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236 名前：どこかの名無しさん[] 投稿日：2010/10/18(月) 22:48:05 ID:l3VR6XLc [1/31]
30レスほど投下します
237 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:48:22 ID:l3VR6XLc [2/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
――昔々、一人の男が女神の怒りを買い、その身に呪いをかけられた。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,r‐┐／)
/ /／／／>
／ イ └'´／
./ .＼_.ンニﾆス_（＼(ヽ
/ ._＿...二つヽ､_(._'弋 ＼＼
（ /oﾟ(（ ●）) (＜）＼`┘ ヽ＼
ヽ .ヽ、 .（__人┌─‐' ／ .ヽ、
＼ ヽ ﾉ （｀¨乙二..＿_／ ﾉ
. | ｀ ⌒´ ｀ー‐- ィ'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
', / | l | | ﾊ |',.l ', ('´ | l | l ,.ィｻ「l_,_」_, ﾊ ﾒl | l,/ ,'| l|
l ∨', | | | |,ｨzx、 |八 、 f{i, l、l /', ,ｨ'´ !,:',ｨ:'"::::｀F/l/ l | / / l l|
| l ',｜l トl、'^ﾍ、l ヽ｛li} |ヽ∨`ﾘ .:,:'/:::::f'i}::::::::}ﾘ/ﾉ l , -┼y' l|
| /! ､N ﾊ. l', {ﾒ､ , -‐fヾ'、j ','、 _'ﾑ:::::::｀'::::; ｲ/ /ん/ / /} |、
|,' | ', ∨'､',| ヽ 仏ﾒｰこﾐ､,ヽ ヾ: ｀" ` ― '´/ｿ |' /`ー;' ,'｜ ﾊl
'/ | '､,ﾄ、ヾハl ｀l_fi,く(ﾝ、ﾘ７ ';, ,' ,' ハ/ l / ､ / l|
,' | |丶/ヽ.｜､｀`>一'_'ノ ' , ﾉｲ /ﾒ/ /⌒ト､ ヽ l|
/,' /| | /丶ﾉ、ゞく{￣´ ` ′ _, ｨ /´l|//ｲＸ! | （_土
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
// | ; | | | ; / /| |
| .|ο| ; .＼＼ .| ; ＼＼ /
＼＼/ ; /＼＼ ; /＼＼
＼/ ,;; ／ ／/ / ; ／／/ /
○。 | ||;; | || ＼＼ ; / / | | ○
。 ＼ . | ||／| || ／／ ; ／／ ／／／
○ 从＼从Ｏ从从/从／／|／# ; ／ / /／。 ○ <<
。 ＼ 从Ｏ从从/ ∧∧／／∧∧ / /／。 ○ <<
＜´ ＿＿＿＿ ｀＞ 从Ｏ从从
从Ｏ从从 ＜´ ／／￣￣＼＼ ｀＞
○ ＜´／／, '⌒ l.r‐-､.ヽ＼ ｀＞ 从Ｏ从从
。 ＼ ＜´／;;/ （;;;;;;;;;八;;;;;;;;;） ヽ;;＼｀＞
从Ｏ从从 ＜´|;;;;（ ｰ-' `ｰ-' ﾉ;;;;;| ｀＞
＜´ ＼;;;;;ｰ┐ (_八_)┌-';;;;／ ｀＞ 从Ｏ从从 ○
。 ＼ ＜´ ／｀;;;;;;;`ｰ┐┌┘;;;;;;;;＼ ｀＞ ／
○ 从Ｏ从从＜´ ／;;;-======| |=====-;;;;;;;＼｀＞ 从Ｏ从从
＜´(__／l;;;;;-====| |=====- |丶、__）｀＞
。 ＼ ＜´ |;;;;;;;;;;-==| |==-;;;;;;;;;.| ｀＞
从Ｏ从从 ＜ | ／￣三__三￣＼ | ｀＞从Ｏ从从 ○
＜´ ＼＼／／＼;;＼／／ ｀＞ ／
＜´ ﾉ;;;;;/ . !;;;;;ヽ ｀＞
○ 从＼从Ｏ从从/从└‐ '´ ｀-┘从Ｏ从从/从 ○ <<
Ｏ ○ 从从从从从从乂从从从从从 ○ 。
238 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:48:41 ID:l3VR6XLc [3/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
男の姿は醜い化け物のそれへと変わった。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ ＼
／（●） （●） ＼
／ ＼
.| （＿人＿） |
＼ ｀⌒´ ,／
（● ）＿__（ ●）
／ ＼
/ γ ヽ ヽ
| （＿人＿） |
＼ ｀ ⌒´ ／
（● ） （ ●）
） ヽ＿__/ （
／ ＼
/ / ヽ ヽ
| ヽ_＿人＿_ﾉ |
＼ ｀ ⌒´ ／
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ﾉ＼ ／＼ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼
/ | | ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
239 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:48:56 ID:l3VR6XLc [4/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
女神は言った。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ﾉム_ / / / ,/ / /
／´⌒ヽヾ / / / / , ' //ﾊ
〃, ｲ, (._ﾚ′ ' ／ ' / /_ _ / /' /j!|!|
|!/ // , / / / ,' ' / ' /⌒ヽ! ////ﾊ!/
|! //__j/_ / ' / / / :| | .' // l l! | /
イ , __´二 T/_,/__ / / j |!,.' /,. '/ ,' / |!'
, ´ ,∠_,. ヽrーr-`===='-/' ///l! / ' /|!
. ,.ｲ /__ ヽ,. lヾ/ / !! '/ ', '//i,' ﾘ/ // ,'j
_j ﾚf7ﾌ }レ/ / Y l,// ,'///i, ' `/,､//
ハ ゞｰ'=_'≦,.イ ,/|! j,/ //// ' // '/＼ 「お前の姿は永遠にそのまま。
..ゞゝ二 _ _∠ｲｬ,|!|!// //// / j__.i! // ,ヽ
ゝ＿__`ノヽ ヾヾ|!/ //'// _,, イ/_.ヾj//､/ , 死ぬことも許されない。
_ _ j ﾉ ' , -/メヾj//
r ⌒ ￣ l l { } | |!'. 呪いを解く方法は唯一つ。
r ゝ ゞ ‐ '.ノ |!
´ ゝ｀ ￣ ,イ 女に永遠の愛を誓わせることだけ」
ﾄ`. ､
ゝヽ.＼ ／
ヽ_'ゝゝ ,. ｲ /
／// /
ィ.7／// /
ゝ_ __ ,..イj ´／., // /
:::::::::￣￣￣￣ フ￣ ｀ヽ / // , / ／
240 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:49:17 ID:l3VR6XLc [5/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
――化け物の姿になった男は人間から迫害を受けた。親友から、母親から、恋人から。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,、 ／￣￣＼
< ,>'＼ ／ _ノ ＼
／ 〉 . | （ ⑪）（⑪）
,,／ / ＼ | . （__人__）
＼ ,/ ＼ ＼ | ｀ ⌒ﾉ
＼ ＼ / ＼ ＼ヽ、 }
＼ | ＼／／, ヽ._ ﾉ
＼〉 〈 ' ／ ／ 〉ヽ
／ ＼ /、 ＼
/ `ー‐く ＼__ﾉ⌒',
{ ／ ＼/ ヽi
ヽ＿／ 〈 / , 〉
ヾ_/ /＼
`‐ ＼ >
γ::::::::::::::::母::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ
（:::::::::／ ＼ ／ ＼:::::::）
＼:／ <○> <○> ＼ﾉ
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ／
＼ (_＿ノ
,. ´￣￣￣￣｀丶、
＿＿＿＿ ,. ´ ＿, --一- ､_＼
l ,. -‐ ´※ 米 ｀ ヾ、
＼ / r ´ ＿,. -匕￣￣｀ｰ ､ ※ﾍ
＼ ＿／r‐┘r‐ ′ }丶、ﾊ ､
＼ />､ _ﾉ ／ ／／ _ ノ l V∧＼
/｀ { / Ｘ ∠ _ ´ / / |＼}／
,′ ｆ / / ／ ／／ ∧ i ﾊ ﾍ
/ _」 ,′ ! ∠ ＞--ィ_, ｲ ／ / ハ | l ﾄ､
/ ｛ l l 卞ﾃ=rミ ／ / ／ ､{ }＼ / } |
/ / f ﾊ ∧ 弋tツ ﾉ ／´ ミ二' 7 ｧ ､ ﾘ｀|
/ / } ゞ､ ﾄ､ 下りｱｲ / ,イ/ |
/／ ( ※ ∧、 ＼_ ,! ￣/ 〃 ／/
241 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:49:40 ID:l3VR6XLc [6/31]
r‐ﾆ ヾ,二ﾆY /{ ※ ! ＼ 7 ￣/ / ! {1
|{i⌒)）| |!;i| f㍉rう.1 + } ＼__1 '､ﾘ / } + f |
ヽ` ´/r}-‐ｫ }| rf´￣￣}、 ) x=＝0==＝=x Y 1ﾊ
|(_)i :|iL c| ﾚ 7 :.:.:.:.:.:.:＼米ﾍ、{{ //{1ﾄ､ }_) }} ! { ,
`ｰ､シ::i_ :|.{r .f:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}､ 1ヾ__f1 |!{ ゞ＝=xｿ ヾﾍ ∧
／ { ´| | ):i ゝｲｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l _）､ﾍ、￣ |､}､ ＼＿} ＿_ ＼__'.
／ `ｰ|__|:i:i ﾍ.|'::iﾄ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| 7 ＼'､ |{{ ﾍ l7_￣ ﾄ､ 丶､__
, ′ {:( ソ,| ﾉ:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.ﾉ{_! l,ﾍ | 7丶､ Y＿ }＿※ ｀ｰ ､__
/ ／〉{￣￣ ｿ;/ ヽ }: .:.:.:.:/::::ﾊ } +＼ ､ 7 fゝ､ ＼}_ ＼}､_ 丶__
,′ （ ';(￣￣ﾉ´ ﾍ.:.:.::.:/! ::::: fヽ _ ) ∧ﾍ}}_ //fﾍ } 7_ ﾍ ー┐ ※ }
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
石を投げられ、男は泣く泣く故郷を後にした。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,_⌒ヽ γ⌒_ヽ
〈○ ﾉ＼ ／＼ ○〉
ヽ彳ﾟ ヽ / ﾉﾉヾllﾌ
. ） ） Y ｡（.ﾉ （ lj
／{ ｛⌒ ⌒ヽ＼ﾟ｡
. /. 〉 〉 |
. | し'_＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
/ く
242 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:50:01 ID:l3VR6XLc [7/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
行き着いた村で迫害を受けた。次の村でも迫害を受けた。その次も。次の次も――。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／::::::;:::::／:::{: :/: : : : : : : : : : : : :/ |: ::| | ｀ヽ、:::ヽ､: : :}ヽ、::. : . . .ヽ、
◯:::::::〈／:::::::::∨::::/.７::/ ７: : : : :/ |: ::| | ∨: ::ﾍ: ::| ,}: : ::､: : : . .＼
＼／:::::::::::<＼:::/ /::/ ./: : : : :/ |: ::| | ∨::_:ﾍ::｀": : : : :ヽ: ◯￣
〈:::::::::::O::/＼_／:: :＼￣ /::/､ |: :ｊ | ∨: : |: : : : : : : : |:: . .ヽ、
＼:::::::::/: : :／ ~＼: ::￣:.:/ ＼ |;/ | ／ ∨: :|: : : : : : : : |:: : : . .
＼:/::: ::ヽ／＼/ : : : / ＼ / ∨:|＼: : : : : : ﾄ､: : . .
／/: : ;ｨ': : : : : : : : : / __ ､`ﾍ/ ノ ＿j;/_ .∧:.: : : : :| ｀ヽ､:.
／::/:::／:|: : : : : : : : : :ｊ､r'"´二ﾆヽ､ヽ ,'",ｨ'"-‐ﾐ〈´ﾊ::|ﾍ: :o : :}
o／／/／:ヽ:|: : : : : : : : : :|ゝ'´ ､丶ヽ＼＼＼＼＼ヽ丶 λ}::| ∨: :/
//´ ｊ:'´: : : |: : : : : : : : : ::| _＿_ ' {ノ:::| |:.:/
// |: : : : :|: : : : : : : : : :◯ ,.'´ `‐-‐-..、 o j:: : :| ｊ/
|:| |: ;ｒ-‐|: : : : : : : ∧:.:|∧ / :::} .ﾉ:: : :|､
|| ,-‐'´ | : :.:／ヽ:/: :ヽ:|:/ヽ、 { :::ﾉ ,,イ::◯::||| ｀ヽ、
||,r'" |;／｀＼: : : : :.:|' |｀＞ゝ､‐-──-,-‐'´/ |::ｊ: : :||| ｀‐-､__
／ ,-‐ヘ､:０ ＼: : :.:|: | ,／ ￣￣ ｀ヽ_ノ /|ﾘ: :/ ||､ ﾉ ﾉ~ｊ (⌒)
243 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:50:23 ID:l3VR6XLc [8/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
迫害を受け続け、住む村を変えながら、それでも男が人里を離れることはなかった。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
呪いを解きたいという願いもあったが、それ以上に孤独に耐えられなかった。
たとえ忌み嫌われようとも、誰かの傍に居たかった。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,⌒,ヽ γ⌒､ヽ
〈／●ﾉ＼ 人● ヽ〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼
/ | | ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
244 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:50:42 ID:l3VR6XLc [9/31]
・ ━ ━━ ━━━ ━━━━━━━━━━━━ ━━━ ━━ ━ ・
… ─ ── ─── ────────── ─── ── ─…
…… … ──────── … ……
￣￣￣￣￣
.
245 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:51:01 ID:l3VR6XLc [10/31]
＿＿＿＿＿
…… … ──────── … ……
… ─ ── ─── ────────── ─── ── ─…
・ ━ ━━ ━━━ ━━━━━━━━━━━━ ━━━ ━━ ━ ・
.
246 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:51:44 ID:l3VR6XLc [11/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
――幾百幾千の冬を越えた。男は化け物のまま。男を愛する女は現れない。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,' ⌒ヽｒ ⌒ヽ
!､_ ,il、 ﾉ
|::: |_| |_
/:::::::::: ｀ヽ、
{:::::::::::::: .i
{::::::::::::::::: .l ....:::,,
‘、:::::::::::::: ノ ,）:::::::ノ
_i::::::::::: < （:::::ソ
/:::::::::::::::::::: ヾ、 ,ふ´
-―――-|::::::::::::::::::::::::: ＼ -――,ノ::ノ――
|:::::::::::::::::::::::::|ヽ、 '⌒)━
247 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:52:01 ID:l3VR6XLc [12/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
――ある日、男は一人の少女に出会った。森で獣に襲われているところに遭い、身を挺して少女を助けた。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
__rｚrｚｘ
, :'´: :Ｖｌ: : : ｀＞､＿＿ ＿
r＜: : : : : : :!}__; :斗-┴'^⌒ ＜: : ｀ ヽ _
ヽ: :｀ :_:_r=彳 / / ハ ｀ヽﾉ/::｀ｰ､
_＞'´／ / / { ! ｌ ｌ| ｀ヽ::.:::|
ん､:_:厶 イl ,ノ≠彳´lﾄ､ /1 ! ､ :|
, '′ /,小 { jﾚ'爪う ヽ ｌ /弋､| l}:::l
, '´ ／/ い ＿〉ヽごつ::::::::j／::孜x! 人ﾉ
. / ／ rく二￣＿_了゜o″:::::::::::,:::::じっｲ
{ r┴＝>冖=二ヱ┘ /￣Ｔ 。|イ「＼
＼／ , '⌒ヽ､r￢‐-く ｜ ﾉ ｛｀Ｙ | ハ
｛彡'′ 二ニ＞'⌒ヽ ゝ ｰ' r‐く} 「｀く ﾉ_
｀く__∠こ＞'´ : : : : : }ﾍ、 -r‐＜乃 !く ｀ヽ
{: : : : : ; '´￣｀丶廴∠ニ≠＜: : ｀ー＜
∨l: :く ／ ￣＞ {_}-ｬ ― ､ ＼ : : : : ｝
rﾍ:ヽ: :＼ヽ／, イ /冂ヽ＼＿_> }: : :／
／:ー:- ､:_:_｀￣ :/ /:.:| l| |｀ｰ - '´ : : 〈
＼ ＼
ヽ＼、 ＾＼
＼ .＼＼ヽ、 ＾＼、
＼ .＼＼ヽ ＼ |＼
＼. ＼ ＼ ＼ λ＼、
＼ ＼ ＼ ＼ ＼、
＼. ＼ ＼ ＼ ＾ー)＼
＼ ＼. ´⌒ヽ,⌒ヽ,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
＼ ＼. 人 〈① ﾉ＼ ／＼ ①〉λ
＼. 「＼ 、 ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ |
＼ ＼ ＼ ヽ. ） Y （） て
＼ ＼ .＼ . ／γ⌒ ⌒ヽ＼ （
＼ ＼ ＾/ | | ヽ ｒ'"
Z_ . ヽ､| ヽ＿＿人＿＿ノ | て
Z＿ ＼ |!!il|!|!l| ／ （
Z＿ |ｪｪｪｪ| ｒ'"
Z、、 （
⌒ゝ人/＾ゝ人/＾ゝ人／＾
248 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:52:23 ID:l3VR6XLc [13/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
男の容貌に息を飲む少女。男は逃げるように立ち去った。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,‐-lゝ'ﾍ
,,/''´ ヽ
,､､=／ , ‐＝ゝ､-,
,＝/／- ,-'llll|/￣` ﾍ ゝlll:.::l:.
..,,､/llゝ@<〆l/`´ | ､＜ -―-､
,:ll;／ 〆'´ゝﾉlll/llll/;;;/;;;;＝ ヽ'´'´ ／（
,..,:ll／ ／ノ)‐-'´／ヽヽ ヽ `='ゝ=‐-ゝ／ ／
:ll／ /ノ'/ﾉヽヽ lヽ丶 丶ヽヽ ヽヽ`'´`l / ./┐
＼ /丿/ﾉ`´l ヽl ヽ ヽ _〆l l l l / // /／＞
.:ll>､/:ﾉ /:）l l l l l l-' ,=＝t l / l /l` // /／
,:l|/ l |ﾉ l||）| l l l l ll ´（:::::ﾉ`/l'´（ `┤/'/ __
|/＿ l ll) /ll) l | l l〆l l ` ´ ＞/＜＝/|_//
ヽヽ‐ゝ' l l '´ ,r=t､ ､ 。|,ﾍ＝/'´`- '´
ヽ/ﾉl/ヾl l ll '（:::::） ｒ , , U,ー/
/'´l ＼ヽゝ,-´ ノ ヽ=ー'´` ､
（ー‐）=＝＝///ゝ‐- ＝ｿ _,-ゞ`'``ゝ,`ヽ
￣）,＝'´＝l/､/'´￣ ヽヽ/' ､￣`ヽ' lー-`l
￣ （( / `'´ ヽ ヽ'´`-l､lll:. ）'´/､-､/
c イ ⌒ ヽ c , ‐ ､
c 〈 ＞ 人 人＜）
c !､_ ノ Ｙ /
r j i （
r⌒ヽ ／γ ､＼
/ /＼ .|. | ヽ'i
〈__/ ｝|. !､ __＿人＿ﾉ/
/ ＼. / / ／
/ ｀⌒´ ＼
/ ／￣￣ヽ ）
＿ r ／⌒ヾ／ ／／
"ヽ | i, i (_ノ
| ヽ/ ヽ､_/ /
ヽ､_／ / ／
(／
249 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:52:42 ID:l3VR6XLc [14/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
――その日の夜、男の家を訪ねる者があった。あのときの少女だった。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
fzfzィ彡､-‐ｧ´ ヾﾂｆz
ｆｚｲ¨" .:.:{ .:.ixz､..__ .:.:.: Yゞfzfzx
fzﾂ ,ｨf厂丁`ヾfzゞfzx:､ .:.:.:.:|:. ｀ヾﾐz
Y xfﾂｲ' ﾊ ヾ:､ ヽゝ八fz小、 .:.:.:.:.|' _＿__
. | xfﾂ"く ﾑ┤ ﾄｽノ´ fz圦 .:.:.:.:.| 「ヾ、
,ｨ! ｲfxﾚ1辷i し’ 、 :､ ﾞfzX .:.:.:人_.:|＼ `
fxzﾚ"|! ,f才ﾝ ヾ i! i| ﾊ ヾ:、 八fz}_／ ヾﾘ ヽ
,ｨxfイ.: .:| rf;{" i ﾊ i! |i ﾊ ヽ:、 ｲ j;｝i ／' ) ﾉ
{f∠ィ' ¨ヾ:ｲｧ' l i! il i| i|! }!ヽ )} i! {i从 ′ ／ }
/,ｲ{ i{ i| !i i! l!i ハヽ_j斗! ｊヾ ヽィ ,ｲ{
. //i {! i| i il i| |j､l iｧﾅ乃工ﾉﾘ ｲ )} /' イ i,ｨ
〈' {i八 い:､ヽ i!_,.!i; ﾘﾊﾘjｲ;乍夾ﾊ〉ﾘ ｲ〃 ／ ／/
／ﾒ{ ヽ ヽミ;匕ヾハiﾉ ﾘ ｿ ヾﾆ''’厶┴ュ/ ／ ーｧ
,:／ 大ｰ:､ ヾ ヾミ;ｲ示ﾐj "" ら≡≠）/ムく二_
;厶-―‐-､｀ヾ. _ﾘ"ヽ ゞ’ , -=≦ヲ く＜=＝ｧ/ﾑ
r‐-｀二ﾆ} ﾉ ﾉ /'/ ､"" - ‐ ／､_;ノ てﾑハ（_ノj
￣｀ヾｰｬ-ｧ､{斗ｧZ＞≧=ｰ- ..__..イ:. ／´: : : : : : : :｀ヽ
ゞ=＝ミｭ､〉〃ム三≧ヾく二ゝ _j'' ／: : : : : : : : : : : :
半ｧ／: ｀てﾗ’_.=≠＞个≠!: : : : : : : : : : : : : :
({／: : : : : : : {:r''" /,ｲ:i ﾄヽ |.:.:.:.:.､: : : : : : : : : :
〈.:.:. .:.:. .:.:.:.:. |:{: ://:./ﾘ }:jヾヽ.:.:. :ヽ: : ヽ.:.:.:.:. :
ヾ:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.ヾ彡': :i:/ i:::!.: :ヾ>: 〈::': : .::::＼.:.:.:.
／: ﾉ: : : : : : : i : : :,ﾒ l:::i : : ﾉ: : :ｲ: :i : : : : : : :
く: : :': : : : : : i : :{!: :./! |:::! :Y:::::/: j: ::|: : : ::ﾍ: :
ｷ: : : : : : : :|: : i! /::j !::{ : |:::/: :': : :|: : : : :::j : :
入: : i: : : :.:|: : ': {:::{ |:::| : Ⅵ: : : : :.!: : : : : : : :
250 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:53:02 ID:l3VR6XLc [15/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
助けてもらったことの礼と、怖がって礼を言わなかったことの侘びに来たのだという。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
男は気にしなくていいと答え、二人はしばらく会話を交わした。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
竺i｝: : : : : : : : : : ＿＿／竺i＼: : : : : : : :
. /:竺ﾄ:_:_:_:_:=:=≧竺i竺i/'kｦ'kｦ'k｛: : : : : :
/: : : 竺i竺i竺i竺iイゝ、 ゞﾊツ￣ ﾒ'竺
,｛: : :,'kｦﾉ ／"゛ .／ ￣て_i ヽ,ｲ ￣
／ Vkｦ｝ ／/ ／, ' /ゝ-' 〉 ヽ
, ' 弋ﾂ/ ,' ／, ' ' `～'￣
Y ／/ //. , ' / ,' , ' '
. ヽ ／ﾐ/ //, ' /, /i. / / :
Y ｛ミﾐi i i,' /,'/ l /i /i : ;
ヽ__卦人 l/ , /i | _i , ,' / | i i ;
＿＿＿）,=/- ' / ,' .「 「￣ﾄi | / Ｎ __/_/ .,'
_＿）)￣ _ノ i'、 ,' ｲ|| ﾄ_士≧li. !i /∧ノ /｀ﾒ|、／
￣, ‐ '" ／ ＼|i ﾉ,'行;;;;;;;ヾﾄi、i ｲ/ ,ﾃ手ソｲﾉ >／,
Y ／ , ' ノｙﾉ|弋っﾉ ´ ' ｲ;;;;;;;;;;i ﾄヾく
弋 （ミヽ、 / 代 ハ ﾆ´ 弋ﾌ;;;ﾉﾉ ／
::::__≧ヾﾐミ｀ ｙ' ｛圭Vｲ::::::: , ｀=二-／.//
｝ ￣ヾ;人＿＿__ 人 、 :::::/ //
´=ミﾐ＼ﾉ／三≧"´:ミﾐ> 、 ￣´ ｛ //
ノ／ ｀ヾ≦-= 、ｷ迂ヾＹ＞ 、_＿, 一, 、てミヾ
（ ( ﾉ /Y , -一" : : : ”迂ﾊ圭}／ 'ヽＹノ
￣ ｛人（_ノ: : /: : : : : : :”迂Y ' ｝竺i
ゝ 「: : :/: : : : : : : : : : :”迂Ｙ ｲ竺i
〉 l: : /: : : : : : : : : : : : : ”迂Ｙ-＜圭i
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈⌒ ﾉ＼ ／＼ ⌒〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼
/ | | ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
251 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:53:29 ID:l3VR6XLc [16/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
少女を見送る男の胸は温かかった。こんなに人と話したのはいつ以来だろう。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ﾉ＼ ／＼ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼
/ |/// ///| ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
252 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:53:50 ID:l3VR6XLc [17/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
少女は次の日も男の家を訪ねた。その次の日も。次の次の日も――。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
r‐ _＞ '´: : : : : : : :＼: :ヽ__／_ノ:_:_:_:_:_:_:_:_:_ノ_,ｲ
（ f´: : : : : : : : : : : :_＿ノ_工_不ユ辷ン､__)て_ﾌ￣＼
（_}: : : : _ -r≦_入ﾉ‐(⌒)ﾉ＾ゝ┘ヽ,＼ 下卞､[_￣
(ｲ‐ﾊ__ﾉ`ー'＞_T升 ｌ i{ ヽ. ヽ ＼ ヽ } ＼
く ｈ{: : __,:ィ´r勹' | ｜ i l ヽ ヽ 冫
｀下不ンﾌ_√ | | ｜ | ,. -+- 、 ', l ＼{
. j_:_:イﾞ厂 ! ､ ヽ_,⊥｜i| ! | _⊥_ﾊ ハ リ__}）
/レ＾ 「｜！ ヽ／ ＼_,.|从 ﾊ ｲテ'卞仆jイ `ｰ､
／ | | ﾞ, ヽ × ＼x＝ミ、 ｀´ ' {ゞｨﾘ '|__,ﾝ千´￣｀ヽ
/ l| ハ ヽ ＼_>〃{k_r１ ｀－´仁二亅_,二二｝
ｰ＝ミＬ.＿__≧ト､ート ヽ ゞン ' ﾞハ三{_∠_￣
＼｀Y二ﾆ＝-Y´ ￣｀Ｙ r ￣} .ｲ 厶イく_ﾌﾉ
ﾉ ｲ ＿__ゝＺ__,ラ､ ヽ __ ﾉ ∠,ﾉ┴‐┴＜
ゝ二三三ﾆﾊ=-=ァ≧ｰ ┬ --,イ: : | : : : : : : : : ＼
└─＝ｧ冫｀乙(⌒´＾f廴／,ニニ.ヽ: : : : : : : : : :｀ｰ 、
く< ⌒,ィ冖㌃Zく : : : : :.|'::}: : : : :.:.:.: : :.:. :./
｀ ／ｲ￣}:::;小:::＼_:_:_/:/: : :.:.:.:.:.:.: :.:./_/
〈〈: : : //::l | l::|` ー一'_:.:.:.:.:.:.:.: :‐:⌒ヽ
／ヽニソｉ:::|！ﾍ:ヽ: : : : :└--(: : : : : ヽ: ＼
（:.:.:.:.:.:.:ﾉ:/::/ i: :ﾍ:::＼: : : : : : :.l: : : : : : :ヽ: :ヽ
＼;／ /::/ !: : }＼:::＼: : : : : l: : : : : : : : ＼:',
/: : ﾊ:::', |: : | : : ＼:::＼: : : :ｌ: : : : : : : : : :卞、
/: : /:.i}:::l |: : |: : : : : ￣´: : : :.ｌ: : : : : : : : : : : :.＼
/: : /:./ ‐┘ |: : |: : : : : : : : : : : : :l : : : : : : : : : : : : : ＼
. /: : /:./! |: : |: : : : : : : : : : : : :.:l: : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : /:.// l |: : |: : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : /:./ｲ l ｜: :| : : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
253 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:54:06 ID:l3VR6XLc [18/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
互いに他愛のない話をし、互いに笑う。話すことがないときも、その沈黙が心地良かった。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈＞ ﾉ＼ ／＼ ＜〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼
/ | | ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
___,.. --───-､ ,.-───-- ..__
ヽ ＼(こ)／ /
ヽ ＼_ _／ /
| _,. -─ ｧ' ￣ヽー-- ..._ !
／|_,. -‐ '´ ／-──- ＼ ｀ ､|
／ ヽ. ／ ＼ ／＼
＼ ＼ ,.イ ／ ヾ､.／ ___ヽ
/ __,rｯ'´ / / i i ﾞヾ |
厶r'ﾞ7 / i l l ﾄ､ |
／ !/ / ! l ! l `＼
／ |! ｌ | i| l j | l ! ＼
／ l | i _,|rt┼ ､i､. r ‐/- ､ /! j ＼
/__ ___ ＼!､ ＼_ij,.==ﾆ ＼_／/ム.._／ﾒ / ヽ
{-─ ‐- =- ､.__,.ﾄ ｿﾐ〈 { .ｨr } ´＿ Ｙz_,イ i
＼_,.=ﾆｰ- ､.._く ｀ くi.__ ゞ-'′ , ´￣ヽ ' ﾊシｒ=_,ニ二二ﾆ j
r─二ニｰ-干ｰzく fﾆ_ -┘ ＿ ／
ヽ=ヘ三ニ-＼___/＼ ,' ヽ｀ー - ´,'｀i ,.ヘニ-‐=ニZ_ ￣｀
` ー-ｭ-＜ﾆ＞_} | _,.{ {ァ'了--= _ ｀ヽ
／ ＞{ f ｀¨ ´トl ,}ｒ'´￣ ＼こ>‐ー '"
ヽ. ｊ／⌒ヽ /⌒＼| ＼
,. ィ⌒ヽr=､_ / -ｰ￢{ }￢ｰ '.. /_,ノ
{ ／j ー} {一 i| ／/｀ヽ
254 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:54:28 ID:l3VR6XLc [19/31]
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┃
少女は男の優しさに惹かれ、男もまた少女に癒された。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
fzfzィ彡､-‐ｧ´ ヾﾂｆz
ｆｚｲ¨" .:.:{ .:.ixz､..__ .:.:.: Yゞfzfzx
fzﾂ ,ｨf厂丁`ヾfzゞfzx:､ .:.:.:.:|:. ｀ヾﾐz
Y xfﾂｲ' ﾊ ヾ:､ ヽゝ八fz小、 .:.:.:.:.|' _＿__
. | xfﾂ"く ﾑ┤ ﾄｽノ´ fz圦 .:.:.:.:.| 「ヾ、
,ｨ! ｲfxﾚ1辷i し’ 、 :､ ﾞfzX .:.:.:人_.:|＼ `
fxzﾚ"|! ,f才ﾝ ヾ i! i| ﾊ ヾ:、 八fz}_／ ヾﾘ ヽ
,ｨxfイ.: .:| rf;{" i ﾊ i! |i ﾊ ヽ:、 ｲ j;｝i ／' ) ﾉ
{f∠ィ' ¨ヾ:ｲｧ' l i! il i| i|! }!ヽ )} i! {i从 ′ ／ }
/,ｲ{ i{ i| !i i! l!i ハヽ_j斗! ｊヾ ヽィ ,ｲ{
. //i {! i| i il i| |j､l iｧﾅ乃工ﾉﾘ ｲ )} /' イ i,ｨ
〈' {i八 い:､ヽ i!_,.!i; ﾘﾊﾘjｲ;乍夾ﾊ〉ﾘ ｲ〃 ／ ／/
／ﾒ{ ヽ ヽミ;匕ヾハiﾉ ﾘ ｿ ヾﾆ''’厶┴ュ/ ／ ーｧ
,:／ 大ｰ:､ ヾ ヾミ;ｲ示ﾐj "" ら≡≠）/ムく二_
;厶-―‐-､｀ヾ. _ﾘ"ヽ ゞ’ , -=≦ヲ く＜=＝ｧ/ﾑ
r‐-｀二ﾆ} ﾉ ﾉ /'/ ､"" ｰ ´ ／､_;ノ てﾑハ（_ノj
￣｀ヾｰｬ-ｧ､{斗ｧZ＞≧=ｰ- ..__..イ:. ／´: : : : : : : :｀ヽ
ゞ=＝ミｭ､〉〃ム三≧ヾく二ゝ _j'' ／: : : : : : : : : : : :
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈⌒ ﾉ＼ ／＼ ⌒〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼
/ |/// ///| ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
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┃
人の姿であった頃よりも、ずっと幸せで穏やかな日々だった。
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255 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:54:56 ID:l3VR6XLc [20/31]
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┃
――秋が過ぎる頃、少女は村の占い師から男のことを訊いた。
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| : :: .: .: .:,.:,, -ｧく/フミﾐ×v'丶.: .: .: .: .: .: .: .:|
| : :: ,. -.ｧ'/ヽ'､/ /､ヽ､ヽｖ__,.=-‐'ム.: .; .: .: .: .: .: ',
| ,.不〈 ､' /､丶,.> '- ' ￣ _ノ | ヽ ト､、.: .: .: .: ヽ
l~| .ト-､,.＞ ' ´ ｫｧｨ'" | Vヽヽ .: .: .: .: ＼
|_|__ﾚ'､､_＿,.ｯ | |｀ ー‐ヵ.: .: .: .: .＼
ﾚ'´|| """" | | | /.: .: .: .: ,.=ｧ,）
￣.||| ＼ '､ , || ﾄ .| /.: .: .: .:／＝'"
|| | _ --‐_'" || .| ', ﾚl.: .: .:／
弋ヽ ￣ ‐- ,. イ|| ﾄ､ Ｙ__| .: :／
｀ ‐- ＿ || | | ｲ.ﾉ､､ | ／
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
占い師は告げる。男が呪いをかけられ、長い年月を化け物の姿で過ごしたことを。
呪いを解くには女が永遠の愛を誓うしかないことを。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
256 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:55:29 ID:l3VR6XLc [21/31]
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┃
少女の決意は早かった。少女は明日男に永遠の愛を誓うことを、占い師に語って聞かせた。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿ ,.. -───- ､
,. -‐': : : : : : : : ｀ヽ' ⌒ V: : : : : : : : : : : : ヽ
|: : : : :: : : : : : : : : : 「: :|: : : : : : : : : : : : : : :j
ゝ: : : : : : : : : : _: _: j: : j -----.. _、: : : : :/
|: : : , -‐ '' : : :_:ノ ｀~ヽ: : : : : : : :ヽ:_:_:_:L
_j ／: : : : : :: ｨ_j__ｒ ｔ,___r＼ : : : : : : j: : : : ゞ
r': : :＼: : : :;／r′ ＼: : : ノ: : :,.ィ
ヽ: : : : :＼/_j´ ::;' │ ~~＼: :.∧
入: : _ .ｨr' T :::l! ::l: , ∨ ヽ.
′ V`´ , | _i__/! ::,' _ /j:::: i: i ヽ
. ／ { ＼l イゝﾄ､l ゝ ::::/j_./j メ ノ l ＼
／ ﾊ トゝｨ,二 ヽ ヽ..ノ ',..二ヽﾚイ::::ノ . '.
' ＿＿＿ ::ゝ..ゝi! ﾄrtﾚ! ﾄｨt::! l!j ィ ,.. -─‐ j
{ ::::::::::: ヽ__:_ノム ゝ-' . ゞ- 少ｰゝ . ／::::::::: ノ
ゝ＿＿＿＿ ::::::: > -..> ::::: rー‐ . :::: ゝ=--'_´_::::＿_∠
ノ:::::::::.... フ ゝ､ ､＿ ﾉ ,∠ﾄ ､./´::::＿＿___ﾉ
￣￣ _＞ ' ⌒`ヽ, -v- ､ ___ .ィ=v ´ ⌒ヽ二二r､__
／: : : : : :/ へﾑ _r'_ヽヽ: : : : : :＼
,.': : : : : : ∧ ´,_j､_ﾄ ｀ |-､ : : : : :ヽ
（: : : : : : :∧ゝ7_ ´ ﾉr弋. ,.-k^ｲ!: : : : : j
＼ : : :/∧＼ゞ7_イィ介∧_rﾚ´／|～: : :.ノ
j: :|!: : ＼ ＼ｰtrﾌrr7〆 ' .／|: : : :7
| :.|l: : : : : ゝ.＼` Y´ ／ ／.: :.|: : : :|
257 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:57:30 ID:l3VR6XLc [22/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
偶然近くを通り、物陰からこれを聞いた男は――。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ○ﾉ＼ ／＼○ 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼
/u | | uヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ ||iiiiiiiiiiiiiiiii|| ／
/´￣｀｀゛'ーー'´ <
| ＿＿＿） ＼
| ＼
| ￣）
| |￣￣￣
258 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:57:52 ID:l3VR6XLc [23/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
喜ぶことをせず、頭を抱えた。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
γ⌒ヽ
γ⌒ー―ヽ 〉
／ ヾ○ノ
／ ／´｀￣￣￣
／ ／γ⌒＼ γ⌒ヽ
／ ／／ U ｀~＼ ○〉
／ u ／／ ／⌒ヽ､＿ヾ ノ
／ Y （
／ γ⌒ ⌒ヽ
/ | u | ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |.
＼. u ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
259 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:58:16 ID:l3VR6XLc [24/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
死ぬこともできず、長い年月を生き続けた男は、〝永遠〟というものの恐ろしさを誰よりも知っていた。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.⌒ヽ::::::::::::::::::::γ⌒ ヽ:::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::oﾟ(（●）)ﾉ＼::::::::::／＼(（●）)ﾟ o:::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ彡' ヽ:::/ ヾ_ノ::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::） Y （::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::γ⌒ ⌒ヽ＼::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/| | ヽ:::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ヽ＿＿人＿＿ノ i:::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼＿ `ー'´ ⌒ゞ'´::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~/⌒/⌒/ / |::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（つ/＿/ / ＼ |:::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（＿＿＿_/ .ヽ |::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;/ / ＼ ＿＿丿::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(_＿ (_＿_）::￣: :: .:::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
260 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:58:37 ID:l3VR6XLc [25/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
愛しい少女であればこそ、〝永遠の愛〟などというものを背負わせることはできない。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
＿ _rvェュ
＿rｖ'⌒X＞'´: : : : : :ﾋ= ､
_＿_rﾚvュ-√: : : : : : : : : : | :ヽ＼
／＞'´: : : : :/rﾍﾆ＞‐- ､:_:_:_:_ヽ:__＞'
. 〈r┘: : : : : : //ひﾍﾉ｀ｰﾍ仁ﾆ=-┘｢丶、
| : : : : : :／ ﾉ ｌ ヽ ヽヽ、､└ﾍj＞! } }
r'X : : ;ィ７イ７| ﾄ、ﾄ、ｌ | | ｌ l| l| | ∨ 〈
rク :l ／/:/ )| | ｌ | | | | | l ∟|-|‐┤! ,'ハ くﾐヽ
└'ｰ-く／:/_ﾉ | | | |_ｌ | ｌ | | l |｣l_ｌ_ ﾉ,'/! /＼｀ヽ＼
/彡∨ ﾊ |l ヽX´ヽ、}ﾉ }ﾉ ' ￣`///＾ヽ /人リｈ l
く＼ /／l l | Ｙヽ ,ｘ≡ , "" { レｲ彡' }ﾆ彳り
｀ヽレ-ﾍヽﾐ｝ﾍ.′ "ﾞ r ^ / くんイ}ﾉ‐＜_
ｰ个=＝彡仏‐ ヽ、 ヽ ノ , ｲ{/rｸ＾７ﾏ⌒)厂
｀て(=≠7乙厶＞￢冖´ {_V/: : : : ＼
}厂／ : :｀ヽ:＼_r=ニＹヽ､: : ; : : : ヽ
/ : : : : : : : :厶ぐ:) rﾍ、 ∨: : : : : }
/: : : : : : : ／ /^ｌ￣ (ヽ { ﾄ､: : : :人
/: : : : : :.r‐{r‐ﾍ / }＿ノ { / :Ｖｌ : : : :〉
/: : : : : : : Ｙ＾⌒ ヽ└勺｀７/: : :}ﾍ: : : l
〈: : : : : : : : ﾊ: : : : : : :＼Y¨/ : : : : :ヽ:.:.|
ヽ、: : : : : | |: : : : : : : :/了: : : : : : : : Vﾊ
. 〕 : : :_r1:|: : : : : : :/ : :＼: : : : : : : : ヽ〉
ヽ }:/:': : : : : : : : :〉|: : : |ｌﾄ､: : : : : : : :}
//,' : : : : : : : : :/ｌ |: : : ｌ||∧ : : : : : /
// :ヽ : : : : : : : ':l|| |: : 〈ﾉ|ﾆ|｀ ￢ｰ'′
//: : :ハ: : : : : ; : :|ヾｊ: : : :.:|ﾆ|: : : |
ﾚ: : :/: : ｀!ニT´: : l V : : : |ﾆ|: : : |
. /: : :/: : : :.|ニ7 : : / ヽ: : : Vﾍ : : |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
261 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:58:57 ID:l3VR6XLc [26/31]
.
262 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:59:18 ID:l3VR6XLc [27/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
次の日、少女が男の家を訪ねると、男の姿はなかった。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/｀ヽ､
/_ ＼
､-‐'´/ ｀`丶､ ヽ_r┐
ﾉ^ｰ＜〉 Ｌ＿＿＿_｀ヽ))ｰ'-､
ヽ＼ ∠_＿／ ／／ ,｀`ﾊヽ ＼
ハ ヽハ// // ／/／///ハ ヽ ＼
く ＼､ } |{ l|l,{∠メL//' 〃/ハ. ! }／
人ヽ 〉' 亡>j〈;;'ｿ〉/ /'ノ//// } } ハ
＼)八),ト､〉 ´ ´ノ_ﾉ乂〃ハノ' r-ゝ
､ノ（{ﾉ c ' 〈;;ソﾙノ ﾉ､ L,/
r ''',ニ=､'′ヽ､__ _,.ｒく{ _∠__ } }
.r┴/ ヽ>'⌒ヽノ/ ￣ヽＮ}入ﾆ＜（乙、
ﾄ､_{ ｀'{ ,. -┴v { ヽて｀ヽ} ￣
〈ヽ ＞'" l | ノ ／ .〉
V〈 l ! く
} ヽ | |／／ //
ﾉ ヽ ト､ { {=､、
} ヽ |!{ ヽ |ﾄ､}}
_ハ ＼ >、 / ヽ、
／/ ヽ＞'" ヽ、 ／l| ヽ＼
263 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 22:59:47 ID:l3VR6XLc [28/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
呼んでも答える声はなく。少女はついぞ、男に出会うことはなかった。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
_＿_
{l:.:.... :￣:ｌ}^^'ヽ、 ,ｨ= ､_
. {l:.: :.:ｌ}:.:､:.:.:.:.ヽ_〃 ／.:｀^冖=.､、
〃 ..:〃-:-`‐:.:.:{|:.Y__:_:_:_:_:_:.:.:.:〃
,.ィl :.ｌ} , ｨｱ´丁ﾌヽしヽ丁ｽ:.:.:.:.ｌ}
ア ￣｀`┴／ ヽヽｊ｝
:,:フ:.:‐.､ :.〃/ / ヽ>
.:/ヽ'' /: / / ヽ
..:.:.ｌ:l.:.: l:.: : / /: i ',
､:.:.:.:.:.:|:l:.:.:..!ｌ.: :.: !l ｌ.|.: : l |
:.:＼:.:.:ｌ:l:.:.:.:l !.:__:._:_l_l_l_レ .:| / :/.:.!|
:.:.:.:.:Y_ヽヽ､ヽヽﾄ､Ｎ ｌ:ｌ l:.:.:/:/､〃:.:/:.:/ﾘ
ニ._-}二二ア ｃ＝=ュ` ∨_/∠7／イ、
‐-:.:.:_Y二ｱ､ " " " '////ヽｰァ:.:.＼
三-_ て＼_丶、 ‐-_ヽ!｣｣ﾉ_ l､￣:.＞′
' ヽヽ/T二´:..｀Y|ヽｭ lヾく
:.:... :. l.;.:.. ./ /Llノﾌ´ヽ,く |ヽ ヾｭ!. ヾｭ
へ/:.:` ＜/_/|ノｭ } ,l :.:ヽ､:ヾｭｌ}
､/:. .: ／｀ヽヽヽﾉ l l :.:.:.:.:.:ヽ／
,:ヽ､:.:.......;.-/ .ヽヽﾄ:.:.l .:.:.:/
:.:.:.:.:ヽ:.:// ..:.:.:.:.:.|::|:ｌ}､:.:.:.:.:.:.:/
:.:.:.〈:.: ..:.:.:.:.:|::|:|}、｀` ｰ′
264 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 23:00:09 ID:l3VR6XLc [29/31]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
そして男が人前に姿を現すことは、もう二度となかったという。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈.:::::::::::＼ ／::::::::::::::〉
ヽ.:::::::::::::ヽ /:::::::::::::::ノ
）:::::::::::::::Y:::::::::::::（
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
265 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 23:00:31 ID:l3VR6XLc [30/31]
┏┓ ┏┓
┗╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┛
┏╋─────────────────────────────────╋┓
┃｜ ｜┃
┃｜ ほんとうのあいをみつけた. .だれよりもやさしいにんげんのおはなし ｜┃
┃｜ ｜┃
┗╋─────────────────────────────────╋┛
┏╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┓
┗┛ ┗┛
┼ヽ -|r‐､. ﾚ |
ｄ⌒) ./| _ﾉ __ﾉ
266 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 23:01:15 ID:l3VR6XLc [31/31]
原案は「WILD ARMS the 4th Detonator」の作中の小話、及び「美女と野獣」でした。
ありがとうございました。
267 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 23:01:45 ID:2pNIKNW6
おつ
268 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 23:02:03 ID:n3mPSxRQ
乙
かなしいな…
269 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 23:02:56 ID:cm0jmQ.I
乙
270 名前：どこかの名無しさん[sage] 投稿日：2010/10/18(月) 23:15:06 ID:B0vicKgw
愛するがゆえに……
乙
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