過去記事の検索欄
ランダムジャンプ
短編まとめ 推奨スレ 【実験作】やる夫スレ短編投下所 No42 【練習用】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1255695242/ 中編 短編投下所5 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1256471576/ やらない夫短編投下所8 http://yy701.60.kg/test/read.cgi/yaranaio/1253362919/ 戦国時代超短編やる夫 .http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1246612124/ やる夫系R18ストーリースレ その3 .http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1250776144/ ローゼン短編投下スレッド2 .http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12766/1256424853/ 試作やる夫作品専用スレ in 2nd板 http://yy702.60.kg/test/read.cgi/yaruo2nd/1255247525/ 【初心者】やる夫自作絵投下所【歓迎】 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12766/1248978056/ 出演 やる夫 やらない夫 できる夫
86 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:36:05 ID:6uDsiMUo さりげなく
/ ̄ ̄\ / _ノ ヽ、.\ .| (●)(●) .| 林の近くの小屋に一人で住んでいるニューソク=デ=やらない夫は | (__人__) | ごく普通の一般的な男性である。 . , っ `⌒´ | / ミ) / ./ ノゝ / i レ'´ ヽ | |/| | |
,_. ( ) ` ~ _,,,...... -=-- i"`y..,_ _,,..-'"~(, `~ ~` - .._ ,.r'´ ,..-,.:) ,''"~  ̄ ~`;'"` ._ . 丶、 r'~_ ̄ ̄ ヽ, ,r' ヽ ,. ',r', -ー ' '~ ̄ ` ー ~- .丶、., ヽ、 .i |;`、.i.i.i i 起床した彼はいつもの様に顔を洗い、 /_ ,y' r' ゝ i'~ ̄ヽ、 ヾ ` 、 ヽ l | i 山 ,l 朝食のパンケーキとミルクを完食するとすぐにカバンと地図を用意した。 i ` r' i / ヽ、 _,.) i ,ヽ l, j | l . Y ,i l i i、 t `~ _,...i i l i ..iYi ∩ i ! _ i iヽ ヾ, _ ~`/i ,i l i .冂 i .! j ヽ i, ヾ、 i_,./~"i ., r- ., ヽ_,.>'",y ,/ / l !; i l .! l `、 ,,.ヽ、 ヽ、~`- ....,ヽ_,,.i... - '" _,./ , ' / ! .|:::| ! l i ヽ、 ~-.,_ ~ =- ....,,_,,,... - '" ,.-'´ ,./ ,j |:::| ! l l ~ - _ ~ =- ...,,___ ,,... -= '" _,..- " t_ `" `"_,. i ~ =- ...,,__ __,,,... - '"  ̄  ̄
87 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:37:38 ID:6uDsiMUo /||ミ / ::::|| /:::::::::::||____ |:::::::::::::::|| || |:::::::::::::::|| || 無論、出かける準備である。 |:::::::::::::::|| / ̄ ̄ヽ|| ガチャ |:::::::::::::::|/ ヽ ・・・しかし地図とカバンを持って外に出るのだけは日課ではない。 |:::::::::::::::|| | ましてや散歩でも無く、ただ単に今日は友人のできる夫と約束しているだけである。 |:::::::::::::::|| | |::::::::::::::||| | |::::::::::::::||ヽ_ _/ |:::::::::::::::||/ ヽ| |:::::::::::::::|| i } | |:::::::::::::::||ノ | } | \:::::::::::|| | i |∪ \ ::::|| ̄| ||ー| ̄ \|| (_/_ノ
/ ̄ ̄ ̄\ / _,ノ ⌒ \ / (●) (●) \ できる夫はやらない夫の唯一の親友であり、 | 、 ´ | もちろんできる夫にとってもそうだった。 \  ̄ ̄|\ / /| / /⌒ノ \/ ( ) ちなみにやらない夫はできる夫は先日こんな話をしていた。 | / / | |
88 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:38:10 ID:6uDsiMUo
/ ̄ ̄\ / _ノ \ | ( ●)(●) . | (__人__) 「なぁ、できる夫。 | ` ⌒´ノ どうしたらお前の様に沢山の友達や親友ができるんだ? . | } 俺は昔はともかく、今交友関係があるのはお前だけだぜ。」 . ヽ } _/⌒ヽ ィ i'⌒゙l | l \__ィ~っ | |. | | ト、_"__冫く;'三} | | ( " ̄⌒ヽ、 |____`ー‐" |.  ̄ ̄ ̄ ̄|ソノノ ̄`ヽ ̄⌒ヽ.'⌒lソ | l .| y |_ィ | .|| | | .|.| | | | || | | |___| |__| || |_______.|___(__゙)__{___゙)_||
/ ̄ ̄ ̄\ / ノ ヽ \ 丁度今コーヒーを飲み干した直後のできる夫は困った顔とポーズで / (●) (●) \ 「そんな事聞かれてもね・・・学校の旧友などとはたまに遊んだりしないのかい?」 | __´ _ | と、逆に質問を投げかけた。 \  ̄ / ⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ \ ヽ / \ ヽ /
89 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:38:53 ID:6uDsiMUo
/ ̄ ̄\ . ./ _ノ ヽ | ( ●) (●) | (__人__) ∫ その質問にやらない夫は2秒ほど固まっていた。 | `⌒´ノ ∬ だが、2秒経つとこう答えた。 . ヽ } | ̄| 「愚問だな、旧友との交友関係が今でも無いから俺の友達はお前だけなんだぜ? ヽ ノ |_|) ____/ イー┘ | 友達が二人以上いたらこんな質問はしないだろ、常識的に考えて。」 | | / / ___/ | | / / | | | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
____ / \ できる夫は更に困った顔で、 / _,ノ \ \ 「二人以上って・・・一人増えるだけでもいいのかい? / (●) (●) \ ・・・一人だけの親友が僕じゃ不満?」 | ´ | と、渋々答えた \ ⌒ /
視聴者カウント
90 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:40:03 ID:6uDsiMUo
/ ̄ ̄\ / ノ \ \ | (●)(●) | やらない夫は質問合戦の会話を終わらせる様に答える。 | (__人__) | 「そういう訳では無いぜ。 | ` ⌒´ | というか問題はそこじゃ無い気がするけどな。 \ ´ / / \
/ ̄ ̄\ / _ノ \ | ( ー)(ー) ・・・もう良いさ、何もお前だけでも不満じゃないさ。」 . | (__人__) | ` ⌒´ノ 最後に『少しだけ寂しいがな』と付け加え、彼は諦めた表情で口を閉じた。 .l^l^ln } . ヽ L } ゝ ノ ノ / / \ / / \ . / / |ヽ、二⌒)、 ヽ__ノ
91 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:41:03 ID:6uDsiMUo
____ / \ / ヽ、 _ノ \ しばらくできる夫も空になったコップの中を見つめていたが、 / (●) (●) \ やがてやらない夫の方を向き | __´ _ | \  ̄ /ヽ 「分かった、じゃあ僕の友達を紹介してあげるよ。 / \ 一人でいいのかい?」 ( ヽγ⌒) ヘ \  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ {;;;;;;;} L;;;;」
., ──‐、 / \ やらない夫は少しだけ嬉しそうな顔をする。 . .| _ノ ヽ 割とポーカーフェイスなやらない夫だが、できる夫には嬉しそうなのが分かっただろう。 | ( ●) (●) | (__人__) , -―ーっ | ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄ 「そいつぁ有り難いな。 . ン } ゙| ̄'| 感謝するぜ。・・・あぁ、一人で十分だよ。 /⌒ヽ、 ノ .|, | それでいい。」 __/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' ∫ ・・・と言ってコーヒーを飲み干した。 | | / / r_____ ∬ | | / / |i ┌‐┐ | | ( 〆⌒'──r─≒、.((| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
92 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:42:00 ID:6uDsiMUo ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;;;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;:iii| /;;ゞ゙:;ヾ|flli:: ... . 丿 . . . . | |:: ,i;;;:;iii;i:i| :: |:;;:iii' ..::|iiiiiii;;;;;((,,,);;iii|;ゝ;;>;ゞ;ゞゞ|llliii' :ヾゞ; ::iii| ノ /...:::.|li:: ... ||Y.||〆;;; 丿: |,i;,.:',:i;;i| ::::: |:;:;ii| :::|iiiiiiii;;ii;;~~~;;ii|: 〉;|/;/ ::: |lllliil 、,,. | ::;iii"´/:::::::::|:: ... . '¨`ソヽ:::丿.イ :: |::;.....;i:;ii| :::: |:;:;ii| :::|iii;;iiiii;::;:;;;;::: ;;|/ii;;:i( ::: |llliii| ::: | :;;iii|~ ::::::::: |''".. . : :: :,,. . ./、| .ノツソ::ソi;iハヽ、|:;:;;ii| ::|iii;;iiiii;::;:;;;;::: ;;;|:w::wWW:..|lllllii|、,,. ノi :;;;ii| ::::::::: /... . '¨`ji: . .. ;;||; :: :`) "''''''"|M|i;;iiii;;i:i;;:;i:;;::;M从ww,,. ゙'''''''''";;w;W ;i;('') ::::::::: |li:: ... . (;; ヾ ヽ `r ,,.::.;;'' ;;:;: :::''.;;'' 从W从;;:人::;;ヾ、;ヽW:w :W;;w;W: w; そして昨日、できる夫から明日に紹介してあげるよ――つまり今日に――と手紙が来た。 ;:;iii|....::::::: ノli:: ... . ,,-^~"、,,:;;;, :`ヽ ;wM:w::wWW:;;w;W:W;; w;W:w;;wWW;;: w: w;;w ww;; ;iilli;ゝ ,、,,.、|lyiji: . ..../;;⌒`;;゙';;: ヽヽ) :ソ"゙`''`´'''`"´`"”``´`". . .. .: :::: :::::::: ::::::::::::::: ::::::::::::::::::::: ''''''''"wMw|li::; ;. .. (.;;(::(r⌒ノ:)ヾ〆( :'. .,: :'. .,:wiiw . .. .: ::::::: ::::::::::::::::::::: :: wW:w;;w'´||l: : :: ヽ::)’ゝ:jj丿ソ;;丿: : :. .. ,,.、..,、_,,,.. . .. .: ::: ::::: という訳でやらない夫はせっせとできる夫の家に足を運んでいる訳だ。 w;Ww` |li::;; /yゝヽ〃: :; ;;/ヽ:::::: ::::::::: : : :. ... w;''" ,,...,,||l (::;;; :ヽ((:::)ソ)..)ソ): :::::::::: ::::: :::::::: : : :. .. ;´.. 丿::;;;,!j )::; :: :⌒ヾヾ\ソ ::::::::::::::: :::::::::: ::::: :::::::: : : :. .. vvlMv,;.;'"'';,.;,; ,.., |::;;; :: :: .( . .. . ( :::::::::::: :::::::::::::::::: :::::::::: ::::: :::::::: : : :. .. . .. .: ソ::;;,!; ; ソヽヾ ⌒ヽ. ::ヽ⌒ヽ,:::::::"´``゛゜''';:;''ー'',:;-、,-、,,;;;-:;_;_,、、,,-、...wiij;;w;W できる夫の家への道は、森ばかりだ。 ,, ..,,/ (::⌒));;; .ノ. ..r∂丿ソ )ノ⌒ヽ、ヽ,-、 ,;;;;;;;:::::'''' vWWwjjwvjiiijw,.、,、,,v 整備もされていないが、やらない夫曰く『この道が一番近いから』ここを通っているらしい。 ノ;::;;; :: ::_,,r''": (::⌒)); "r _,,r''"/゚。::::;; \) ,.、、,,-、;; wWW:W;;w;W: w;;从WW从W; ,:;-/ソ:::。゚。::::;; : :: :( ( (ヽ( (::⌒));;; ヾ、__. ''''::::,,, wwW从wWW从wWW从 /⌒´"_,,r''":;;:: 丿 (;; ヾ ヽ ;;||;ヾ´⌒`ii-、(;; ヾ \⌒"-、 ,Mmγ⌒;;ヾ))ヾ));、w
/ ̄ ̄\ / ノ ヽ、.\ | (○)(○) | だが・・・ / ̄ ̄ ̄ 丶人__). | / \ ._|_____ 「参った・・・地図を持ってきたにも関わらず道に迷っちまった・・・。」 , --'、 / `〉 / ⌒ ) / / ,′ ノ / / 森で道に迷ってしまうとは絶望的である。 l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ 地図に書いてある目印も見当たら無いし、家に帰れるかも分からない。 ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l
93 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:43:13 ID:6uDsiMUo
, n / ̄ ̄\ .n . / / j.´_ノ ヽ、u'l lヽ、 こうなっては仕方がない、当てもなく歩くだけだ。 /,イ / (○)(○) .l i i i 〈 .r {u (__人__) .i. } } 〉 ', i. ', ` ⌒´ / / だが幾ら歩いてもあるのは木、木、木。 .i l. ,' ./ この森林はかなり広いのだ、先程も言ったが無事に帰れる保証は無い。 . ヽ、_.イ、. 人 ノ ヽ 〈_ノ ノ だが30分ほど歩くと、遂に一筋の光が見えた。 | ./ | . |
/三三三三三三三三三三三三三三三三三三/\ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三/工工\ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三/工工工工\ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三/工工口口工工\ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三/工工工工工工工工\ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三/工工工工工工工工工工\ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三/二二二二二二二二二二二X@\ それは普通の小屋だったが、  ̄@X二二二二二二二二二二二二二二二@X@二二二二二二二二二二二X@ ̄ 今のやらない夫にとっては神々しい光を放つ教会に見えた事だろう。 @X二二二二二二二二二二二二二二二@X@二二二二二二二二二二二X@ @X二二口口二二二二二二二二二二二@X@二二二二|| ̄ ̄ ̄||二二二X@ @X二二口口二二二二二二二二二二二@X@二二二二|| ||二二二X@ @X二二二二二二二二二二二二二二二@X@二二二二||. o||二二二X@ @X二二二二二二二二二二二二二二二@X@二二二二|| ||二二二X@ @X二二二二二二二二二二二二二二二@X@二二二二||___||二二二X@ @X二二二二二二二二二二二二二二二@X@二二二二二二二二二二二二二二二二二二二X@ @X二二二二二二二二二二二二二二二@X@二二二二二二二二二二二二二二二二二二二X@ |li!| |!ij| |ji!| |j!i| |!ji| |i!j|
94 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:44:01 ID:6uDsiMUo
, '⌒ヽ、 / ̄ ̄\ / ,. -ヽ ./ ノ \ \ __ | 、 ノ__ .| (●)(●) | ただ、この小屋は何となく山小屋では無く /´ `ヽ._/ `ー/´ ヽ.|_ (__人__) .| 人の気配がしたので、やらない夫はノックをした。 / \ / / `ヽ ` ⌒´ | { ,. y′ / /ヽ ノ 丶. _ .. -‐ ヘ / / / } / ヽ / / l ヽ ノックダカラナ、コレ。 ` ー、 .ノ .. | ヽ.__ / ... | 丶--―‐--'´
/ ̄ ̄\ / _ノ \ 「どうぞ」 Σ| ( ●)(●) すぐに返事が返ってくる。 | (__人__) | ノ やらない夫はゆっくりと、扉を開けた。 | ∩ノ ⊃ } /ヽ / _ノ } ( ヽ / / ノ ヽ “ /_| | \__/__ /
95 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:44:30 ID:6uDsiMUo
/ ̄ ̄ ̄\ / \ 扉を開けた先に見たのは、 / ::::\::::/:::: ヽ 熱心に何かを書く20歳前後程の青年の姿だった。 | (●):::::(●) | \ (__人__) __,/ 少し目をやらない夫にも向けたが、引き続き何かを書いていた。 / ` ⌒´ \ _/((┃))______i | キュッキュッ .. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \ / /_________ヽ.. \ . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\ / ノ \ \ 「それは何を書いているんだ?」 | (●)(●) | | (__人__) | やらない夫が質問した。 | ` ⌒´ | \ ´ / / \
96 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:45:19 ID:6uDsiMUo ____ / \ / ─ ─ \ 「小説だよ、僕は小説家なんだお。」 / (●) (●) \ | (__人__) | 妙な口調の青年はペンを止め、黒くしっかりとした眼差しがやらない夫を見つめた。 \ ` ⌒´ ,/ /⌒ヽ ー‐ ィヽ 「何の用なんだい?」 / ,⊆ニ_ヽ、 | 青年が質問する。 / / r─--⊃、 | | ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
/ ̄ ̄\ / _ノ \ やらない夫は少し苦笑し、 | ( ●)(●) 「友人の家に行く途中、迷っちまったんだ。」 | (__人__) その後に『この森から出る方法を教えてくれ。』 | ノ | ∩ノ ⊃ } /ヽ / _ノ } とも付け加えた。 ( ヽ / / ノ ヽ “ /_| | \__/__ /
97 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:46:22 ID:6uDsiMUo ____ /⌒ ⌒\ /( ―) (―)\ 青年は少し笑いを浮かべた、やらない夫はその表情に少し怒りを感じたが、 /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 眩しい笑顔に何かを感じる所もあった。 | | 「ふーん、そういう人も多いお。」 \ /
__ ━┓ 青年の言葉にやらない夫は思わず首をかしげる。 / ~\ ┏┛ / ノ (●)\ ・ 「そいつぁどういう意味だ?」 . | (./) ⌒)\ . | (__ノ ̄ \ やらない夫の口から考えている事そのままの言葉が飛び出した。 \ | \ / . \ ⊂ヽ∩ /´ (,_ \. / \. \ ./ / |. \ソ ( y' .|
98 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:47:11 ID:6uDsiMUo ____ /⌒ ⌒\ /( ●) (●)\ 青年は笑って、 /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 「迷ってこの家に来る人が何人もいるんだお、そういう意味。」 | |r┬-| | そう言ってやらない夫の傾いた首を直すのだった。 \ `ー'´ / すると同時に、やらない夫の腹の虫が鳴った。
/ ̄ ̄\ / _ノ ヽ、.\ .| (●)(●) .| やらない夫は頬を掻きながら、 | (__人__) | 「参ったぜ、かなり歩き回ったからな・・・疲れただろ。」 . , っ `⌒´ | / ミ) / と言った。 ./ ノゝ / i レ'´ ヽ | |/| | |
99 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:48:05 ID:6uDsiMUo
___ / \ すると青年もまた笑顔の眩しさを明るくする。 / \ 「なら、やる夫の昼職のカルボナーラを分けてあげるお。」 / ⌒ ⌒ \ と言った。よく見れば青年の書きかけの小説の隣には、カルボナーラが置いてあった。 | /// (__人__) /// | \ /
/ ̄ ̄\ / _ノ \ | ( ー)(ー) やらない夫は少し困った顔をしたが、やる夫に分かっただろうか。 . | u. (__人__) 「お気持ちは嬉しいが、俺は食べかけはいらないぜ。」 | ` ⌒´ノ 諦めた口調でそう言った、それよりも地図が欲しいとも言った。 . | } . ヽ } ヽ ノ i⌒\ ,__(‐- 、 l \ 巛ー─;\ | `ヽ-‐ーく_)
101 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:50:09 ID:6uDsiMUo
____ /⌒ ⌒\ 「余りがあるから大丈夫、他の皿にあるお。」 /( ●) (●)\ と言い、青年はキッチンに行った。 /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ | `ー'´ | 彼がキッチンに行く間、やらない夫にとって目を引く物があった。 / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ /
/ ̄ ̄\ / ノ ヽ、.\ 小説である、題名は「スパゲッティーとパスタ」という題名だ。 | (●)(●) | やらない夫はその料理のレシピと間違える様な題名を見た瞬間、 / ̄ ̄ ̄ 丶人__). | 思わず笑ってしまった。 / \ ._|_____ , --'、 / `〉 だが内容は調理方法が書いてある訳でもなく、 / ⌒ ) / / 普通にシェフを目指す少年と少女の話であった。 ,′ ノ / / l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l `'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
102 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:50:42 ID:6uDsiMUo ____ / \ 青年はキッチンからカルボナーラとフォークを持ってくると、 / ─ ─ \ 机に置いた後に『感想は?』と聞いた。 / (●) (●) \ | (__人__) | \ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄\ / _ノ \ やらない夫は少し笑いながら | (● )(─) 「素人の俺に言える事はあまり無いかもしれんが・・・ | (__人__) 中々斬新な題名だな。」 . | ノ と、微妙に賞賛した。 | ∩ ノ ⊃ / ./ _ノ (. \ / ./_ノ │ \ “ /___| | . \/ ___ /
103 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:52:06 ID:6uDsiMUo
___ / \ 青年は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑って / \ 「ありがとう、みんなその作品を見るといつも、題名が変じゃないか?とか言ってくるんだ。 / ⌒ ⌒ \ 君は初めて題名を褒めてくれたんだお、名前は何ていうんだお?」 | /// (__人__) /// | と、やらない夫に聞いた。 \ /
/ ̄ ̄\ / _ノ \ 「ニューソク=デ=やらない夫ってんだ。」 | ( ●)(●) | (__人__) と、席に座りカルボナーラを食べ始めた。 * | ` ⌒´ノ ∩_ | } | E) * ヽ } / / _ヽ ノ/ .ノ + / .. ../ +
104 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:52:55 ID:6uDsiMUo ____ /⌒ ⌒\ 「僕はやる夫だお。」 /( ―) (―)\ 青年は名乗った。 /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 「そんな題名にしたのは・・・そうだな、斬新な物に人は目が行くでしょ? | | だから、多くの人の目に止まる様に・・・と思ったんだお。」 \ / 少し誇らしげだった。
/ ̄ ̄\ / _ノ \ 「そいつぁ、良いアイデアだな。」 | ( ●)(●) と、やらない夫は答えた。 . | (__人__) 相当腹が減っていたらしく、カルボナーラはすぐに完食された。 | ` ⌒´ノ 「ごちそうさま、ありがとよ。飯まで食わせて貰ったのに悪いが・・・地図をくれないか?」 . | } と地図を求めた。 . ヽ } ヽ ノ \ / く \ \ | \ \ \ | |ヽ、二⌒)、 \
105 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:53:39 ID:6uDsiMUo
____ /⌒ ー、\ 「それなら、今書くから待っててお。」 /( ●) (●)\ やる夫は新しい紙を使って地図を書き始めた。 /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 森の地図、というとおかしいかもしれないが・・・。 | |r┬-/ ' | やる夫は迷って来る人の為に木の形状や道を詳しく覚えていた。 \ `ー'´ /
/ ̄ ̄ ̄\ / \ / ::::\::::/:::: ヽ | (●):::::(●) | 地図を書きながらやる夫はこう言った。 \ (__人__) __,/ 「ここに居ると、色々な人と出会えるんだお。 / ` ⌒´ \ 森の中に住んでるけど、寂しく無いお。 _/((┃))______i | キュッキュッ そして、出会った人とたまに街で会ったりするから、 .. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \ 人が来る度に友達が増えた気がするんだお。」 / /_________ヽ.. \ と、嬉しそうに言った。 . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
106 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:54:14 ID:6uDsiMUo
/ ̄ ̄\ / _ノ ヽ その言葉に、やらない夫は少し何とも言えない感覚に襲われた。 | ∪ .( ●) | 似た様な話の件で友人の所に行くつもりだったからである。 | (__人) | ⌒ノ 「さっきも言ったが、俺は友人の家に行くつもりなんだ。 ン ノ 何故なら、先日・・・こんな話をしたんだ。」 /⌒ヽ、 _ノ やらない夫はあらすじをやる夫に話した。 / ノ \__ィ ´ / / '|. やる夫も、途中で地図を書き終えたが、真剣に聞いていた。 ( y |. \ \ | \ィン、__)、 .| ij ,ノ
____ /⌒ ⌒\ その話を聞き終わったやる夫は大笑いし、やらない夫がそろそろ怒ってやろうかと思った頃に /( ―) (―)\ 「そうか・・・成る程。・・・分かったよ、そういう意味か。」 /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ と、一人でブツブツ言っていた。 | | \ /
107 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:55:00 ID:6uDsiMUo
/ ̄ ̄\ / ノ \ \ | (●)(●) | 「どうしたんだ?」 | (__人__) | 少し怒りを含んでいる声を発するやらない夫。 | ` ⌒´ | \ ´ / / \
____ /⌒ ー、\ /( ●) (●)\ 「何でも無いよ・・・・。じきに分かるお。 /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ それより、地図を書き終わったから、行くといいお。」 | |r┬-/ ' | と、地図を差し出した。 \ `ー'´ /
/ ̄ ̄\ / _ノ \ | ( ー)(ー) 何となくその言葉が癪に触ったが、やらない夫は無言で地図を受け取った。 . | (__人__) | ` ⌒´ノ 「ありがとよ、飯もうまかったぜ。」 .l^l^ln } とだけ言い、去っていった。 . ヽ L } ゝ ノ ノ / / \ / / \ . / / |ヽ、二⌒)、 ヽ__ノ
108 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:55:30 ID:6uDsiMUo
──. / .\ 地図に従い歩いている途中、やらない夫は考えた。 | .| | .| あのやる夫の言葉・・・一度出会った人はもう友達・・・。 ! / その魔法の館に住むやる夫はとても幸せなのだろう。 ヽ ノ / ヽ 人に恵まれるのは素敵な事は分かるが、自分には遠い話に思えた。 し、 |、ノ また会ったらもっと話ができるだろうか・・・。 | | ・・・そうだ、俺はやる夫と友達になったのだ。 !_/´ヽ_l そんな事を考えている俺は、魔法の館とその主に魔法をかけられたのだ。
__ ___ ___ ______ :|| | | | | ||┌────┐|| :|| |___| |___| ||│:::#;;. │||:: そんな事を考えている内に、 :|| |___| |___| ||│ │|| 森を抜け、知っている道を歩き、できる夫の家に着いた。 :||:  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ||│ ;, │||; :||:: :; ; ,, :: :||│ │|| :: :||:: :; : ..;||◎ニニニニニ || :||.:,,''; ...:;;; :||│::::/ │||: :||:;;;: .::||│ ;;; ,,│||:;;; :||;::: # ..: ,, ;;....;:||│ │||;;:..:: :||;::: ..: ..: . ,,, ;;#....;:||│ │||;;;k、,,,  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
109 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:56:21 ID:6uDsiMUo ____ , / \ - / ⌒ ⌒\` ノックの音に気づいたできる夫は / ( ●) (●) \ 「遅かったね?やらない夫かい?」 | ___´___ | と返事をした。 ヽ、 `ー '´ /
/ ̄ ̄\ / _ノ \ | ( ─)(─) 「あぁ、森で迷っちまってな。」 | (__人__) と、やらない夫は言った。 . | ノ | ∩ ノ ⊃ やる夫の事は言わなかった、特に言う必要も無いと思ったからだ。 / ./ _ノ それよりもやらない夫には気になる事があった。 (. \ / ./_ノ │ \ “ /___| | 「紹介してくれるのは誰だ?」 . \/ ___ /
110 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:57:02 ID:6uDsiMUo ,___ / \ / ⌒ ⌒ \ できる夫は少し笑って / (●) (●) ヽ 「あぁ、ごめん、今はいないよ。 | 、__',_, | これから僕達がその人の家に行く予定なんだけど。 \ ,/ あ、名前はやる夫って言うんだ。」
/ ̄ ̄\ / _ノ \ | ( ─)(─) 「やる夫・・・。」 | (__人__) まるで小説みたいな展開だ。 . | ノ | ∩ ノ ⊃ 残念なのは異性ではない――運命の人にはなれない――事である位だろう。 / ./ _ノ (. \ / ./_ノ │ \ “ /___| | . \/ ___ /
111 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 17:59:17 ID:6uDsiMUo
/ ̄ ̄\ / _⌒ \ やらない夫は大笑いして、こう言った。 | (●)(●) . | ⌒(__人__) 「そいつなら、さっき友達になったぜ。」 | |r┬| .} . | | | | } . ヽ `ニニ } ヽ ノ \ / く \ \ | \ \ \ | |ヽ、二⌒)、 \
駄作失礼、原作無し。 まぁ・・・その、つまらないかもしれんけどごめん
112 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 18:01:57 ID:6uDsiMUo
書き忘れ、どうでもいいかもしれんけど題名は「魔法の館とカルボナーラは突然に」
113 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 18:31:59 ID:G3frsbk.
乙 こういうの好きだ
114 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 18:45:36 ID:VQnessP6
丁度もやし入りカルボナーラを食ってた俺にはタイムリーな話だったぜ
115 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 18:56:02 ID:v4XNe5DQ
本日投下分まとめて乙っす。
総じて短編のレベルが上がっているのは気のせいではあるまい。 俺もなんか書いてみてーなー。
116 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 19:26:45 ID:hxXT0VXA
乙でした~
>>115 いや実際上がってるでしょ、 何かのコピペで「日本は内輪受けの文化」だっての見たことあるけど、 まさにその通りだと思う。 何の報酬もなく、ただ同好の士の「乙」が欲しいという理由だけで、 作品がどんどん練りこまれていって、ふと気づいたら物凄くレベルが高くなっていく…
というワケであなたもいっちょ書いてしまうんだ!
- 関連記事
-
ランダムジャンプ
|