. . . . . . . . . . . . . . . . . . γ ⌒ ⌒ `ヘ. . . . . . .
.        |・  |  |/|\. iト、    . イ,,,, ""  ⌒  ヾ ヾ . . . . . .
        ___| / :|/   !  \| /゛゛゛(   ⌒   . . ,, ヽ,,'' ..ノ )ヽ. . .
       |\|Y/:| ,ィ ............. (   、、   、 ’'',   . . ノ  ヾ ) ........    やがて火災現場に辿り着く。
       |下\Y'i| :.:.:.:.:.:.:.  ゞ (.    .  .,,,゛゛゛゛ノ. .ノ ) ,,.ノ........... ........
       |___| / i| ::::::::::::::  ( ノ( ^ゝ、、ゝ..,,,,, ,'ソノ ) .ソ::::::::::::::.......::::::        真紅の住んでいたマンションが
       |\|Y/:| レ ::::.::::::::: (、;''Y ,,ノ.ノ ,,, ^ ^,,,;;;ノ)::::::::::::..::::::... ,,,,::::::        炎と煙に包まれていた。
 | ̄|┐i_ |下\Y'i| ,ィ ::::::::::::::. ( '''y ノ (''、,ノ)ノ ::::::::::,,,,,::,,:::::
 |  ||l |___| / i| レ  l :::::::( (,,,人、...ノ ) ::::::::     | ̄|\   __
 |  ||l |\|Y/:| ,ィ  ! ト、. ::'''(, イ")´ノ;; :::::   ______|  | |i|  ,ィ:i |
 |   ̄| ...|下\Y'i| レ  l  \i ゛(’从 / ,,, ノ :::: _三三|  | |i|壬壬i |
  ,ィ 、   |___| / i| ,ィ  ! ト、.   i\ ( ,从 ノ| ト、| ニニ|  | |i| ̄ミi:! |
//.: .\ |\|Y/:| レ  l  \i   \\ \i | \ 三三|  | |i| ̄ミi:! |--
⌒` ー-. 、.|下\Y'i| ,ィ  ! ト、.   i\ \\  | ト、| ニニ|  | |i| ̄ミi:! |
 /王王::|___| / i| レ  l  \i   \\ \i | \ 三三|  | |i| ̄ミi:! |
´王王/:::|\|Y/:|     !     i\ \\  | ト、| ニニ|  | |i| ̄ミi:! |

146 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:24:59 ID:NAddVe0k
         ____
       /::::::::::  u\
      /:::::::::⌒ 三. ⌒\        真紅が引っ越したという知らせは聞いていない。
    /:::::::::: ( ○)三(○)\      真紅の住んでいた部屋は8階。最上階だ。
    |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒  |
     \::::::::::   ` ⌒´   ,/               マンションの周りには、救出されながらも我が家を失う
    ノ::::::::::u         \            絶望に嘆き悲しむ人達で溢れている。





        |  ! |l,ィ^h.、     :::::::::::::::::::::::::............
       | !( { { | | ' _,   ::::::::::::::::::::::::::::::............
      !.| |_\  ヽ、    _,. <._| !:::::::::.::::::::::::::::::....................   その中に真紅の姿はない。
         !/〈.:.:.Y_>、 }、 ̄´::::::::::::::::::::::::::.........              今日はたまたま出払っているのか?
       ム-レく.:.:.:_}ノ:@;:ニ、;:;:;//;:::::::::::::::........................
     _,.∠=ニ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ニ  V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:::::::::::::::::::............      もし、そうじゃなかったら? 逃げ遅れていたら?
    `ーニ二_‐ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:(゙こ::::::::::::::::::::::::............
     <:.:.:. ̄} .:.:.:.:.:.:.:`} ノ:.:..:.ハ V:.:_:::::::::::::::............                    突然のように、やる夫の胸の中を
      |_>'7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:::::::::::::::::::............                            真っ赤な戦慄が覆い尽くす。




              ____
                /    三三\
           三  ι \ 三/
             三  .   ( ○) (○)'      バケツいっぱいの水をかぶって、
           三   u   (__人__)  |       消防員の制止も聞かずにやる夫は駆けだしていた。
            三    .  ` ⌒´ /
              r⌒ヽ  rヽ,  }           濡らしたタオルを両手に握りしめ、真紅が住んでいた
            三 ι  i/ | ノヽ           803号室に向かって階段を駆け上がる。
            三   三   /    )≡
           三  三  /   /≡
         ニ三   ./   /
        二≡、__./    /、⌒)
        三          \  ̄
      三     /\    \
      三     /ニ ヽ 三   三
     三    /  ニ_二__/
     三  ./ .
   ≡  /  |
   ≡ /
  三_ノ

147 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:25:26 ID:NAddVe0k

                                            / ̄ ̄\
                                          \三_ノ   \
  その階段の途中で、真紅を背負った真っ青な顔の            (○)(< )   |
  青年に出くわした。大量の煙を吸い込み息も絶え絶え、       (__人__);;;;;;;    |
  死に物狂いでかつての恋人を背負い、重い足取りで        (|r┬-|    u  |
  歩く青年に、やる夫はかつての自分を見たような気がした。    {`⌒┃  ;;;;;;; |
                                          {    ;;;;;;; ノ
                                           ヽ     ノ
                                           /;;;;;;;;   \
                                          i #;;;;;;;;    、\
                                          |   !    /__}
                                         ,-| . |ー-、/ ゞノヽ
                                        {_ i、___,l   |    |
                                         )ソ(___i)---|    |
                                                ゝ-i--i´
                                                  `-゙




         ____
        /     \
      /  u   ノ  \          誰よりも真紅を愛してやまなかったあの日が自分にもあった。
    /      u (●)  \
    |         (__人__)|       彼女を背負い懸命に足を進める彼の姿に裏付く強い意志は、
     \    u   .` ⌒/        一目見た瞬間にやる夫の心に焼きついた。
    ノ           \
  /´               ヽ

148 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:26:22 ID:NAddVe0k
          ___
         /     \
       /  \三三/\       やる夫は握りしめたタオルを青年に渡し、真紅の口を塞ぐように言った。
     /    (●)三(<) \
      | u     (__人__)     |       自分が駆けあがってきた道を、ここからならきっと出られるからと言って
     \     ` ⌒ ´   /     青年を導く。赤い光に包まれたマンションを二つの影が走る。
      ノ          \
    /´      _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
    |    l  ( l / / / l                          / ̄ ̄\
     l    l  ヽ       /                         /三_ノ    \
                                             ( (○ )    |
                                             (人__);;;;;;;;;    |
                                           |⌒┃    u  |
                                              |     ;;;;;;;; |
                                              ヽ  ;;;;;;;;;;;; /
                                            ヽ      /
                                                >     <
                                            |      |
                                             |     |





      〃        〃
         , -─‐──‐-、
          /        ゚    \            炎でいっぱいの光景が終わりを告げ、夕暮れの街の暗さが目の前に
       / ;  ゜      °  \         広がった時、やる夫と青年はその場に突っ伏して倒れた。
      l  U      ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l⌒ '"⌒ ヽ、
       |;;;;;;;;;;;;;;;;;;    u.    ;   |ー       \               青年の背中に背負われたままの真紅の口から
.      ! u. _ノ′ヽ、__   ∪           ,;   \ ,rー、       かすかに息をする音が聞こえ、意識を失うその寸前に
        ゝ ((-‐)  ;;;;;;;;;;;)::  i'′⌒ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ      やる夫は心から胸を撫で下ろした。
       (  ヽ'"(__人___)"'__ ,ノ ヽ、____"___,、___ソノ__ノ

149 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:26:42 ID:NAddVe0k
            ____
          /      \
         /─   ─   \        気がつけば病院のベッドにいた。
       / (●) (●)     \
       |   (__人__)        |           隣のベッドには、あちこちあざだらけで、
       \   ` ⌒´      _/         美しい顔立ちもどこかやつれた真紅がいた。
        / l        ヽ
.       / /l       丶 .l
       / / l        } l
     /ユ¨‐‐- 、_     l !
  _ /   ` ヽ__  `-   {し|
 /          `ヽ }/
            / //
  ,,, __ ___ _/ /_/





                    ,.ィ≦三ヽ、_
                 ,..::'´:._j三三三ニ廴
                  /:r'二´三三三三二}
             /:.:.:.:.)三三三三三三く_
     rー-v一'⌒ヽノj:.:.: , イ  ̄ ̄` <三三三ニ)
     |匸7:.:.:.:.:.:.:/_7:.:/:r┘/        ヽ、三〔_
    /人/:.:.:.:.:.:.ハ7:.:.:.:.:.〈  ′     、   ヽ三フ
    \V{:.:.:.:.:. /ニ7.:.:.:.:.:_:ノ, l  |    、ヽ  ヽ ∨ 〉
     └う:.:.:.:.{三{:.:.:.:.:.:ヽ l | lト、\ヽ ヽ` 、`、Vニヽ、         「あなたが……助けてくれたの……?」
    / {:.:.:.:.:.|三|:.:.:.:.r‐'∥ l | ',丶 l 川 l | l | !  ヽ\
   // ∧:.:.:.:.l三l:.:.:.:ヽ |ヽ」斗-ヘ }ノ,エZ{ノ/リヘ\ \ヽ
   | l / ヽ、:.:Vニヽ:.:r个ト,ィfl圷  ` 化ノケハ   `ヽ>└′
   l|,'   「ヽ{lHlリ:{ 小 ` ゞ ′     八ヽ\
   |V  ,'  l| | ` <7/ | lヽ、u  , .′, 仆 ヽ \ヽ
    `7 /  ,イ |    l├ヘヽ―ヘ、__,.:'⌒ヽ `、`、 ヽ\
    /   / ||   | |:./ヽ\::.::rヘ::.::.::.::.::\ヽ \ \ヽ
   ,' ′ / /|| /ヽ\::.::.::.) ){廴r-、__::.:rく  \ ヽノ /
  / /    /ハ !/:.:.:._:_;>=≠-‐、::.f‐ミ ヽV  \ } 〉 /




          ____
        / ─  ─\
       / (●) (●)\          やる夫の思考回路は速かった。ここで『うん』と言えば、
     /    (__人__)    \      真紅の中での自分の株は急上昇間違いなしだ。
     | u    ` ⌒´     |
     \             /              もしかしたら、あの時見た青年を差し置いてでも、
     ノ            \                真紅をよりを戻せるチャンスかもしれない。そう思った。
   /´               ヽ
   |   l              \
   ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
    ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

150 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:27:22 ID:NAddVe0k
           ____
         /       \
        /       ― ヽ       「……違うお。お前を助けたのはそこの白長だお。
      /         ( ●) '、
      |             (__ノ_)     そいつがお前を背負って、必死になって走った姿をやる夫は忘れんお」
      \            `_⌒
      /           \





          |!. ) .|: : :.|. /了, l i i i. i!   iト、 i! i! ハ  l l\\
.           i!>廴, ヤ: : ヤ   r'゙|゙ | | i 乂.    i!、ヽi! i!. ハ   l l\\二二二フ
       /i!   辷. ヤ: : ヤ 〈 ト、 i人小、_.∧  ハ .ハ斗孑l  イ ト、. \\
       /  i!  ,イ| |〉ヤrミx 「 |^'孑'斗千ァゝ\ハノ 斗rァjノ从ルヘ ハ  \二ミ''X___
.  //   /   //.| |\(辻))|. ト、,斗'ラ豸> ::::::::::::::: ヤ為>∧ \)) ))       \__」
. //   ./   // //   \乂イ ハ ヘ弋彡タ, :::::::::::::::::: 込タr' i! i!(( ((              「やらない夫……」
.  ̄     /  // //    `''/ムハ. ', ´¨`       ,  ¨`/   i! i! 辷ニニ==ュ
       /  //彡゙       //⌒ハ  ', u     ‐   /_  i! i! \ \ 《《_
  ,.-‐X./  //.        (.(.  「Y〉  >'´\ _´_, <´^. : :\乂\. \ \ミニハ
// /  /イ         ).)/ r'゙ X \: :.〉 \(辻)) .〉/ : :\\\. \ ゙'ノノ
/  ./  //.i          辷二ニ====ュ\: : ´ミ彡゙X: :   : :/ 辷,、二ニ====ュ
   /  //|. !         /: :ゝミx‐‐‐-彡゙//: : ∨ : : \   /\ 廴,、-──‐-、ミ)
.  /  // .|.ノ      /,イ: : ^Xミ二二二ニニニミx.、 ∨  : : \/  : :\,、──‐辷彡゙\___

151 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:27:44 ID:NAddVe0k

       / ̄ ̄\
._     /;;;;;  _ノ三\   __
| |======| ;;;;;;;  ( #;;)(ー)===| |     真紅を挟んでもう一つ隣のベッドに寝ていた、やらない夫と呼ばれた青年は
| |     |  u  (__人__)   | |     真紅以上にひどい火傷で、未だに炎に包まれた悪夢にうなされているようだった。
| |     | u     ` ⌒´ノ   | |
| |____| ;;;;;;;;;;;;;;;    }__| |                彼女を助けるために、どれほどの痛みと熱に耐えてここまで
| |\ ( . ヽ  ;;;;;;;;   } ヽ  \              辿り着いたのだろう。同じ炎の中を駆け抜けたやる夫にさえも、
| |  \ヽ   ヽ     ノ  )   \                 その壮絶な覚悟は想像できなかった。
| |\  \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ
|_|  \  ヽ               \
    \  \               \
      \  \               \




          ____
         / ―  -\
       /   (●) (●)           「そいつが今の彼氏なら……大事にしてやれだお。
     /     (__人__)  \
.    |        ` ⌒´    |       お前を心から愛してくれる、素敵な素敵な男のはずだお」
    \             /
    ノ           \
  /´              ヽ
 |    l             \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

152 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:28:12 ID:NAddVe0k

\  ヽ!   |  ! !  |        /         ゚。// , イ/彳  ! l:::
_`ニ=|  |  l | ι     、   '´          ,イ l イl l  |:::!   ! !:::
::::::::::::::!  |\ ! l       ` -       /イ /  l !|  !::l   l l:::/            「うん……」
⌒l:::::::|   !--ヽ! |                 /´ !/!  ! ||  !::|   ! レ
、 ヽ´|   !  | ! |           _, '´  〃 l  l  || l:::l!  |
 `´ |    ! l  | !` ト __ .. -‐=ニ´、   // ! l  || !::||  !
    ',    ', ! | !  Y´`ヽ‐、    \> //|   l   || ,ヽ! !  l
    ヽ   ヽヽl l   Yrゝ〉ヽ}   / \l l !  |    ||' / l   ',




         ____
       /      \
      /  ⌒    ⌒\      最後の――本当に最後のチャンスを棒に振った実感があった。
    /    (⌒)  (⌒) \
    |     ゚  (__人__)゚'  |
     \   ゚   ` ⌒´  /               だけど、後悔はなかった。
    ノ           \               真紅が言っていた『社会に受け入れられる誠実な人』は、
  /´               ヽ                評価すべき人を評価せずに自分の株を上げるようなことはしない。
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))




           ____
         /       \
        /       _ノ ヽ           そんな社会人を目指してきたはずだったのだ。
      /         ( ⌒) '、
      |             (__ノ_)      心残りはあったが、これで良かったはず。やる夫はそう、心から信じた。
      \            `_⌒
      /           \









.

153 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:28:35 ID:NAddVe0k



















        ____
     /     \
    /  ─    ─\        「………………」
  /    (●) (●) \
  |       (__人__)    |
  \        |\  / /|
  /     /⌒ノ  \/ ( )
  |      / / |       |

154 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:29:11 ID:NAddVe0k

.          ハ/::.::.:|::.|::l::.::l|:: ト:レく::.::、::.:lハ
         l {::.::.::.l|::|::|:::/|l:::| l|x=ャ、|::.:l}::.ヽ
         | l::.l::、::Vィ7厶lハ:j ヘ:::ノ!|ハノ|::.::.:\
         `T:ト、:ヽヽれ:::〉  ,  "リl ノ:_::_::_:::ヽ、              「――何見てるんですか?」
.            ヽ:::ヽ::\ミ`゙  <__} ,.仏 ト{ r'´: :`丶ミー--冖、
              `ヽト、`丁≧┬r彡' _」/ ヽ: : : : : : : :`: : :八:_ヽ-ュ             /^h
             j:::} }:」 rー≠()く⌒ヽ  \: : : : : : : : :/イ l「 ` ー--―rv、  / //
             /:::| /: r1V/ノlト、\_}\ >r  ̄、l ,‐┐ヽV | |        { l|冫´-クノ
               /::.:「//: r1イ / |:ト、\   `丶、 /|ヽ }_:_:;:ィ! Y¬ー- 、  }||廴/
           /::.:rく: : : >}{// |::Vヘ }  r-vハ ̄`ヽノ::.::∨ト、ハ\    ̄
          /::.::厶: ヽ:勹 ,'::|  ヽ:∨乙ヘノ, イ::.:丶、 ::.:::\::.:|: : /〉 〉
         /:::_r1{><\/:7::::トヘr-ヘ:\r-'´≧ヽ、__::`ヽ、::.` | :〃:/
        /r‐'´※ ハ|: : ハ{:_:_广:;ゝ二ニこr'′: : : :Y>、::`丶、V/ト、
.     /::.::;ヘ _/   ヽ/: : ∨_/: : `ヽ「∨: : : : : : : : \}\::.::.::丶、::ヽ




          ____
        /_ノ  ヽ\
      / ( ●) (●)、        「真紅の奴から結婚式への招待状が届いたんだお。
    /::::::::⌒(__人__)⌒\
    |      |r┬-|    |          まーったく、あいつら付き合いだけは長かったくせに
    \       `ー'´   /           結婚に踏み切るまでが遅すぎだお」
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ





       〃 i::|::l::i::.:l::/:::/;:イ::.::/:/// >く::\::.:VXXX) イ
      |  | |::l::|:::<:/j/::.:/イ:/ '´,ヱ、)\::ヽ∨XX }:!::|
        ! '.:い::,:イlうミ/ // ,ヘ:、::j:}》ヘ::Y::ハXX/::l::|
        ヽ>く:::爪ノr个 /    ゙ー ′/::ノ:/XX/::.::|::|
          ` }ヽ::.:` ゙ ''′  、    '"ー=彡'XX / ::.:::l::|        「まあでも良かったじゃないですか。
         /:l|:::|l:ヘ.'″  r ^,    ,.イXXXX{::.::.::.:|::|       これであの子たちも円満家族です。
          /::.;'::.:リ::|X> 、  `    / ノ XXXX)::.::.::|::|
        ,厶/:_::/::;'XXXX7¬‐ '´ /XXXXX}i::.::.::.:|::|         やる夫だって、それを望んでいたはずでしょ?」
        / /`ヽ)/XX, -_‐=ミノ_r┴<XXXX7:l::.::.::.:l::|
      八  '´_ ⊥7}{ {  ,ィ::(/'⌒ヽ`YXx/::.:|::.::.:::|::|
     '::.::ヽ    r、){ ヽ)//:;ノー 、`  八X|7う、::.::.:!::|
     /::.::.:)'^う`)ヘJく)    /:/>'´   , 'XXx|[_): :l::.::.:l:::!
   /::.:/; てh_n_n_}    /:/r{_r(_r、∠XXXx|ノ: : :ト、:::|:::l
 /:,::/ :/: :r′   !_)  /:/)ヘn_n_n_JXXX7: : : : : i::l ::|

155 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:29:33 ID:NAddVe0k

         .____    .i^マ'フ
         /⌒  ⌒\  レ' /
       /( ―)  (―) ./ ,イ ヽ、         「まーそれ以上に今はほっとしてるお。真紅とはいろいろあったし、
     / u   (__人__) ./ 、 /ーヘ_,.ヽ,
     |     .´ ⌒` ./ 、\`ヽ´__ .`t     結婚式にも呼ばれねーんじゃねえかってビクビクしてたし」
.     \      .../   ヽ r'´_}__,   {
            ./  {'T /`7/ _,ノ  !
          .-'     `7'/ヽY´   |





       /         jj   /   /     ノ  | li   ヽ
      / -- 、    {{ ※/    ,'  / / /j川
     < ̄ ̄/\   {{   ′   ̄7 <  / / 〃ハ     |
        ` /   \ {{   |    斗=≠へ/  / /∧l    !
         /     / {{ ※|    ヾ了::::卞ミヾメ,.  // 」l_   ;       「何をバカなこと言ってやがるですか。
        ./     !   {{   ヘ     | しクj     / ィ≦ハ  ′
       〈     |   {{   ト   ヾーく      fネ〉 / /         翠星石は見てたんですからね。やる夫が危険を
  「 ̄ ̄ ̄ ̄  ‐-  _ {{ ※ }}ヽ   {         ヽ'/'/ /        顧みず、あのマンションに飛び込んで行った姿。
  ト  ____        ‐< }} \ \    _ ' イ jノ
  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....    `  、 `  \ /}/  イ ノ          そいつを結婚式に呼ばない不届者は
  ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....  \     ー' / 〃              翠星石がひっぱたいてやりますよ」
    ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......\_,  <,, 彳
    ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`</ /
    〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`Y
    .〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -‐¬冖  ̄ ̄ ̄\




          ____
        /      \
       /  ─    ─\        「あんま恥ずかしいこと思い出させねーでくれだお。
     /    ⌒  ⌒  \      命ブン投げた割にはたいしたことも出来ずに出てきただけなんだから。
     | u     ,ノ(、_, )ヽ    |
      \      トェェェイ   /         しかも動機がかつての彼女だからとか……未練がましくてカッコ悪すぎだお」
       /   _ ヽニソ,  く

156 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:29:59 ID:NAddVe0k

  ヽ  j    `   /: . : . : . : . :/: ; : ‐''´: : : :/ l : : : }: : : ヽ
 ̄丁ヽf      _/_:_:_:_:_:_:;;..≠、ニ -‐ フ´: :/  / : . : l: . : . ヽ
三/:.:.:.{  、h,.  l:.:.: : : : : : :/ _ ..``' ´‐< ,, _ ../::イ:.:../: . : . : .l
;;/:.:.:.:.:.} ⊂,. 、⊃{:.i:.: : : : : ´l `了''ゝ..、ー 、 _/ノ/: /:.:.:.: }: . : . !
: :.:.:.:.:.(   J   |:.l:.: : : : :l: |    { ノ:;;jハ ´   /:Xl l:.:.:.:.l : l. .:l     「いいじゃないですか。
:.:.:.:.:.:.:/     ヽl: : : : : |!:l    ヾ'ソ     ノ _`ヘ:.:.:.:./:.:.:l:./        翠星石は、誰かのために命張れるやる夫も、
:.:.:.:.:.:.ヽ  「!   トヽ: : : : lヽ           が;、∨:.:.:.;jノ        やらない夫さんの尽力を認めて立てたやる夫も大好きです。
:.:.:.:.:.:.ハ ⊂,.、⊇ {  \: : '、             、 じ'/:/:.:.:.∧
:.:.:.:.:/:.:ヽ lJ   |: : :.丶、\            ノ:.:/                   そうじゃなかったら、今だってこうして
:.:.:.:./:.:.:.:ム    ヽ: : : .  `    ヽ、 _   人/                  あなたの隣にだっていないはずですよ」
:.:./-‐≦ヽヽ  r、 }:: : : : .        ..ィ:::::::}
´〃     { c X'' ヽ: : ヽ:.:__:_ .   , イ:.:.※:.:.:}
 ll       ヽ ヾゝ ト、 /:::::.:.:.: ̄丁::l ヽ: : : : ノ
 l!      {    `ヽ Yハ:::::.:.:.:.:.:.l: : |/{: . 〈
 |       ヽ  fj  }Z´斤\:.:._:.:l: : .|  ヽn, |





.      /::ィ::::::/:::::イ:::::/::/::::::::::/:::::::/:::::不::<     <    l
     i:/ l:::::{:::::::i:l:::イ::ハ:::::::::イ::::〃::/小:i:::>    >    l
     |l l:::::i::::: A从/_.:}:::::,'::::::::::/ / iハ:::::<    <.    l
     リ !:::::l:::::ムi:l/ミ、i:::/::_:::/- /-、l l::::::>    >.    l     「誠実な社会人を目指してきたんでしょう?
      ∧::::';::::i企忘ァイ-' '´ _〃==、.Ⅵ}     <    l      今のやる夫はそういう生き方が出来てます。
     ,':::::ヾ:,::::lゞt;;;jソ     イ芯示;》、>     >    ハ       胸を張って下さいよ。
     i:::::::::::Y',ト、  ̄      弋;;;ン/ <     <  i   l
      l::::::::<  ', `"" `_        ̄ィ::/      i    l   l        だからこそ真紅ちゃんも、一度別れたあなたを
.      l::::::::<  ヽ     ̄   "" /ユ    /ニ=-..t-ヘ  .l          今では大切な友人だって言ってくれるように
     l:::::::::>     >.、    _ ィ   _/`:i::::::i::::::|  \ .!          なったんじゃないんですか?」
     |:::/`    、.}:i::::`:-::::iィ=yγ  __/::i:::::::::l::::::l::::::|    `
     l:ノ     イ::l:l::::::/⌒り'フ´  ノ:::i::::l:::::::::l::::::l::::::|
   _ }´    r'´:::/::lィ<ーY: /  </::::: l::::l:::::::::!::::::l::::::|




          ____
        /      \
       ─   ─    \               「翠星石……」
      (●)  ( ●)      \
      | (_人__)        |
       \` ⌒´       /
        / ー‐       ヽ
       /            `

157 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:30:16 ID:NAddVe0k

                __,. -――- 、、_
               ,ィ'-'"´⌒^^⌒`丶丶、
              〃_r冖'⌒^^⌒'ー、_`ヾ'、
             /{ノ         ) ヽ、ぃ
            ノ /// / /  /  /}  i`、} 、                  「ね、あなた?」
            \{ l i i,l+‐-/,ィ/‐リ-、 l | |l >
             | l |__l ィ=ミ´ノ ィ=ミ ノ/ , l イ
             从ト トi 、、  ,  、、 メ/ノ,イ lト、
             / ク、下ゝ、 ー一  彳彡イl l lトミ 、
             / ノ/〈`ヽ``ニ=y=<ノ`l '、 l l l \ヽ、
          __/ノ / ,八、 ,'´  /  ヽ 入ヽヽ、l l \\
       , '´イン /r'´、,:'^"'-、_ {、  _l,.,.,._ `ト、ヽ、  \\
      / /ノ / ゝ、 /^'t、,_  `'}ー'"   }  } ヽ 'ー、  \\
    ,イ / ノイ/  l У   `'ー人-‐ ''"~´'、_ノi、丶、 `ヽ、.ヽ ヽ
   / /,r'  ノ /   ,ト/      /三、    ヽーt、 ヽ  ヽ ヽ ヽ
  / / /  ノイ   / ノ      / | | 、    ヽ  l   ヽ  ヽ ヽ ヽ
 l l {   }/   l        / | | | ヽ      ヽ .l   {   〉 ヽ l




           ____
         /       \
        /   ─     ―            「……うん」
      /     ( ⌒)  (⌒)'
      |         (__人__)  |
      \        ` ⌒´ /
      /       ー‐  '





        \_                         /        /
          \_                    /         /
            \                   /        /
             \               /         /
                \_               /        /
   \_             \___        _/        /
     \_               `ー- 、/          /
       \_                /          /
         \              ヽ    /    |
           `ヽ              \_ /       /
             \                 ヽ_      /
              `v-、            /    /
              〈  〉__          /ヽ  /
               ̄〈   `ヽ       |   ,イ
                 `ー--く      ゝ一' ノ
                  (   ヽ---――ー'´
                   ヽ-'

158 名前: ◆A3dT8T8alc[] 投稿日:2010/08/12(木) 20:30:31 ID:NAddVe0k
          ____
        /     \
       ‐   ─     \      長い人生で、幸せを掴むチャンスは1度しかない――
       (  ( ⌒)     \
      (人__)         |     そう思っていた時期がやる夫にもあったんだお。
       `⌒´         /
       `l          \
        l           \


                                                    ~終わり~









.

159 名前:短編祭開催中だお![sage] 投稿日:2010/08/12(木) 20:30:53 ID:NAddVe0k

以上です。ありがとうございました。
良き夏祭りになることを祈っています。



160 名前:短編祭開催中だお![sage] 投稿日:2010/08/12(木) 20:31:41 ID:lwnrMh4A

乙でした。ハッピーエンドって良いよね。



161 名前:短編祭開催中だお![sage] 投稿日:2010/08/12(木) 20:33:25 ID:Xpj6j4WE






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■御感想or寝言

13621 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2010/08/16(月) 11:55:51 ID:-

乙!
やる夫、最後に救いがあって良かった


13819 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2010/08/17(火) 19:14:35 ID:-

割とこういう話って多いけどやっぱりいいよね!


14362 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2010/09/01(水) 00:19:29 ID:amXlFcx2

途中までは面白かったが、翠星石と結ばれているラストはご都合主義っぽい。
>>153以降は結局孤独のまま誰からも愛されずに惨めに朽ち果てていくほうがやる夫らしいし、リアルだと思う。


54498 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2015/10/31(土) 19:56:39 ID:-

心からの行動が認められる結末があってもいいじゃない
リアルさに拘るなら>>142以降というべき
>>153以降なんて書いてる時点で12687はスタンスが中途半端すぎる


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